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【勘違いゾーン】田園都市線とはかなり違う綺麗でチープな人工都市・横浜市都筑区「港北ニュータウン」を見物する

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以前お伝えした田園都市線沿線の街レポートが割と反響を呼んだようで、わざわざ地元民の方がタレコミ情報を送って下さったりもしたので、すっかり気を良くして、またしても横浜市北部のニュータウン丘陵地帯に足を運んだ我々取材班。

横浜市北部のニュータウンと言えば田園都市線沿線以外に思い浮かぶのがこちら「港北ニュータウン」である。横浜市都筑区に属する一帯で、高度経済成長期の人口増加に端を発し横浜市主体の都市開発事業で80年代から街開きした人工的な街である。こんなところ、DEEP案内の管轄外でしょ?とか言わないで下さい。最近ニュータウンという特殊な生活空間に地味にハマってしまっているのだ。

港北ニュータウンは東京都心からは片道1時間以内で来られる場所だが、その中心エリアにある「センター北・南」という鉄道駅は横浜市営地下鉄のもので、ブルーライン・グリーンラインの双方が両駅を通っている。横浜駅・新横浜駅にはブルーライン一本で行ける反面、東京方面へはブルーラインであざみ野に出て田園都市線に乗り換えるか、グリーンラインで日吉に出て東横線に乗り換えなければならない。

港北ニュータウン内にあるブルーラインの各駅(仲町台、センター南、センター北、中川)が1993年に開業して以来、ニュータウンとして順調に人口を増やした結果、1994年、当時港北区及び緑区に属していたニュータウンの区域が「都筑区」として分区され現在に至る。

ちなみに90年代以前のセンター北・南両駅付近の航空写真を見てみたが、造成された土地しかなくマンションや商業施設が一切見当たらない。街の歴史としては30年そこそこといったところで、田園都市線沿線の街よりも新しい。

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センター北とセンター南はライバル関係にある

まず「センター北」駅前に降り立つと、正面左側に観覧車が付いた関西的ノリのいちびった建物が目につく。それもそのはず、こちらは関西資本の阪急百貨店が運営する「モザイクモール港北・都筑阪急」である。2000年にオープンして以来、センター北駅周辺では最も「品の良い」ショッピングモールとして認知されている。

とりわけ港北ニュータウンには多く住んでいるとされる関西人の故郷、大阪梅田のヘップファイブを思い起させる観覧車はこの街のランドマーク的存在。人間、少しでも地元に近い場所に住みたがるのが道理のようで、東海道新幹線で大阪にぴゅっと帰れる新横浜駅から程近いセンター北に阪急百貨店が出店するのもそのためか。

一方で約1キロ離れた場所にある「センター南」には港北東急ショッピングセンターがあり、こちらも街のランドマーク的存在。センター北には都筑阪急、センター南は港北東急というライバル関係にあり、双方の住民もお互いをライバル視している相関性が窺える。ちなみに地元民は「セン北」「セン南」と略称で呼んでいるそうですが…

しかし歩道橋にこんな物騒な文言が書かれた横断幕があるのが横浜クオリティなんでしょうかね。都筑区には著名な暴力団事務所もございまして、決して元からガラの良い地域ではありませんのでご了承下さい。

ショッピングモールしか買い物するところがないんですけど

街の歴史も浅いニュータウンということもあって、センター北・南いずれも買い物する場所がこうしたデカいハコのショッピングモールばかりとなっている。例えばセンター北に限れば先に触れた阪急のモザイクモールに加えてこちらの「ノースポートモール」「YOTSUBAKO」「港北みなも」「ルララこうほく」といったハコに殆どの商業施設が集約されており、そこを除けば買い物する場所が本当に無い。

併せて、駅からの通行人の動線も全てショッピングモールか近隣のマンションに向けられて計画的なペデストリアンデッキで結ばれるよう作られている。まだ田園都市線のたまプラーザや青葉台も同じニュータウンではあるが、あちらの方がもう少し街の作りが「人間的」であるように思える。ここはもう完全に「人工的」としか言えない。

そしてよくよく見れば、これらのモールに入居している店舗は全然高級店主体ではないというところに注目して頂きたい。ノースポートモールにある店もユニクロ、ジーユー、ダイソー、ベビーザらスといった埼玉の田舎に入っているような大衆店が主なものとなっている。それに近隣を走るロードサイド店舗もガストやモスバーガー、なか卯といった、どこにでもある大衆店ばかり。

港北NTの客層を完全に読み誤ったグダグダモール「プレミアヨコハマ」

そして究極的に港北ニュータウンのズッコケ感を象徴している商業施設がモザイクモールのすぐ右隣にあるこちら「プレミアヨコハマ」である。

2013年10月の開業当初は「大人の女性が毎日を、もっと素敵に、美しく楽しむためのコト、モノが揃う場所」という歯の浮くようなセリフをコンセプトにしたリッチめなキャリアウーマンを当て込んだショップを中心に揃えていたらしいが、開業から1年少々で入居店舗がことごとく撤退、その代わりに今では「ドンキホーテ」が出店しているという笑える状況になっている。

この商業施設の超絶グダグダっぷりは「プレミアヨコハマ ガラガラ」とグーグル先生も容赦ない検索候補ワードを示す通りで、ヒットする地元民のブログなんかでも散々叩かれていて、余所者の当方からするともはやネタにしか思えないのだが、これも港北ニュータウンに暮らす人種、客層を完全に読み誤った結果の悲劇でしかない。

今ではドンキホーテに加えカラオケボックスにサイゼリヤまで入居して、オシャレなキャリアウーマンどころか千葉埼玉の田舎の駅前にある雑居ビル並みの、小便臭い地元のガラの悪い中高生の溜まり場になっている始末。いちいち格好つけて「美しく暮らす。セン北プレミアムライフ。」だなんて言われても全くプレミアム感皆無。ここは笑うところですか。

空きテナントだらけになった惨劇の舞台であるプレミアヨコハマ内の一角は地元JK向けのプリクラコーナーで埋め尽くされており、駅周辺がアクアライン開通によるストロー効果でガラガラ状態になった悲惨な木更津駅前の「スパークルシティ木更津」(旧名称・アクア木更津)のそれと瓜二つの状況である。木更津と違って、こちら港北NTはそれなりに人も住んでいるはずなんですが、はて?

セン北駅前ショッピングセンターの始祖「あいたい」も会いたくて会えなくて西野カナ状態

そんなグダグダ状態のセンター北駅前に街開き当初からあるというショッピングセンターの始祖的存在「ショッピングタウンあいたい」も見逃してはならない。1998年開業で、UR都市機構と横浜市の三セクっぽい企業「株式会社横浜都市みらい」が管理運営する商業施設だ。

モザイクモール港北・都筑阪急が開業するまでの間は一時的にセンター北駅前の中心的ショッピングセンターとして機能していた「あいたい」だが、やはりお役所主体三セク系の商業施設にありがちな展開で、すぐに陳腐化して客足が遠のいたまま、今でも入居テナントが出たり入ったりで微妙な役回りに甘んじている模様。

3階と4階にまたがるレストランフロアは入居する店舗も微妙なラインナップで、向かいのモザイクモールとは違って全然客の姿もおらず、空きテナントもちらほら見られる。「あいたい」なのに会いたくて会えない西野カナ状態。2017年4月に新店舗オープンしテコ入れを図っているようだが、ここに開業するユザワヤは以前ノースポートモールにあったものが実質移転してきたものでしかなく、ナンダカナーな印象である。

ただこの「あいたい」はセンター北駅に直結していることだけがウリなので、改札階のある2階に入居しているミスドや上島珈琲店などはそれなりに客が入っている。

そもそもセンター北・南住民は田園都市線沿線住民と全く人種が違う件

主にセンター北駅周辺を中心にここまで見てきて、実は港北ニュータウンの住民はそれほどリッチではないのではないかという疑問が出てきた。見た目には完全無欠なほどに綺麗で整備されきった人工的な街並みだが、民間企業である東急が開発した田園都市線と、横浜市を中心とした行政主体で開発された港北ニュータウンとでは全く街の性質が異なる。

駅周辺の小綺麗なマンションや戸建住宅に住んでいるのは「金妻マダム」でお馴染み田園都市線沿線住民とは明らかに違う、年収800万前後で働き盛り子育て中の中所得者層で、4000~5000万円台で頑張ってマイホームを持ってはみたもののローンの返済がきつく贅沢はできない、そんな人種が中心なのではないか。

そんな港北NT住民の毎日の生活は倹約志向で、モザイクモールのスーパーもお高い阪急グルメマーケットではなく向かいの相鉄ローゼンに客が集中しているし、どのショッピングモールを見ても客で満員なのはお安いサイゼリヤやマクドナルドばかり。お安い大衆店にばかり需要が集まる。そういうしがない現実が街並みに反映されているように思えた。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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