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渋谷・ホームレスの聖地「宮下公園」その後 (2)

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渋谷駅に程近い場所にある宮下公園は長年ホームレスが生息し、公園内にはヒップホップな落書きが溢れ、夜な夜なゲイや立ちんぼやヤクの売人が出没するトップクラスの暗黒地帯だった。それがナイキの命名権購入と再整備計画によって健全な公園に生まれ変わり、それまで居た闇の住人達はどこへ追いやられてしまったのか、ずっと気掛かりでいたのだ。

だがところがどっこい、宮下公園の真下にある暗渠化した渋谷川の上に置かれたバイク置場の横が彼らの寝床として相変わらず使い続けられているのだ。20軒以上もの掘っ立て小屋が縦一列に連なる姿はかなりのインパクトがある。渋谷って凄い街ですねぇ。



宮下公園の下に並ぶホームレスさんたちの住居。どの家もベニヤ板を器用に貼りあわせて、雨よけのブルーシートが上に被せられている。完成度は高くもはやこの「家」を見てとても住人の事をホームレスとは呼べない。

掘っ立て小屋群はバイク置場の奥のデッドスペースを活用しているので見た目の問題はともかく誰かに迷惑を掛けるような事もない。巨大な渋谷の繁華街の中でもこんな奇跡的なスペースはここだけかも知れない。

どの家もきちんとした掘っ立て小屋だが、ごく一部にはキャンプ用の小型テントを張って生活している住人もいる。ホームレスの世界にも格差社会ってあるものだな。しかしバイク置場が手前にあるせいでどの家も出入りしづらそうである。

洗濯物はそのへんのフェンスにロープを張るなどして干している。逞しい住人達の生活臭が眼前で体感できる宮下公園ホームレス村は健在。ちなみにこの真上にはフットサルコートがある。

道端で拾ったものか何か知らんが「家」の表側に女子高生が付けているような沢山のぬいぐるみキーホルダーを吊り下げている物件まで…これは一体…

しまいには「家」の表札まで掲げている所まであって微笑ましい。まっちゃんって誰なんだよ。

さらに家の主からのメッセージが玄関扉に貼りつけられていた。タクシーの運転手さんに何やら謝っているらしいが意味が良くわからない。

普通の掘っ立て小屋に留まらず、かなり個性的にDIYっぷりを発揮している小屋も見かける事が出来る。玄関前には目隠しのすだれが置かれ、扉の横には覗き窓まで作られている。そして玄関周りには観葉植物まで置くという凝りよう。

挙句の果てには住所つきの表札まであるという念の入れっぷりは凄い。ここまで手造り出来る能力があるなら普通に仕事に就けるだろうと思う訳だが敢えて自由を選んでいるのか、それとも社会が受け入れないのか…

さらに駐輪場を挟んで反対側にまで小屋が建っている。以前は公園内に住んでいたホームレスが追い出されてここに移ってきたのかどうかは定かではないが、明らかに小屋の数は増えている。

そして渋谷駅に最も近い側にある小屋は調理器具類から何から生活用具が揃っていて、ホームレス村というよりも完全に野営場と化している。ここなら万が一再び大地震が起きて街のインフラが壊滅しようがある意味最も平気かも知れない。

宮下公園とのんべい横丁との間に置かれた小さな公衆便所は専らホームレス達のトイレ兼炊事場として活躍している。水仕事全般はここで作業をするため夕刻になるとホームレスのオッサンが米を研いでいたり鍋に水を入れていたりと随分所帯染みた光景が見られる。

そんなワイルドな人々を追い払う行政の手がこのトイレの前にも及んでいる。小屋掛け出来ないようにフェンスで囲うのは基本中の基本。

同じ宮下公園でもこの辺りになるとナイキパークとしての再整備は行き届いておらず行政VSホームレスの仁義なき戦いの姿がリアルに拝めるだけとなっている。

遠目に見ると、ヒステリックに置かれたフェンスの数々が相当な異様さを演出しているのだ。渋谷最強のホームレスゾーンである宮下公園がそんなに簡単に浄化されるはずもなかろう。

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