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川崎東田町係争地コインパーキング内に存在する謎の220円ラーメン店「鳥竹」で食べてきた

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2014年4月、17年ぶりに消費税の税率が5%から8%に引き上げられるという節目を迎えて、何やら世間では便乗値上げをしている店が増えているなどして市民生活がささくれだっている昨今ですが皆様お元気でしょうか。

川崎市 川崎

今回、川崎駅近くにやってきていて、特に川崎駅前の市内屈指の歓楽街「仲見世通」を進んだ先の東田町とかこのへんは変な外国人とかDQNとか暴力団とかが多いちょっとアレな感じの土地になっておりますが、そんな場所に凄いラーメン屋を発見したので是非お勧めしたいと思った次第です。

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そのラーメン屋の何が凄いのかというと、ラーメン屋への進入路と案内看板が出ている通りに従っていくと、なんとそこはコインパーキングの中にあるという、にわかには信じ難いロケーションとなっているのだ。

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周りは普通にコインパーキングなのだが、一軒だけ車じゃなくて「家」が止まっている奇妙な区画が目についた。え、ウソ…ここがお店なんですか?マジで?

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コインパーキングの大海に浮かぶ一隻の小舟ならぬラーメン屋の勇姿を改めて正面からご覧頂こう。あまりにシュール過ぎて…どうしてこうなった!

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そして店の横っ面のトタン壁には「ラーメン220円」とスプレーで書かれた文字が燦然と輝いている。この値上げラッシュの時期にラーメン一杯が220円ですって?!昭和40年代の物価かよ。

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ラーメン屋なのに「鳥竹」という焼き鳥屋みたいな屋号もなんだか奇妙だし、ちょうど店も営業中だし小腹も減ってきたし…とあれば、入らない手はなかろうよ。ちょっとお邪魔する事にしました。開き戸をガラガラをスライドさせ、いざ入店。

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すると「鳥竹」の店内は想像通りに狭く、カウンターが6席くらいしかないマッチ箱のような佇まいである。当方が入店する前に1人だけ先客がいた。元労働者年金暮らし風のやせ細ったオッチャンだった。そしてカウンター席と厨房の間は何故かカーテンで仕切られ完全に視界を遮っている。怪しい…

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この店はこんな特殊な立地ながらも中は割と綺麗にされているし、店を切り盛りしている兄貴もまだ若い。220円のラーメンと、300円のアサヒスーパードライ缶と、ビールのおつまみにとベビースターラーメンが置いてあるだけ。簡潔過ぎる品揃え。

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ラーメンしか食えるものがないので当然ラーメンを注文。一杯220円という安価なラーメンだけあって、量も具も少なめ。野菜はもやし少々、チンゲンサイが一葉、卵は業務用ロングエッグの切れ端、海苔が載ってるだけ。でも味はしっかりした醤油味だ。飲み帰りの一杯なら丁度良さそうだ。夜8時閉店だけどな。

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あっさりさっぱりとラーメンを食べ終えて、きっちり220円を払って退店。消費税増税後もこの値段で通しているし、客単価も少なく客数も少ないのにこれでどうやって売上を挙げようとしているのか…この駐車場の異様な状況を見ると、店の経営事情を深く考えるのもよしておこう。それは何故か。この土地が現在進行形の「係争地」だからだ。

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川崎、東田町、地上げ、といったキーワードでこの土地を調べると「川崎案件」という言葉が出てくる。川崎駅から徒歩5分、繁華街の中にあり、市役所も目前という一等地にあって、この場所は2005年頃からマンション建設の名目で地上げ業者が入り込んでゴニョゴニョなっていたらしい。

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現在この土地の大部分はコインパーキングに代わってはいるが、一部廃屋のまま放置された元飲食店兼住居が何軒かあり、中には内臓をぶちまけた猫の死体のような姿を晒して玄関前からかつての住民の家財道具や衣服などが引っ張りだされた酷い家屋も見られる。

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地元の稲川会系を含めて様々な暴力団組織が絡んだ地上げ戦争の最中、資金を出していた不動産会社が倒産し、事態は泥沼化、暴力団の内部抗争で死人まで出る事態となった国内屈指の曰くつき物件と化していたのである。またこの事件とは別に、この土地にある解体予定の建物から白骨死体が出てきた事もあるという。事故物件もいいところだな…

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で、ラーメン屋なのに「鳥竹」という屋号はおかしいだろうという疑問は、この土地が以前どのような場所だったのかを辿ればすぐ謎が解ける。この写真は2012年5月撮影の東田町係争地。鳥竹は以前その屋号通りに「焼鳥屋」として営業していたのだ。

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元々は戦後のドサクサのようなバラック長屋横丁が連なっていたのが、鳥竹の建物を残して殆ど解体されている。地上げ屋の攻撃に耐え続けて、どうやらここだけ生き残ったという感じでしょうか。

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さらに遡って2010年4月の段階では、コインパーキングは整備されておらず、古くからのバラック飲食街がまだ残っていた。この時期でも既に殆どの店舗は立ち退いており、ゴーストタウン同然の状態を晒していた。

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で、元々あった焼鳥屋の「鳥竹」の場所には、なんともいかにもな感じで右翼団体の街宣車が停められたままになっていた。川崎市川崎区東田町というピンポイントで繰り広げられてきたアンタッチャブルな世界の紛争地帯…果たしてどのような結末を迎えるのか。そしてこんなおっかない物件が市役所の真ん前にある川崎市ハンパねえっす…といった感じです。

<参考記事>
暴力団の窮乏を象徴する「川崎駅前」の無残な「地上げ跡」


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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