池袋ウエストゲートパークならぬ池袋西口公園

街が線路を隔てて東西にぶった切られている池袋駅前、人の往来が激しい東口と比べるとどこか雰囲気がどんよりしているのが西口である。西一番街あたりは怪しい風俗街だし、駅前に居座るホームレスの多さも異様だ。

西口に出ると、そこには東京芸術劇場のでかい建物がそびえる広場がある。池袋西口公園だ。だだっ広いスペースになっているが、毎年秋の「ふくろ祭り」や休日開催のイベント時以外はいたって閑散としている。



石田衣良原作でドラマ化もされた「池袋ウエストゲートパーク(IWGP)」はズバリこの池袋西口公園を指している。

「IWGP」は普段から池袋西口公園でたむろする工業高校卒の果物屋の息子真島誠が街の事件を解決していくという話だが、年がら年中陰気臭い雰囲気を放つこの街らしいアンダーグラウンドな内容だ。

「IWGP」がドラマ化された事がきっかけで一時期、登場人物に憧れる色珍団ことカラーギャングが実際に池袋界隈をたむろするようになったらしい。昔からDQNとヤンキーネタには事欠かないのが池袋クオリティなのである。ちなみに原作は1998年のデビュー以降現在も細々と続いていて現在10作目まで出ている非常に息の長い作品になっている。

ちなみに最近池袋を舞台にしたものと言えば「デュラララ!!」。このアニメもシーンの至る所に池袋の街角の風景が出てきたり、やっぱりカラーギャングが出てきたりする。最近の傾向なのかファンが池袋へ聖地巡礼している模様。

…で、今の池袋西口公園にやってきてもカラーギャングは流行りも廃れて居なくなっているし、むしろ目立つのはホームレスのオッサンばかりである。

池袋西口公園に面して東北方面への高速バス乗り場が並んでいるが、その付近を日常的に所在無げにうろついているのはホームレスっぽいオッサンばかり。ここは山谷かあいりん地区か。ちょっと異様である。

やはりオッサン連中は仕事にあぶれているらしく昼間っから道端に座り込んで仲間同士で酒盛りを繰り広げていたりする。雰囲気から察したが実際早朝に来ると手配師が待ち構えていてその辺のホームレスを拾って現場に連れて行くらしい。

また道路の向かい側を見ると大量に空き缶が詰まったゴミ袋を積み上げて待機している労働者風の男数名がいる。空き缶集めもホームレスにとって貴重な稼業の一つ。池袋西口はホームレスタウンなのだ。

公園の植え込みにもたくさんホームレスの荷物やブルーシート、ダンボールが置かれている。夜は小屋掛けしてそこで眠るのだろうか。

植え込みの中を見てみると何やら石碑が置いてあるのが見える。この池袋西口公園が昔は豊島師範学校跡地だった事を示すものだ。しかし戦争中に校舎は空襲で丸焼けになって、戦後は他の師範学校と合併し「東京学芸大学」として今の小金井市に移転する。

戦後から師範学校の跡地となったこの場所には闇市発祥の市場が出来てその後1970年に公園が整備されるも長らく陰気臭い姿を晒していた。今の状態になったのは1990年に東京芸術劇場の完成に伴い再整備されて以来のものだ。

池袋西口公園を外れた路地に入るとそこもやはり池袋らしくド底辺向け店舗が目白押しの街並みとなっている。

新宿や渋谷では決して多数派ではないが、池袋では道行く人も並んでいる店も田舎DQN丸出しであり、パチンコ屋ばかりが繁盛している地方のどうしようもない歓楽街の縮図を見せられているような気がしてならないのだ。まあ埼玉の植民地だししょうがないよね。

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