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墨田区DEEP探検 (5) 八広・東墨田工場群<後編>

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墨田区東墨田の荒川沿いに広がる、東京最大の皮革産業集積地「木下川(きねがわ)地区」。主に皮革製品の前工程である皮なめしの工場、油脂製品、農業用肥料といった町工場が立ち並ぶ。
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訪れる前は近代化された工場の風景を想像していたが実際にやってくると違っていた。相変わらず古くからの工場がそのまま残っていて、街並みはすこぶる昭和の時代そのままである。それがまた独特の風情を放つ。


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現在の木下川地区の工場群は明治時代に強制移転の末に生まれたという。それまでは浅草あたりにあった皮革業者をまとめて移住させたそうだ。豚皮なめしではこの地区だけで全国シェアの7割を誇ると言われている。
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しかし職種柄どうしても臭気が発生すること、それに差別といった問題もありもともと皮革工場のあった浅草界隈が都市化によって人口が増えた頃から行政によって現在の場所に強制移住させられた経緯がある。
街中には「ここは特別工業地域です。多少の騒音や煤煙・臭気はご承知ください」と書かれたプレートもある。確かに街中に革の臭いが漂い、カラスがやたら飛び回っている。その環境は世代を超えて街で働き暮らす人々が共にしてきたわけだ。
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そんな木下川の町には工場の傍ら、住宅も多く密集している。近年では革なめし工場や油脂工場で働くため外国人労働者がこの地区に流入しているそうだ。いわゆる3K職場だということで潔癖になりすぎた日本人が好んでやって来ないからだろう。
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街中に見かけるオンボロアパートは仕事で出払っているのか、既に廃墟なのか知らないが生活臭がしない。
どこの町工場でもそうだが、グローバリゼーションによって海外の安い労働力に対抗するために日本でも安い賃金でよく働く外国人を積極的に受け入れている。とりわけ差別や偏見の壁もある皮革産業であればなおさらその傾向は高まるわけだ。
木下川の皮革製品も海外からの安い製品に押されて苦戦しているらしい。
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木下川地区では皮革産業だけではなく鉄工場もよく見かける。鉄工場も負けず劣らず3K職場であり音や臭いが発生することから、皮革産業集積地であるこの地区に工場を構えている。
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ふと見ると火災を起こした鉄工場がそのまま残されていた。2008年12月に火事で丸焼けになった工場だ。(→詳細
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不況の影響なのか、この工場は火事があった前の月に閉鎖していたという。工場の経営者が火の不始末を起こして近隣の工場も巻き込んで大火災に広がったそうだが、油脂工場も多く燃えやすい環境にある地区にあってひとたび火事ともなると街中が大騒ぎになるだろう。
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工場街を歩いていると路面が時折油脂でテカテカになっていたりする。
中小零細企業が中心になっているので小さな工場が乱立しているのだが、工場の中が開け放たれている所はほとんどなく、様子を見る事は出来ない。やはり臭気対策ということもあるのだろう。
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工場街を抜けると東側がすぐ荒川河川敷となる。先ほどまでのどんよりした空気とは打って変わって河原を抜ける風が涼しい。河川敷の草むらは絶滅危惧種指定されているヒヌマイトトンボの生息地になっている。
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河川敷に架かるのは京成線の鉄橋と、もう一つの「木根川橋」。橋を渡った先は葛飾区四つ木である。
我が地元である反日国家大阪民国の社会の教科書には必ず載っているネタだが、大正時代の関東大震災時に「朝鮮人が暴動を起こす」との流言蜚語が飛んで、多くの朝鮮人が殺されたという話の一つに、殺された遺体がこの木根川橋の下に埋められた、という話もあるが実際にあったのかどうか実証する資料が乏しい。
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荒川河川敷から八広駅前に続く道すがら、道路下のトンネルの中には香ばしい「政治集会」の落書きが。いつに書かれたものなのか分からない。社会主義・共産主義が入り込むのはマイノリティが多い地域の特性の一つだろう。
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香ばしいトンネルを過ぎると京成八広駅がすぐ近くにある。
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高架化されたのはいいが駅の改札に行くまでがすこぶる寂しい上に長い。東京都内の京成電鉄の駅では利用者数がかなり少ない部類に入る。
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八広駅からは、葛飾区のDEEP下町「立石」も2つ隣である。
それに浅草にもすぐ出れる上、東武線や東京メトロにも直通で新東京タワーこと「東京スカイツリー」が建設中の押上・業平橋もある。
根っからの下町好きであれば、この辺に住むのも悪くは無いかも知れない。

参考書籍
大東京バス案内(ガイド) (講談社文庫)
木下川地区のあゆみ・戦後編―皮革業者たちと油脂業者たち

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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