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2013年3月15日、85年の歴史に幕を閉じた東急東横線渋谷駅

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当編集部も東京から離れている時期が多くなり最近当サイトの更新もすこぶる鈍っておる訳であるが久しぶりに東京に戻ってみると「東横線渋谷駅」が3月16日から副都心線地下ホームに移転するに伴って現在の地上ホームの営業が終了するという話になっていた。せっかくなので最後の日を生暖かく現地で見守ってみようと思い、渋谷にやってきた。


東急東横線は昭和2(1927)年8月に現在の地上駅が完成して以来、ホームの拡幅を繰り返しながら今の形となった。東横線の始発駅は開業からかれこれ85年間、この手狭なホームで踏ん張っていた訳である。

ホームの老朽化と副都心線直通による利便性向上という名目で、この地上ホームが用済みとなった訳だ。駅予定では地下化は2012年だったと聞いていたが、1年遅れたようだ。東横線渋谷駅と同じ場所に建つ東急百貨店東横店の東館も今月末で営業終了し、建物が解体される予定でいる。

地上ホーム営業最終日となる3月15日、東横線渋谷駅のプラットホームには普段の通勤通学客に紛れて案の定かなりの数のギャラリーが集結しまくっていた。所謂撮り鉄や葬式鉄とも言うカメラ片手にうろつき回る挙動不審なオジサンやその辺の通勤客の男女もここぞとばかりに記念撮影しまくる。

かまぼこ型屋根が特徴的な東横線ホームも今日が最後とばかりに見納めに訪れた方々があちこちで写真撮影していた。野次馬対策の警備員の数も物凄い。「立ち止まらないで下さい」を連呼しまくり。比較的混んでいない昼間ですらこれだから大変ですねえ。

夕方以降のラッシュアワーに重なりだすと随分酷い状況になっているようだ。リアルタイムな話であるが終電間際には恐ろしい展開になっていそうだ。かなり狭いホーム先端部も多数の撮り鉄が占拠。安全確保も並大抵のことではない。

そのまま電車に乗ってひと駅隣の代官山駅に移動する。こちらも渋谷駅同様、明日の始発電車から地下化してしまう予定でいる。やはり渋谷駅同様多数の見物客に備えて警備員がかなりの人数配置されていた。ちなみに今見えている地上の線路の真下に地下が掘られている。終電後の線路切り替え工事の際にはこの下からぽっかり地下空間が現れるのである。

ひとまず我々も代官山駅で降りて再度渋谷駅まで歩いて戻ってみる事にする。おスイーツ全開な代官山などこんな機会でも無ければ来る事など全くない場所である。

駅前にはこれでもかと言う程のオシャレ系カフェ飯の広告が並べられている。あんまり来たことないけどイメージ通りの街でございますわ。普段ならそんなオシャレな方々が闊歩するような街だろうが本日は葬式鉄のオッサンの姿で賑わっている。

代官山駅が狭いゆえギャラリーは駅の周囲の歩道橋などで待機しまくっている。平日にも関わらずなかなかの人出だ。もっとも近所のオフィスで働いている方々も昼休みついでにギャラリーに加わっている。

代官山駅周辺では既に本日の最終電車が終わった後の線路切り替え工事に備えてかなりの数の作業員の方々がスタンバイしていた。これで前日の終電から翌日の始発までの僅か4時間で、始発電車から何事も無く地下に繋がる訳だ。日本の技術って大したもんですなあ。

東京で鉄道の地下化工事と言えば最近では2012年8月にあった京王線の調布駅周辺の地下化もあった。この東横線代官山駅から渋谷駅の地下化の後も、すぐ近日の3月23日に小田急線下北沢駅周辺の地下化工事が予定されている。まさに東京の鉄道網は地下化工事ラッシュの最中にある。

渋谷清掃工場の大煙突がそびえる東横線とJR線の交差部付近にある歩道橋も見渡しの良い場所という事で多数のギャラリーがスタンバっていた。

山手線や埼京線の車両が走るJR線の上を東横線の車両が跨ぐ風景もこの日で完全に見納めになってしまう。

さらに渋谷駅方面へ。東横線の高架が渋谷川に沿って走る辺り。無骨なコンクリート護岸の底を流れる渋谷川が東急百貨店東横店東館の下から暗渠となる風景も、同館の解体予定で近いうちに変わるかも知れない。

この場所をおよそ85年半も走り続けていた東急東横線、明日ともなれば電車が走る事も無くなる。渋谷駅始発だった電車も地下5階にある副都心線ホームに入線し、通勤客の動線も大きく変わるはず。

今日はやけにカメラを持った人が多いニャー、と言わんばかりの野良猫。こいつらの居所も近いうちに無くなりそうな気配。東横線の地上駅舎や線路は撤去されてしまい、そこに今まで大きく南側に離れて建っていた埼京線ホームが移設される予定なのである。

今回の東横線と副都心線の直通で最も便利な思いをするのはやはり東武東上線や西武池袋線を利用する埼玉県民や練馬、板橋区民だったりする訳である。思えば埼京線が新宿、渋谷、恵比寿まで延伸してきた時「埼京線文化蹂躙説」だの埼玉県民の侵略行為だのと言われた訳だが、今度はその触手がさらに横浜方面に伸びていく事となるのだ。

一方で地下5階のホームへと変わる東横線で不便な思いをするのは従来から渋谷駅を通勤コースに使っていた東横線住民や今回の移転で最も東横線ホームが遠ざかる井の頭線住民だ。どう見ても小金持ちスイーツ女子の殿堂でしかない「渋谷ヒカリエ」が近くなるとか言われても個人的には全然嬉しくないし、東横線の始発で今まで座れていたのに、これからは座れなくなるのかとのボヤキも多い。

おまけに日比谷線中目黒駅との東横線直通電車も無くなってしまうという事だから地味にあちこち不便になるようなのだ。全て副都心線経由の電車が優先されてしまう形になる訳で、これには不満の声も多いようだ。なお日比谷線直通電車に関しては2000年に5人死亡の脱線事故を起こしている経験もあるトラウマからなのかそれはよく分からないが。

ともかく明日になれば否応無く東横線渋谷駅ホームは地下に潜ってしまう事になる。「元町・中華街発飯能行き」という訳のわからない長距離直通電車が走る事になる訳で当分は運行ダイヤの混乱があったり色々大変そうだ。当該沿線にお住まいの方、明日からも通勤通学頑張ってくださいね。

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