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アクアラインのせいで街全体がピエリ守山状態…氣志團の街「木更津」ストロー現象 (全6ページ)

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千葉県房総半島の中心都市である木更津市にやってきた我々取材班。木更津と言えば氣志團…千葉のヤンキーのイメージの8割がたは木更津に持って行かれている気がしなくもないが、割と東京から近いのでいつでも行けると思ってなかなか行かない街の一つである。東京湾を挟んだ向かいには京浜工業地帯があり、神奈川県川崎市から東京湾アクアラインで直結している為、東京都心から高速バスでは片道1時間で来れるが、電車で来た場合は総武線経由で片道1時間半近く掛かる。

悲惨過ぎる木更津駅前「アクア木更津」と富士見通り

木更津市 海ほたる

日本の土木技術力を結集して作られた「東京湾アクアライン」…総事業費1兆4千億円を掛けて1997年に開通して以来、木更津と東京都心との距離を半分近くに縮めた全長15.1キロの高速道路。そのうち海底9.6キロを川崎側から伸びるアクアトンネル、地上4.4キロを木更津側から伸びるアクアブリッジが走り、地上と海底の結節点は東京湾上に浮かぶ人工島「海ほたる」である。

木更津市 海ほたる

海ほたるは千葉県木更津市に属していて、アクアライン開通以来、木更津市の大きな観光資源として機能している。休日には首都圏から大勢の観光客が訪れ駐車場は常に満員御礼となるのだが、アクアライン自体は長年通行料が3000円と高額だった事で利用者が伸び悩んでいた。それが2009年から通行料を800円に大幅値下げして現在も続行中、客足を繋ぎ止めている。通行料割引の差額は国と千葉県(年15億円)で支払ってるらしいんですが、莫大な維持費をいつまで払い続けるのか気の遠い話ではありますね。

木更津市 木更津

そりゃ首都圏からの観光客は房総半島に来やすくなって、千葉のくせに東京ドイツ村だの言ってるようなファミリー向け房総半島の各観光地にとってはアクアラインさまさまになっているようだが、一方で悲惨極まりないのがアクアラインが通じた先の木更津市の中心市街地だ。まずは内房線木更津駅西口へ。3階建てのくたびれた駅舎がお出迎え。

木更津市 木更津

房総半島の中心都市としてますます栄える予定だったはずの木更津だが、その中心市街地である木更津駅前に来ると通りがかる人の少なさに唖然とする。アクアラインができたせいで「ストロー現象」が起きてしまったのだ。不便な電車よりも高速バスの方が利便性が高く、木更津駅前から東京、新宿、品川、川崎、横浜、羽田空港行きと実に多種多様なバスが頻繁に発着している。

木更津市 木更津

そして駅の真向かいにそびえる立派ながらも寂れた商業ビルはかつて駅西口にあった「木更津そごう」の成れの果てである。昭和63(1988)年の駅前再開発で進出してきた房総南部屈指の百貨店だったが開業後12年経った2000年に自己破産の末閉店。後に建物を木更津市が6億円掛けて買い取り「アクア木更津」として2004年に再開したがカラオケ店やフィットネスジム、それにハローワークが申し訳程度に入っていて9階建ての半数のフロアがガラ空き、まるで「ピエリ守山」状態とネット上で話題になっている。

木更津市 木更津

駅前からして悲壮感漂う木更津駅前には逆立ちタヌキの「きぬ太くん」像が街行く人々もあまり居ない中、寂れた木更津駅前を見守り続けている。さて、我々もこの街がどれだけヤバイ事になっているか探検してみる事にしよう。

木更津市 木更津

まずは駅前から木更津港に向けて伸びる「富士見通り」を歩く。アクアライン開通前までは木更津港から川崎行きフェリー(マリンエキスプレス)乗り場へ向かう客も多くそれなりに栄えていたという。しかしアクアラインの開通でフェリーは全面廃止。現在は見るも無残なシャッター通りだ。

木更津市 木更津

本当に駅前なのに誰も歩いてないんだから笑いを通り越して凍り付いてしまう程だ。アクアライン開通が1997年、そごう撤退が2000年、それから10年と少しでこの状況。千葉栄町あたりならこうした寂れた商店街に怪しげな韓国系ショップとかができるのだろうが、そんな兆しはミジンコほどにも感じさせない。郊外にどんどん大型ショッピングモールが進出、中心市街地は寂れる運命を辿っていった。

木更津市 木更津

駅から木更津港までは徒歩10分少々。富士見通りは駅前から続くいわばメインストリートだが、もう既に商店街の体すら成していない。

バブル期の地価高騰の影響で割安だった木更津周辺が宅地開発され一軒家を持つ家庭が多かったが、バブル崩壊で木更津の地価は大幅下落、念願のマイホームから都心への長距離通勤に泣いている人もいる。またアクアライン開通による人口増加を見越して開発した「かずさアカデミアパーク」も赤字垂れ流しで三セク破綻。散々な結果だ。

木更津市 木更津

綺麗に街路が舗装され歩行者に優しい設計になっているにも関わらずフェリーが廃止となったせいで人通りが途絶えてしまった富士見通り。休憩用のベンチまでぶっ壊れたまま放置プレイである。

駅前の衰退の酷さは見ての通りだが、郊外ではアウトレットモールが出来たりイオンモールが建設中だったりと今どきな商業施設はそれなりに充実している。アクアラインの通行料が800円のうちには東京都心へのマイカー通勤も無理ではないと割りきって住んでいる市民も結構いるそうで木更津市全体の人口は実は地味に増加傾向なんですが…

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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