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川崎臨海部・池上町に残る不法占拠地帯コリアタウン「群電前」探訪 (全5ページ)

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川崎市川崎区池上町。大田区の池上ではない。京浜工業地帯におけるコリアタウン「おおひん地区」の最奥部に位置し、唯一産業道路と貨物線の東側にある2万3千㎡にも及ぶ敷地にまるで陸の孤島のように存在する住宅地だ。

その池上町の敷地は、かつて戦前の川崎において重工業都市化を迎えた時代に軍需工場建設のため日本鋼管(現:JFEスチール)が取得した土地であるが、当時に労働力として集められた在日韓国・朝鮮人が「不法占拠」の形で住み着き、それが今でも続いているという歴史を持つ。

京急川崎大師駅から南へ徒歩20分。川崎の中心地からも外れた臨海工業地帯に存在するコリアタウン「おおひん地区」へ再度やってきたのだ。観音町の南側、広い道路を過ぎると見えるサウナ兼パチンコ屋のいかにも感漂う「星山ビル」を目の前にすると、いよいよ川崎のDEEPコアゾーンへと足を踏み入れた気分になる。

川崎駅からこんな離れた場所にも…と思うような池上新町の「サウナキング」。小規模ながら健康ランドのそれと同じ形式の設備が置かれている。地元の工業地帯で働くオッサンの疲れを癒す場であろうか。

産業道路とクロスする「川崎臨港警察署前交差点」に程近い場所には、やはりいかにも感全開の韓国系キリスト教会。そして同じ建物の1階には韓国料理店。

ここまで来ると、普通の大衆食堂のような感覚でどこもかしこも焼肉屋だらけになる。最強のコリアタウンである大阪の生野区とタメを張れる数少ない関東の街が川崎コリアタウン「おおひん地区」なのである。

池上新町から産業道路の東側へ渡る。道路の向こうから川崎市臨港消防署の塔(望楼)が見えた。なかなか見た目に珍しいレトロ建築である。昔は高い建物もなかったので、消防署員がこの望楼の上から火の手を確認するのに使われていたそうだ。今では役目を終えており廃墟の塔と化している。

そのまままっすぐ進むと貨物線の高架下を潜る事になる。

この先には完全に工業地帯しかないわけだが、何気に高架下の敷地がリサイクル業者の広大な廃ダンボール置き場となっているのを発見した。

表の立て看板には「製紙原料(株)木下」、高架下の看板にも「故紙全般高価買入」とある。

同じく川崎における戦後のドサクサ不法占拠ゾーンとして知られる幸区戸手四丁目の多摩川河川敷になぜか本社を構える、国内有数の古紙リサイクル業者だ。

貨物線の高架下に広がる廃ダンボール置き場。まるで映画のワンシーンのようである。例えるならば「ブラック・レイン」で松田優作がバイクに跨って現れるかのような怪しい雰囲気。

この貨物線沿いに、川崎はおろか関東でも有数とも言われる戦後のドサクサ不法占拠ゾーン、池上町の通称「群電前」があるとのことだが、こちら側からはリサイクル工場の敷地になっていて通り抜けできない。仕方なく引き返す事にした。

道路の向こう側にも、ただ重機と資材が置かれているだけかと思いきや中に人が住んで居そうな謎の倉庫があるなどかなりミステリアスである。物件のクオリティの高さにしびれる。

いかにも「工業地帯の公園です!」と主張せんばかりの灰色の公園「池上新田公園」。中に入ると鳩と野良猫しかいませんでした。

場所柄ホームレスが小屋掛けしてもおかしくないスペースなのだがそれでも小屋を見かけないということは、それだけこの界隈の住環境が酷いのだろうかと勘繰ってしまう。時折、高架橋の上から貨物列車が轟音を上げて走り抜けていく。

池上新田公園の脇から再び産業道路沿いに戻ってくると、またもやリサイクル業者らしき名前の古びた看板が現れる。導かれるように先に進むと、そこが池上町だった。

で、やはり焼肉屋がここにもあるわけだが、隣には場所柄にも合わぬ意味不明な豪邸も建っていたりして怪しさが増す。きっとリサイクル御殿か何かだろう。

その向こうで再度貨物線の高架下を跨いだ先に、とても素敵な風景が待ち受けていたのでした。そこが川崎最強のバラック街・通称「群電前」の入口である。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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