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【川崎国に新駅爆誕】川崎市臨海部に開業した南武線「小田栄駅」周辺には何があるのか

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2016年3月26日、華々しく開業したはずの北海道新幹線は俄に注目を集めてはいるが、運賃の高さと東京からの所要時間の問題、新駅と函館市街地との接続の悪さといった諸々の問題アリで出だしは微妙だったとか何とか聞きますが、とうとう北海道から南九州まで日本の端と端を新幹線網が縦断する時代に突入した訳でなかなか感慨深いものを感じさせる。だがその一方で同日、地味にもこちら首都圏にも新駅が開業したという話題を聞いた。

川崎市川崎区 小田栄

それが「JR南武線小田栄駅」である。所在地は川崎市川崎区…去年、中1殺害事件で世間を騒がせた「川崎国」と揶揄される京浜工業地帯におけるハードボイルドなバイオレンスタウン、そのど真ん中に新駅が開業してしまったのである。しかし実際来てみるとなんとも簡素な無人駅で自動改札すらなく代わりに簡易式ICリーダーが置かれているのみである。

新駅が出来たのは同じ南武線でも「浜川崎支線」の方でした

川崎市川崎区 小田栄

バイオレンスの街・川崎国ではなく「音楽のまち・かわさき」と表向き謳っている行政側の意向が反映されたのか譜面をモチーフとしたデザインが施された駅名標にはエメラルドグリーンと山吹色のツートンカラーが。そう、同じ南武線は南武線でも、尻手と浜川崎を往復する「南武線支線」の沿線に出来た駅なのである。字面的に人名みたいですが、小田原駅と勘違いしてやってくる人がたまに居そうな気がしなくもない。

川崎市川崎区 小田栄

小田栄駅ホームは尻手方面、浜川崎方面で道路を挟んでそれぞれ別々に置かれている。機能的には都電荒川線あたりの電停並みのものでしかない。まあ、開業当日だったのでこの通り記念乗車の客が目立っていたが…

川崎市川崎区 小田栄

僅か二両編成でやってくる電車は朝夕は12分~20分間隔の発着だが、昼間は40分間隔でしか来ない。あくまで尻手で南武線本線及び八丁畷での京急への乗り換えが前提で、川崎駅や武蔵小杉にすら直接行けない不便な路線である。これでも都心への通勤に使う客がいるというのか…

川崎市川崎区 小田栄

川崎新町~浜川崎間の短い駅間であるにも関わらず、この場所に新駅が開業したのは駅周辺の住環境の大きな変化があった結果からだ。駅のホーム付近からも見えるこちらの巨大な分譲マンション群…元々あった昭和電線の工場や高校の跡地を再開発して出来た街が広がっているのだ。

川崎市川崎区 小田栄

再開発によってこれまで工業地帯でしかなかった川崎区小田栄の人口が10年前と比べて400倍以上に増加した結果、JR東日本と川崎市の連携による「戦略的新駅」という位置付けで、この度当地に駅が設置されたという訳だ。所謂「請願駅」ではないんですね。なお、川崎駅から3キロ程の位置にあるので、自転車を使っている住民が相当多いのが特徴的だ。

川崎市川崎区 小田栄

駅付近では工場跡地の再開発によって既に2000年にイトーヨーカドー川崎店が開業している他、2014年9月にはヨーカドー隣にホームセンターコーナンを核に、廉価なベビー用品店の西松屋、中古品豊富なハードオフ・オフハウス等安っぽいチェーン店が軒を連ねる真新しいショッピングモール「コーナン川崎小田栄モール」も開業。向かい側にある大型マンションをはじめ川崎臨海部住民の買い物需要を満たしている。

川崎市川崎区 小田栄

モール内の本屋さんはどこかで見慣れたトリコロールカラーが目印の「ブックスオオトリ」が出店。三色旗が飾られ「人間革命」一式や題目帳を取り扱う創価学会コーナーもございます。見事に川崎市川崎区という下町地域の需要に応えた秀逸な店舗構成になっております。

川崎市川崎区 小田栄

コーナン川崎小田栄モールの敷地から見える大型マンション群が場違いな高級感を放っていて新浦安あたりの雰囲気とも被る。「カワサキアイランドスイート」という名称が付いているらしい。こんな工業地帯のど真ん中でスイート(笑)ですか…しかし3LDK物件がほぼ新築なのに3200万円とかで売られている。お安い…

川崎市川崎区 小田栄

記念すべき新駅開業に沸き立つ川崎市川崎区小田栄ではあるが、余所者がわざわざ遊びに来るような場所でない事も確かだ。貨物線や工場風景を見たければその先の浜川崎や扇町、海芝浦あたりに行くのだろうが、そのついでに小田栄に立ち寄りたくなるような、気になる店舗や街並みやないものか少しぶらついて探してみる事にしたが…

川崎市川崎区 小田栄

駅周辺で何か食事を取ろうと思ったらこちらの「三平鮨」か駅前のセブンイレブンくらいしか見当たらないというハードボイルドさが川崎臨海部クオリティである。つくづく野暮ったいながらも食べログ検索で小田栄駅付近の飲食店を探しても上位に出てくるのはヨーカドーの中にあるKFCとモスバーガー、はなまるうどんやポポラマーマといったチェーン店が関の山といったところだ。

川崎市川崎区 小田栄

小田栄駅前を通る車道沿いにコアな佇まいと古ぼけた看板を残した「沖縄料理波之上」が激渋っぷりを容赦なく発揮しているがとうの昔に廃業して車庫と化していた。同じ川崎区ではあるが、一大ウチナータウンである隣の横浜市鶴見区にも近いのが小田栄という土地。工業地帯への出稼ぎ労働者だった沖縄出身者の子孫も多い。

川崎市川崎区 小田栄

見るからにろくに食うところも無さそうな街ではあるが、やはり労働者の街だけあって饐えた佇まいの場末感極まる大衆酒場はやたらと多いのが案の定といった所。密度的には薄いけど基本的に川崎臨海部のノリは山谷や西成あたりと変わらんよなあ。

川崎市川崎区 小田栄

そして下町労働者親父のオアシスたる街の公衆浴場「栄湯」も現役稼働中なのである。湾岸街歩きのついでにひとっ風呂浴びて帰るのも良いのではないでしょうか。

川崎市川崎区 小田栄

ヨーカドー川崎店がそびえる小田栄町交差点近くには「母韓の台所」という変な名前の韓国料理店もあって、一大コリアン地帯おおひん地区に近い土地柄を感じさせます。オモニじゃなくて母韓(かあはん)だそうです。

川崎市川崎区 小田栄

その他韓国惣菜店、弁当屋、建設会社の事務所などが割と多いのが小田栄の特徴。土曜日だったので弁当屋は閉まってましたが、まあ大体今でも労働者の街としての性質が強い事が伺える。考えようによっては都心まで片道1時間以内で出られ、かつサラリーマンの手に届く価格で新築マンションが購入できる数少ない場所の一つなのだろう。この地域の人口増加に歯止めが掛かる事は当分はなさそうだ。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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