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中央線タウン「高円寺」に生き続ける戦後の残照。この街に私娼窟はあったのか

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杉並区 高円寺

今回やってきたのは中央線タウン「高円寺」。聞く所によるとこの街には戦後の一時期赤線があったとか無かったとか、玉の井や鳩の街のようにきっちり街の歴史に残っている訳でもないので正直どういったところか分からんのだが、どうも気になってしょうがない物件があったので見に来た。駅を降りて中通り商店街に入ると何やら怪しげな店が昼間っからネオンギラギラにして回転しまくってるのでどうにもアレな街だと思ったり。

杉並区 高円寺

この春上京したての地方民が人気の住宅地である高円寺にやってきて、なけなしの初任給でお安く回転しまくってるアレな店で遊んで憂さ晴らししたり貧民向け定食屋で飯食ったりと、中央線沿線は全体的に地価は高いけど高円寺の場合はボロアパートも多いし上京貧乏学生や貧乏サラリーマンには優しい街となっておりますね。

杉並区 高円寺

そんな中通りの回転しまくりゾーンを横目に見ながらそばの糞狭い路地に足を踏み入れる。ここいらは駅前一等地戦後のドサクサゾーンとなっており建物の密集具合が半端ない。

杉並区 高円寺

高円寺界隈で幅を利かせまくっている沖縄料理チェーン「抱瓶」グループの始祖、沖縄料理「きよ香」もこちらの糞狭い路地に店を構えております。創業50年超の老舗!中野と高円寺は地味に沖縄出身者が集まる素地があったりする訳ですが、大阪大正や横浜鶴見のような労働者の街感は無い東京のうちなータウンである。

杉並区 高円寺

こんな怪しげな路地裏で「日本への愛」を表明されても…しかもよその店の扉に落書きされても…三鷹以遠にあるような整然とした郊外のベッドタウンとは違って秩序というものとは縁遠い、ちょっと磁場がおかしい街ですよね、高円寺って。そもそもこの店も何の店なのか分からんのが怪しい。

杉並区 高円寺

さらには一般ピープルを寄せ付ける雰囲気も微塵もないような古ぼけた雀荘なんぞが路地のいくつか残っています。一体どんな客層の方々がおられるのか気になる所ではある。

杉並区 高円寺

荻窪駅前の銀座街もそうだけど、高円寺駅前のこのへんも土地関係が複雑になり過ぎて手が付けられない状態なんでしょうな。路地を抜けると居酒屋横丁化する「大一市場」や戦後のドサクサ的食料品店「高野青果」などに抜けられます。

杉並区 高円寺

駅前の胡散臭いエリアもたいがいそそられるのだが今回行きたい物件は中通りではなく「庚申通り商店街」沿いにある。アーケードのない商店街だがあらゆる店が一同に揃っていて多くの買い物客や通勤客、高円寺でのみ生息するよく分からないヒッピーのようなオッサンや中央線臭満開な男女が行き交う賑やかな通り。

杉並区 高円寺

その気になる物件は庚申通り商店街から一歩中に入った場所にある。気をつけて歩かなければそのまま通り過ぎる事になるくらい入口が分かりづらい。二階部分が大きく前に張り出した、戦後のカストリ酒場らしい造りの長屋。その殆どが…廃墟化している。

杉並区 高円寺

見るからに相当築年数を重ねているようで、ここが現役だった頃はどういう雰囲気の場所だったのか、考えるだけでも「赤線地帯」以外に思い浮かぶイメージがない。廃墟飲食街の路地には沢山の私物が置かれ、使わなくなった灯油タンクや洗濯機までもが放置されている。

杉並区 高円寺

「スナックやど」と看板を残したかつての酒場の玄関口も私物で塞がれて二度と開く様子もない。唯一一番奥にある「のんべえの店竹の子」だけが現役で営業している酒場だが、ここも店を開けている日がいつなのかよく分からない。

杉並区 高円寺

「高円寺バー料飲連合会員」「杉並料飲防犯協力会員」の古いプレートが残る。

杉並区 高円寺

廃墟酒場長屋の最奥部には共同便所が置かれているが、見るからに不衛生そうで使う気にはなれない。便所の開口部の半分だけがブロック塀で中途半端に仕切られている。高円寺のような人気のある街の商店街なんて潰れた店はすぐにスクラップアンドビルドされて新しい店に変わるのがデフォルトなのだが、これだけがいつまでも解体されないのは何故か、不思議ですねえ。

杉並区 高円寺

この周囲も波トタン板で仕切られた謎の空き地や廃墟っぽいアパートが残っていて強烈に淀んだ空気に満ちたホットスポットになっておりました。なぜここだけ…考えれば考える程気になる。

杉並区 高円寺

中通りと中央線の高架の間にある「皮膚科泌尿器科性病科」の看板を掲げるこちらのお医者さんが凄まじく年季が入りすぎて、どういう経緯でここにこんなものがあるのかまた気になる所であります。果たして玉の井や鳩の街のような私娼窟はこの街にあったのだろうか…現代の高円寺では中国人の姉ちゃんの「オニイサンマッサージ」な客引きが胡散臭いのだが。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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