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山谷至近DEEPゾーン「南千住」 (2) 小塚原回向院

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南千住駅を降りると再開発ビルや高層マンション街が次々現れている変貌ぶりには溜息が出るばかりだが、やっぱり南千住と言えば江戸三大刑場の一つ小塚原刑場があった街。南千住の街の歴史を今に語るはかつての刑場で死した罪人を供養する為に置かれた小塚原回向院。現在もしっかりこの土地に残っている。
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小塚原回向院は南千住駅を降りてコツ通りのすぐ向かい。正面にでかい葵紋が掲げられた建物があるのですぐに分かるはずだ。


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小塚原回向院の建物は最近建て替えられていて非常に綺麗な外観をしている。もとは両国回向院の別院。安政の大獄で刑死した吉田松陰を始めとする歴史上の有名人の墓がいくつかあり、寺というよりは「史蹟」。っていうかちゃんと看板にも史蹟って書いてあった。
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傍らには回向院に関する説明板。行路病死者や刑死者の供養のために開いた寺だとはっきり書かれている。慶安(1651)4年の小塚原刑場創設から幕末に廃止されるまでの間に約20万人がこの地で刑場の露と消えたのである。
そりゃ骨ヶ原というくらいだもの、土を掘り返せば骨くらい出てきてもおかしくないだろう。実際に近年になっても、つくばエクスプレスの建設工事で回向院前の地盤を掘り返したら骨や遺品が大量に出土したらしい(→詳細
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説明板の真向かいに置かれた「吉展地蔵尊」は昭和の有名事件史の一つである「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の犠牲者(当時4歳)を弔う為のもの。遺体が円通寺境内に捨てられていたといい、後に回向院に葬られた。
昭和38(1963)年の事件でかなり古いが、当時のマスコミにも連日のように大きく扱われ、誘拐事件についての報道協定が結ばれたり、身代金目的誘拐罪が刑法に加えられ、警察にとって誘拐事件解決のノウハウを培う事例にもなった。
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小塚原回向院の中に入ると理科の教科書などで馴染み深い「解体新書」の扉絵を象った青銅のレリーフがついた観臓記念碑がある。オランダ語訳「ターヘルアナトミア」を手にした杉田玄白らがこの地で刑死者の解剖(腑分け)に立ち合い、解剖図の正確さに驚嘆して日本語訳「解体新書」の制作に熱を上げたとされる。
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その奥に入ると回向院墓地が広がっている。左側は一般の墓地で、右側には歴史上の人物の墓地。観光がてらに立ち寄る客も多いようできちんと分けられている。
回向院墓地の向こうには以前訪れた「首切り地蔵」の延命寺(小塚原刑場跡)があるが、もとは回向院の一部で、明治時代に常磐線の線路でぶった切られてしまい、昭和に入って延命寺が回向院より独立したそうだ。
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回向院墓地右側。整然と墓が並んでいる真ん前には簡易宿泊所の客室の窓が見える。なんとも眺めのよさそうなドヤである。
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ここに並ぶは昔の有名刑死者の墓。4つ並んでいるが左側から義賊鼠小僧次郎吉(源達信士)、片岡直二郎、明治の毒婦高橋お伝(榮傅信女)、「腕の喜三郎」。腕の喜三郎の墓はそのまんま腕型の墓だ。
ちなみに高橋お伝は明治12(1879)年、女性では日本で最後に斬首刑にされた人物である。南千住小塚原は日本における処刑史の宝庫。
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吉田松陰の墓の前にはずらりと規則正しく並んだ墓がある。桜田門外の変で大老・井伊直弼を暗殺した十五浪士の墓である。
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その一番奥には、井伊直弼の命で行われた粛清(安政の大獄)で刑死した吉田松陰の墓がある。花を手向ける参拝客が後を絶たず、墓の周囲はいつも生花が沢山置かれている。吉田松陰死んじゃ嫌、やり遂げて欲しかったと唄ったのはつボイノリオ

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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