ガチな下町「荒川区荒川」 (4) 荒川自然公園

町屋にあるのは巨大斎場だけではない、巨大な下水処理場まである。
町屋駅の東側一帯にひたすら広大な面積を持つ下水処理場「三河島水再生センター」である。大正11(1922)年から稼働を続けている日本初の近代的下水処理場で、荒川区と台東区の汚水処理を一手に引き受けている。
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そんな巨大下水処理場の敷地を有効活用して、建物上部がなんと公園になっているのだ。その名も「荒川自然公園」。どう考えても人工構造物の上にある公園だが自然公園という矛盾したネーミングを持つ。
町屋自体がマニアックであまり行く用事もない場所だが、この公園はなおさら行く用事もなさそうなマイナーゾーンなので、せっかくだから公園の中を散歩してみる事にした。


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町屋駅東側の北口からスロープを登って公園の中に入る。ここがまさか下水処理場の上にある土地とは想像だにできないだろう。広い園内には野球場やテニスコート、さらに交通公園まであるが、公園でまったり遊んでいる親子連れの姿は殆どいない。
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公園の北口から入るとまず見えるのが交通公園である。園内には日本の交通法規に従った道路や信号や標識なんぞがミニチュアでこしらえていて、親が子供に交通ルールを学ばせられるようになっている訳だ。
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多少サイズや形は違ってはいるけど実際と同じ挙動をする園内の信号機。はいはい、赤信号はちゃんと止まってね。だけど全然歩行者も車もいません。
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ちょっと角張りすぎな歩行者用信号も本物をほぼ忠実に再現。それはいいけど誰もいない。この付近は町工場だらけだし共働きの夫婦が多いから平日に子供を遊びに来させられる親なんてそうそう居ないような気がする。昔はそうでもなかったはずだけどな。
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下水処理場の上に作られた人工都市はさながらゴーストタウンのような有様を見せていた。迷惑なDQN珍走団もここに来れば走り放題ですよ。夜中は開放されていないので残念ですが。
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交通公園内にはなんと踏切まである。踏切前では一旦停止しないとおまわりさんに切符切られて罰金払わされますよ。ただ本物の電車が通る事はない。
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園内には交通ルールを学びたい親子の皆様に貸し自転車のサービスも行っている。結構な数の自転車が置かれているが平日は概ね閑古鳥が鳴いているらしく受付の人もどこか暇そうだ。
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他にも園内には子供さん大喜びな遊具の数々も置かれていてリア充な方々の休日の昼下がりには素敵な公園だが、さっきから遊んでいる子供の姿が全然ない。ここが江戸川区とか世田谷区とかだったらもっと賑やかなはずだが…
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広大な公園内をうろつき回るだけでも結構骨が折れるが、都電荒川線の荒川二丁目停留所から入れる西口から公園を見ると謎の変なオブジェが見られたり随分雰囲気がアレな感じがする。
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イナバウアーで有名なのは荒川静香選手ですがイナバウアーに失敗してスッテンコロリンしちゃった感じのオブジェが建っているのが荒川自然公園です。
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そんなどこか寂寥感漂う下水処理場上の公園の中を突っ切ると、町屋駅とは反対方向に出る「荒川八丁目口」というのがある。この先も東京広しと言えどもかなり珍しい光景が広がっているので見逃せない。

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