コスパ最強過ぎるマイナーなド下町!都営三田線の板橋区「蓮根」の商店街と住環境を観察する

板橋区

ただでさえ来る用事が思いつかないマイナーゾーン板橋区の中でもとりわけ都営三田線の「どこそれ?」的な立ち位置にある街、蓮根。レンコンならぬハスネと呼ぶこの街に何があるのか、もう少しうろつき回って様子を探ることにした。

都営三田線蓮根駅の西側には「はすねロータス商店会」なる名称の商店街が一応ながら存在している。駅前で一番の目抜き通りなはずの商店街だが高齢者が多めとなっております。そしてチャリンコ率の高さも異常。

下町酒場ばかりと思ったらいきなり現れる高級割烹

駅前のガード下も場末感極まるスナックやら焼肉屋ばかりだったが、こちらの商店街も初心者には入りづらい佇まいの焼き鳥酒場とかそんなのばっかりとなっている。それぞれの酒場が地元のご老人の溜まり場なのだろう。

おしなべて庶民的な空気が支配する板橋の端っこの街・蓮根だが、そこにおおよそ場違いと思われる高級割烹「よし邑」がいきなり登場。ここだけまるで別世界過ぎるんですが、テレビロケなどもよく行われている有名な料亭らしい。隣に葬儀場が併設されていることもあって冠婚葬祭や接待の折に使うといった感じのお店でしょうね。

だが蓮根の食生活の主役はビンボー臭い「町中華」

しかしよし邑のような高級割烹料亭はこの蓮根の街ではマイノリティもいいところである。やはり板橋区の端っこという地理的条件だけあって低所得者層と労働者層が普段遣いするような「町中華」が大勢を占めている。王道的佇まいの「中華番大」。近隣一円に出前もやってる土着的下町中華料理店。

次いで、古めかしい看板といい渋すぎる店構えの「八宝飯店」。熱々とろとろヤケド注意の「トロトロラーメン」が一押しのようですがこのネット社会のご時世に未だ食べログ情報皆無なところが凄い。板橋の町中華の世界は底なしである。

あと高島通りまで出ると「竹内食堂」という、これまた渋すぎる中華系大衆食堂が現役バリバリで営業中。店内が小上がりの座敷席が付いた昭和の中華食堂そのまんまなスタイルでそそられる。

竹内食堂の入口も初心者には非常に入りづらい雰囲気。手書きの暖簾がまた渋さに磨きをかけている。中華料理系に限らず定食物とアルコール類が豊富です。この通り、板橋区にありがちな「腹一杯食わせてくれる町中華」も蓮根には数多く営業している訳で男の一人暮らしに限っては食生活で不自由する事はないだろう。

コスパ最強な暮らしが実現できる蓮根の素晴らしい住環境

蓮根駅から徒歩5分圏内でもこの通りのボロアパートがひしめいていて、ビンボー人の一人暮らしにはもってこいの環境が揃っている。このグレードのボロアパートなら駅近で家賃4万円台(風呂なしなら3万円台)も現実的である。

何も埼玉県民になって混雑極まりない埼京線に乗って戸田あたりまで行かなくとも、荒川の手前の板橋区でコスパ最強な暮らしができるのだ。しかしアパートの一つまで物凄く渋めな物件揃いですね…

みすぼらしいボロアパート住まいはイヤだという方にはUR都市機構の新蓮根団地や都営長後町アパートなど公営住宅の類もたんまりあるのが蓮根という街でございます。新蓮根団地はダイエー西台店にも近く楽々お買い物可能。

蓮根駅の東側にある都営第二長後町アパートは建て替え工事も進み真新しい外観に生まれ変わっている。月極駐車場の相場は駅近でも2万円前後と控えめ。駅前なのに30分100円、12時間最大900円のコインパーキングもあってその激安っぷりに驚いたんですが、ともかくコスパ重視だけど埼玉に住むのだけは嫌な人がギリギリ都内に踏み止まれる場所です。

また板橋区という土地柄だけあって外国人ばかりが集団生活をしているシェアハウス的な物件もあるようで、わざわざ英語の注意書きがあっちこっちに貼っているあたりが気になる。

蓮根のもう一つの商店街「ハミングロード」

蓮根駅周辺にある3つの商店街のうち最も西寄りにあるのが「ハミングロード」(蓮根中央商店会)である。最も下町臭い生活感に溢れているのがこちらの特徴。道端に野菜を並べまくる「道交法?なにそれ」的な昭和の八百屋も現役なところが緩い。

しかし蓮根駅前通りが「みらべる蓮根店」を中心に栄えているのと同様、こちらのハミングロードは「業務スーパー蓮根店」を中心に栄えている。大山だろうが成増だろうが、ここ蓮根だろうが、板橋区で人が集まる所は必ず「激安スーパーの前」というのが定説である。

新蓮根団地に隣接する側も昭和そのまんまなテンションの自転車屋に蒲鉾屋、それに中古ババ服屋と化した元果物屋なんかが連なっており、街の新陳代謝がさっぱり進まない様子が見られる。

その他、すっかり廃屋同然の姿を晒している「日栄ストアー」と書かれた元スーパーマーケットの残骸があったり…

今時ガチな下町でしか見かけなくなった10円コインゲームが豊富に陳列された街の駄菓子屋「小林孝商店」もなかなかのオツっぷり。蓮根育ちの子供は街の駄菓子屋のコインゲームでもれなくギャンブラーの素養を鍛えられます。

薄汚れたガラス戸の向こうにぼやけた店内が拝める入りづらさ全開の謎のおもちゃ屋などがゆる~く営業している。成増のスキップ村もスキップする気にはとてもなれませんでしたが、蓮根のハミングロードもハミングしたい気分にはとてもなれません。

そして商店街から路地裏にそれると怪しげな佇まいの雑居ビルにフィリピンスナックっぽい店があったり、地元のオッサンの溜まり場としか思えない訳であるが…

地元のアル中年金老人を相手にしているような昼間っから営業しているカラオケスナックも沢山あるのが板橋区蓮根という街なのです。

蓮根は冒険家植村直己ゆかりの地でした

でも、この街で唯一メジャー級なものがあるとするなら此処くらいでしょうか。冒険家・植村直己の功績を今に伝える「植村冒険館」。植村直己は昭和59(1984)年に北米マッキンリーで遭難する前までの15年間、ここ蓮根で暮らしていたそうで、ゆかりの地だったんですね。


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