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海なし県・埼玉でまさかの海鮮料理!熊谷市「秀萬」が豪快過ぎてカニが食いきれない件

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観光不毛県なのに人口だけはやたら多い東京の隣にある「埼玉県」。近年は「埼玉B級ご当地グルメ」だなんかで地味にPRし始めているが基本的に名物の食い物に何があるかと言われても今ひとつ思い浮かばないお土地柄。よそから観光に行く目的もせいぜい川越とか秩父くらいしかないし、みんな寝に帰るだけの土地だと思っている。郷土愛ワーストワンの県民性も実に嘆かわしい。

熊谷市 八木橋

しかし県北部最大の都市で「日本一暑い」事で有名な熊谷市には、地元民なら誰でも知っているほど馴染み深い昔からの超有名店で年がら年中繁盛しまくっている所があると聞いたのだが、しかしその店が内陸県(海なし県)なのに何故か「海鮮料理」というジャンルという珍妙さが気になって、せっかくなので食べに行く事にした。とりあえず八木橋百貨店前の温度計ボードは熊谷の夏の風物詩ですね、はい。

熊谷市 秀萬

その店はJR熊谷駅北口から徒歩5分足らずの住宅地に存在している。見た目はどこぞの町内会の公民館のような地味ったらしい佇まいをしておりここが飲食店だとは一見気付きにくい。しかし「秀萬」とでかい看板が立っていて中で食ってる家族連れとかがいるし、目の前に「立小便禁止」の看板が立てかけられていて目立つのでうっかり素通りする事はないだろう。

熊谷市 秀萬

この「秀萬」こそが熊谷市民に昔から親しまれ絶大な支持を得ている店であるという。決してそれは今どきにシャレオツな店ではないしむしろ昭和的な趣きがある。世代を超えて地元で支持される店というのは得てしてそういうものなのかも知れない。

熊谷市 秀萬

だがまずこの店の勝手を知らない者がやってくると「この店、どこが入口なんだ…」と一瞬たじろぎそうになる事請け合い。従業員が忙しなく動き回るこちらの開き戸しか入口らしきものがないので、まあここが入口なのだが、最初「厨房からお邪魔する」ような感覚に陥り混乱しそうになる。

熊谷市 秀萬

ましてや入口の真ん前が冷蔵庫やゴミ箱や発泡スチロールなどが積まれていてまさしく「厨房の裏」状態になっているので余計に混乱してしまう。同じく勝手の分からない客が店の入口付近でまごついているし、「並んでいるんですか?」と聞かれても知らないし答えようもない。そのうち奥から出てきた常連客のおばさんが「あら、勝手に入って適当な所に座ってればいいのよ」と助言をくれたのでようやく勝手が分かった。どうやらテキトーでいいらしい。

熊谷市 秀萬

店の入口の開き戸をガラガラを開けるとその中に厨房があり還暦祝いの時に被るような真っ赤な帽子を被ったおやっさんが大量の鶏肉を目の前にある畳二畳分はありそうな鉄板を豪快に焼き上げ皿に盛り付けた直後で、鉄板の上にそのまんまホースの水をぶっかけて洗うので厨房から玄関周りまで大量の湯気が立ち込めカオスな光景が繰り広げられる。

熊谷市 秀萬

こちらの腰の曲がった婆さんが奥様でしょうか。大量の湯気で包まれる調理場兼玄関でイマイチ要領がつかみきれていない感じの若い中国人バイト2人に「鳥、全部運ばなきゃ駄目でしょ!」と怒鳴り散らしている。すげえ…修羅場だ…このお歳を召した老夫婦が店を仕切っているようで、これは非常に昭和的な期待が湧いてきましたよ。

熊谷市 秀萬

そんな調理場の脇を抜けてカーテンで仕切られた向こうに大広間があり、さらに階段を上がった2階にももう一つ大広間がある。来た時間帯がちょうど良すぎたのかも知れないが全ての座席の上に食い散らかされた前の客の残り物が山積している。「蟹の残骸」が放置されている光景は秀萬の名物である。キャパシティが追い付いていないのは明白で、この後中国人バイトが注文を取りに来たのは10分後だった。しかしこの店内風景…まさに「昭和の宴会場」というか田舎の親戚一同が集う法事の席のような佇まい…

熊谷市 秀萬

おまけに壁という壁一面、汚れを防ぐ為かビニールシートで完全防備しているという念の入れよう。そんなに壁に汚れがつくのか嫌なのかも知れないがこの光景も少し異様に思える。清潔感とかサービスとか雰囲気がどうとか言ってる今どきな方々にはウケが悪いかも知れませんね。ええ…とにかく色んな意味で独特過ぎる店だ。2階席もほぼ満員なので、我々は1階に座りました。

熊谷市 秀萬

改めて申し上げるが「秀萬」は海鮮料理屋である。そのためメニューもこの通り、オーソドックス過ぎてツッコミどころがない。食い物メニューはハマグリ、ほたて焼、いか焼、とり焼、えび焼などの焼き物類、刺し身はマグロか車海老かアワビ、それに店の名物である「蟹」(2800円)は秀萬ユーザーはほぼ必ず注文するという。あとは飲み物とおつまみ類が適度にあるが全体的に価格もお安い。店のローカルルールで、これらの注文品は鉛筆で紙に書いて店員に渡す仕組み。

熊谷市 秀萬

まず最初に突き出しで出てきたウニ(300円)を頂く。ウニが300円で身が5~6房くらいついてきますよ。コスパ至上主義者も満足の一品ですね。荒川や利根川でウニは採れません。埼玉県産ではない事だけは確かなようです。定期的におばちゃんが大量の小皿に盛り付けて運んできて「お一つ如何ですか」と持ってくるのでその時に頂く事になる。

熊谷市 秀萬

そして名物メニューの「蟹」は注文後すぐに運ばれてくる。タラバか毛ガニかを選べるが、この日は「トテモ忙シイノデ、タラバシカアリマセン…」と中国人バイトに断られ、タラバ蟹一択だった。巨大な蟹一匹分の足がどでーんと盛られてきて皿の上にコップに入ったポン酢と入れ物、それにカニバサミも添えられている。以下、延々とハサミ片手に蟹の殻を割って身を穿り出す作業を続ける事になる。

熊谷市 秀萬

熊谷裏名物アフリカケンネル店主の関根被告もここで蟹をバラして「ちゃんと身と殻は分けておかないと」とか言ってたんでしょうかね。蟹は予め茹でられたものを置いているので、冷えた状態で出てくる。夏が暑い熊谷ではこの状態で食べるのが良いのだろうが、寒い時期には身体が温まらないしびしゃびしゃの蟹のゆで汁で手が冷えてくる。

それに蟹を味わうにしてもひたすら塩味とポン酢だけなので、せめて3人以上は居ないと途中で食べるのが苦しくなってくる。こんな内陸県埼玉のど真ん中で、嫌になる程カニが食えるなんて…

熊谷市 秀萬

さらにハマグリ(680円)。これは店の入口の厨房で大将が豪快に巨大鉄板にぶちまけて焼きまくっているあのハマグリだ。とにかく量が多い事多い事。殻の数を数えたら全部で38個ありました。しかし味付けは基本塩だけなので途中から飽きてきてどうでも良くなる。

熊谷市 秀萬

海鮮料理屋だけど唯一海鮮じゃなくて「とり焼き」(380円)もあるので、カニや貝に飽きた頃には一つ頼んでおこう。洋からし付きですね。これもオーソドックスに塩胡椒でのみの味付けとなっております。基本的に注文の順番は関係なく大将が巨大鉄板で焼いた食材が次から次へ出てくる仕組みになっている。 これだけ飲み食いして1人2500円程度ですもの。そりゃ熊谷市民はリピートするよな。海の幸自体が有り難い土地柄ですしねえ。

熊谷市 秀萬

そして最後にレジでおばちゃんに必ず手渡されるという「りんごと缶詰」。食後のデザートのつもりだろうが缶詰は家に帰って缶切りを使わないと開けられません。団体で行くとりんごは箱ごと貰えたりするそうです。まあ、なんというサービス精神のユニークさ…

あとで調べたけど「秀萬」は食べログ順位堂々の1位でした(笑)
あらゆる意味で衝撃を受けた店だった…熊谷にお出かけの際は是非とも年がら年中暑い海なし県の海鮮料理「秀萬」をご贔屓に。

秀萬夜総合点★★★☆☆ 3.6

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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