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貧民街とセレブタウンの境界線を横浜石川町に見た (2)

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JR石川町駅裏の大丸谷坂を登ってイタリア山庭園には向かわずに、そのまま脇道に逸れてみる。予定調和的なセレブタウンは見ても面白くもなんともないので、生理的に身体が窮屈で雑然とした風景を求めてしまうのだからしょうがない。
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イタリア山庭園のあたりはともかく、少し脇に逸れるだけでも高台にありながら庶民的な路地が隠れていたりするのだ。一軒家とアパートが密集する路地は階段でしか出入りできず、車も進入する事が出来ない。


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大丸谷坂を登るとそこはセレブタウンではなく、狭いアパートが密集する街並みがあった。意外な展開である。赤線跡が転業旅館になったりアパートになる事も多いが、ここは無関係と言い切れるかどうか…
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戦前からあったという外人向けのチャブ屋街は既に面影もないが、坂沿いを中心に10軒以上あったらしい。もしかするとこの辺もチャブ屋街に関係していたかも知れない。往々にして隠れた路地というのは淫靡な空気を残しているもの。
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階段坂を道なりに登っていくと途中から様子が変わる。昔のままの古ぼけた階段と黒ずんだ石垣があらわとなる。その向こうも住宅が並んでいるようだ。
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階段を上り詰めた先には…スカイブルーに塗られた意味深な石門が待ち構えていた。私有地っぽいのでこの先に進むのは遠慮しておいたが…それにしてもそそられる景色である。外国人居留地時代から関係があったのかも知れんな。
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一旦戻って別の場所から階段がさらに続いている。山手というだけあってどこを歩こうにも山だらけだ。この付近でちょうど山手隧道の真上を通りがかっているようだ。
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坂の上には中央大学横浜山手中高、フェリス女学院といった学校の校舎があってか、麓の石川町駅から通学する学生の行き来も多い。ガキの頃から高台の上で貧民庶民を見下ろして英才教育を受けている訳ですね。さすが育ちが違うざますね。
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我々取材班には貧民庶民のDNAが刻み込まれているので山手のセレブタウンを避けるように再び別の階段坂を下っていく事にする。山手隧道の側まで一気に駆け降りる。
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眺めの良さも束の間、湿っぽさが漂う谷底までまっしぐら。この辺も崖っぷちに古い家々が密集していて凄い。横浜独特の極端な地形である。
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高台まで階段坂が途切れずに続くので登りはかなりキツそうなアプローチだ。学生にとっては足腰の鍛錬になってさぞ良い事だが人通りもない上に廃屋があったりして不気味でもある。
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この階段坂脇の崖下に土台と骨組みだけになりながらも残されていたボロ廃屋があったが最近になって完全に取り壊されていた。
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最後は潰れた店舗跡の横を通り抜けて本牧通りに出る事が出来る。既にちょっとした登山気分である。
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本牧通りに面した店舗跡。廃屋同然と化しているが自販機が多数設置されているあたりがちゃっかり者の地主といった所。階段を登り下りした後には、喉が渇くよねそりゃ。
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本牧通りに出るとすぐ右手にセレブタウンの山をぶち抜く山手隧道の姿が見られる。鉄道不毛地帯の本牧へ行く為のメインルートだ。戦後のアメリカ文化やチャブ屋街といった裏歴史に満ちた本牧へは市バスで行くのが望ましい。
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この山手隧道は横浜市認定歴史的建造物らしい。関東大震災後の復興事業で掘られたトンネルで、昭和3(1928)年に開通。このトンネルの向こうにある本牧やその手前の麦田町あたりも結構ネタが豊富なのだがそのうちじっくり歩き回りたい。

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