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秩父路の入口、西武線沿線の奥座敷「飯能」の花街跡と飯能河原を歩く (全3ページ)

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秩父路の入口である埼玉県飯能市は今でこそマイナーな田舎町の一つとしか認識されない場所で、特に東横線沿線住民あたりから見ると直通運転が予定されている副都心線のホームで飯能行き電車を見ると「どこそれ?」となってしまいそうな存在だが、織物産業の他にも中世より林業が盛んだった場所で、県下最大級の花街まであったような栄華を極めた街だという。

西武池袋線で急行電車で池袋から片道約50分。飯能市の玄関口である西武飯能駅に降り立つと結構な都会っぷりを見せる駅前風景。まだまだこの辺は東京のベッドタウンらしく通勤客の行き交う姿を見かける。こんな場所から都心まで通う市民の皆様ご苦労様といった感じである。

駅前の通りにはありきたりな飲食チェーン店が軒を連ねる。西武線沿線なら殆ど必ず見かける埼玉ローカルの中華料理チェーン「ぎょうざの満洲」の店舗もあり。三割うまい!って何が三割なんだろうと考えるがどうでもいいや。やはり埼玉らしい郊外の野暮ったい駅前風景は概ね共通している。

埼玉ローカルデパートである丸広百貨店もここ飯能が創業の地。昭和14(1939)年に前身の丸木商店とした開業したのが始まり。丸広飯能店は2009年に東飯能駅前に移転して建物が無くなってしまっている。よってこれは在りし日の姿(2008年撮影)。ともかくデパートが建つくらい栄えていた街だった訳だ。

駅からちょっと歩いた所に連なる「飯能銀座商店街」もかつて栄えた街の名残りを留めるかのように古びた店がずらりと並んでいる。今ではすっかり寂れてひと気のない通りになっているが…

関東ではよく見られるタイプの戦前の看板建築店舗も飯能銀座には結構残っている。二軒棟続きになった店舗の片側は理容店。

なんともレトロ感際立つ商店街で見るだけで満足出来るが生憎シャッターが閉まったままの店も多い。シャッターに描かれた著作権にうるさいネズミの国のアヒルが寂しそうにこちらを見ている。

こちらも三軒棟続きの看板建築店舗、横っ面を見ると壁一面見事なブルー一色のトタン張りが…これはたまらん。

大正モダンなセンスの看板建築群がそれほど壊されずに生き残っているのは素晴らしい限り。飯能は特に軍事施設もなかったためか戦災からも免れたようだ。

凄まじく年代物の店構えが特徴的な「杉山フルイ店」。平屋建ての店舗の入口には何やら竹籠や竹細工がびっしり陳列されていてまるで時代劇に出てくる店のようなテンションである。

飯能銀座商店街から外れた脇道には古い旅館が点々と並んでいるのが見られる。まだこの辺は花街のエリアではないのだが、旅館の店構えがただならぬハイセンスっぷりを見せる。

立派な看板建築の店構えを残す「旅館新川長」。旅館の玄関付近のモダンな意匠が綺麗に残されていた。

ちょっと腰を屈めてローアングラーな感じで新川長の玄関を眺めるとこの通り。もう既に旅情気分に浸れる勢いだ。池袋から片道一時間以内で来れる場所なのに。

飯能銀座の一本北側を並行する「飯能大通り商店街」もそこそこ店が立ち並んでいる。ちょうど11月の飯能まつりの時期に来たので住民がその支度に追われている最中だった。

大通り沿いに立派なレトロ建築「飯能織物協同組合」の事務所棟が残っている。大正11年(1922)築でそれ以前は西武鉄道池袋線の前身であった武蔵野鉄道の本社があったそうだ。なお飯能は「飯能大島紬」という特産品がある事で知られている。奄美の大島紬とはまた違うようだが。

さらに大通り沿いには豪勢な黒漆喰の「店蔵絹甚」の建物がそびえる。小江戸川越も顔負けの重厚な店構えである。駅から西へ伸びる県道沿いの商店街を抜けると西武線沿線住民のバーベキューのメッカ飯能河原へ至る。そして目当ての花街跡もこの向こうにある。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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