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ストーカー事件の渦中にある京王井の頭線三鷹台駅周辺を歩いてきた

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「三鷹事件」と聞くと古い世代の人々にとっては旧国鉄の無人列車暴走事件を意味する。これは戦後すぐの話でレトロ過ぎる訳だが、今後は三鷹の事件と聞くと人々は末長くこの件を思い起こすのだろうかという出来事があった。2013年10月8日に、とある男女交際のもつれあいが元に痛ましい事件が起き世間とネット上の一部で騒ぎになっている。ともかく下衆の勘繰りや事件の諸々の内情は他サイトに任せるとして、当取材班もこの事件が起きた「京王井の頭線三鷹台駅周辺」がどんな所か気になったので、行ってみた。

…という訳で三鷹台駅へ。同じ三鷹市にあってもJR中央線の三鷹駅とは場所が違う。京王井の頭線というのは御存知の通り、若者の街らしい渋谷と住みたい街ナンバーワンらしい吉祥寺とを繋ぐ首都圏の鉄道網の中でもトップクラスの人気度を誇る私鉄路線で、沿線は高級住宅地ばかりだとか言われている。三鷹台駅もご多分に漏れず、吉祥寺駅から2駅目という距離感から吉祥寺文化圏の一角を成しているお上品な住宅地であろうと勝手に思っていた。実際に来るまでは。

駅周辺や今回のストーカー事件の被害者となった女性宅がある住所も「三鷹市井の頭」という事になっているが、井の頭公園からはかなり離れている。そして駅前の商店街もどこかくたびれ気味で、垢抜けた雰囲気は意外に感じられず、駅前を通る道もやたら狭く踏切もあって渋滞気味だったり、車道の拡幅工事を前提としているのか道路沿いの商店や家屋も中途半端に立ち退いている。井の頭線沿線の駅前ってどこもこんな感じにゴチャゴチャしてますけどね。

道路拡幅工事に伴う立ち退きをここだけ拒んでいるのか、古びた昔ながらの靴屋の店舗が出っ張っていた。こうやって一軒でも立ち退きが遅れるとろくに工事もできないし色々大変そうですねえ。

そして駅前付近は井の頭公園に水源がある神田川が流れ、その両側が台地になっていて駅を中心に坂道がある。井の頭線三鷹台駅はその駅名とは裏腹に、台地に挟まれた谷底にある形だ。駅北側の立教女学院から北側には杉並区と三鷹市との境目があり、武蔵野市との境目も近い。

さっきから駅前風景を見ているが、パチンコ屋の類は見当たらないもののどこかしら場末感を感じる街並みが続く。地味な田舎町の風情すら漂っている訳だが、やはりこの辺の人達にとって買い物は吉祥寺まで出て済ませるのだろうな。脇道に入るとすぐ住宅地となる。全くもって純然たる住宅地だ。

しまいにはリサイクルショップやら潰れたクリーニング屋の建物があったりして、どうにもくたびれた風情が強い三鷹台駅前。23区外なのに特別に発展しているというのは吉祥寺駅周辺だけなのでしょうかね。

駅前から東側に続く道に入ると事件の被害者宅がある。神田川沿いの低地という事もあるのか、こちらも割と貧乏臭そうなアパートもちらほら見かけられる。しかし駅から離れた住宅街にはコンクリート打ちっぱなし系のシャレオツ気取りな一軒家がちらほら出始めて、井の頭線沿線特有の雰囲気が見られる。まあでも浜田山あたりの「井の頭線沿線の高級住宅地」という括りで考えると、なんか中途半端な感じが否めない。

道なりに歩いていくと今回の事件の被害者宅が見えた。ちょうど告別式があったようで家の前は関係者の姿でごった返していた。犯人はこの界隈を1週間以上前からうろついていて、周辺住民に何度も目撃されていた。身長180センチ超でハーフでジャージ姿だとそりゃ目立つだろうに。ともかく周囲は住宅地だらけで、部外者がうろつくと目立つには違いない。対応の鈍い警察はともかく、近隣の目で犯行を止める事は出来なかったのだろうか。

そして駅から5分も歩くと農園が広がっていたり巨大な高圧送電鉄塔がそびえるいかにも郊外です的佇まいが広がっているのである。さすがに23区外って感じがしますよね。さらに南側には太宰治が入水自殺をした事で有名な玉川上水が流れている。太宰は愛人と共に心中を図ったが、今回のストーカー事件では犯人だけが生き残っている。

そんなのどかな住宅地を歩いていると唐突に農作物自販機が現れた。田舎臭さ全開である。季節柄、ギンナン直売所の幟が上がっている。

気になって見てみたけどピーマンと玉葱の出来損ないみたいなのが僅かに売れ残っていただけで、幟にあったギンナンは販売されてなかった。つい数日前まで凶悪犯がうろつき回っていた住宅街だが、そこには平穏な日常が繰り広げられているだけだった。

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