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【花夢音!】清瀬旭ヶ丘団地と都県境を接して隣り合う昭和の激渋空間!新座市「西武商店街」を歩く

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「東京」と「埼玉」の間にはとてつもないブランドイメージの隔たりがあり、そのせいで地価がまるで違っていたり色々と面白い事になっているのだが、東京・埼玉の都県境が最も激しく入り組んでいるのが新座市あたりで、これまでも当サイトでは新座市片山三丁目に囲まれた東京都練馬区の飛び地「西大泉町1179番地」や、謎めいた「都民農園セコニック」バス停がある大泉学園町風致地区に隣り合う「新座市栄」などを取り上げてきた。

清瀬市 旭ヶ丘団地

今回訪れたのは清瀬市と新座市の境目に跨る、場末感半端ない昭和の面影残る団地とそこに付属する商店街だ。東京都下にありながら埼玉県に大きく食い込んだ形の清瀬市の市域のうち最も北東部にある「旭ヶ丘団地」にやってきた。

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東京埼玉都県境に潜む真空地帯の団地と商店街

清瀬市 旭ヶ丘団地

清瀬旭ヶ丘団地は高度経済成長期の真っ只中、昭和42(1967)年に造成された市内最大の団地だが、西武池袋線清瀬駅からは路線バスで12分、町外れのえらく辺鄙な場所にあり、直線距離的には武蔵野線新座駅の方が近い。総数2千戸を超える大型団地は関越自動車道で東西に隔てられており、団地の中心には「あさひがおかグリーンモール」といういい感じに鄙びた商店街がある。

清瀬市 旭ヶ丘団地

団地が街開きをして半世紀が過ぎ、ここも他の団地の例に漏れず高齢化が容赦なく進んでいて、商店街の店舗も介護関係のヘルパーステーションなんぞがあったりする。はるか遠くへ過ぎ去る昭和の栄華をひしひしと感じられる事請け合い。

清瀬市 旭ヶ丘団地

ところでこの清瀬旭ヶ丘団地ですが、ちょうど現在上映中の映画「海よりもまだ深く」のロケ地…というか是枝裕和監督が実際に過ごしていた街だったらしく団地の商店街の至る所にこのようなポスターが貼られているのです。主演は阿部寛、そして樹木希林とかなり豪華なんですが、気になった方は映画館にでも行きましょう。

新座市 新座

しかし今回お伝えしたいのが、この旭ヶ丘団地を挟んだ真向かいにある「西武商店街」である。明らかに団地住民向けに共存共栄してきた体裁をしている昭和感たっぷりの商店街であるのだが、やはりこちらも時代の流れに取り残されたように寂れまくっている。

新座市 新座

しかもすぐ向かいの団地は東京都清瀬市なのに、西武商店街は都県境を跨いでいて住所は「埼玉県新座市あたご」に属している。商店街内には埼玉県認定「黒おび商店街」(寂れてるけどそれなりに頑張ってる商店街)のステッカーも誇らしく貼られている。コバトンかわいいよコバトン。

新座市 新座

挙句の果てには商店街のスローガンだろうか「花夢音!せいぶ」と書かれたプレートが街灯にズラリと整列している始末。きっと「カモン!」と読ませたいのだろうが、そこはかとなく老人臭漂うセンスで泣ける。横浜市のゴミ置き場に書いてある「ヨコハマ3R夢」に通ずる寒さだ。

新座市 新座

頻繁に往来する路線バスは清瀬駅北口から出ている「清63」系統の西武バス。それに加えて新座市の市内循環バス(にいバス)が新座市役所と当地の間を走っている。都心に通勤する事も出来なくはないが、周囲を見回してもご老人しか見かけないし、やはり不人気そうなのが伺える。

新座市 新座

団地に向き合い片側のみ歩道部分にアーケードが完備されている西武商店街は全長500メートル程度あるが、そのうち商店街らしい面影を示しているのは300メートルくらいで、清瀬駅寄りの一画はすっかり商売を辞めてしまいもはや商店街の体を成していない。そして残る一画もババ服屋か老人しか買い物に来ない個人の八百屋なんかがちょろっと残るのみ。

新座市 新座

商店街の大部分がこの通り、ズタボロサビだらけのシャッター街と化している所が泣けるのである。別に地方に行かなくとも東京の目と鼻の先でこんな風景が見られるのですよ。

新座市 新座

今や最大手のツタヤやゲオですらネット配信サービスに押されて商売になっていない雰囲気すらあるのに未だに西武商店街には個人経営の謎のレンタルビデオ店が営業しているという逆張り現象が見られるのが凄い。こんな辺鄙過ぎる所だと逆に大手に狙われないから生き残れたのかもね。しかし怪しすぎる佇まいだな…

新座市 新座

若い頃当地に住んでいたという是枝監督も食っていたかも知れない商店街の名物洋菓子店「ホルン」の店先にも例の映画のポスターが貼られている。店主さんはご老体ながらもひっそりと洋菓子作りを続けておられるようです。

新座市 新座

団地に向き合う表通りから一歩中に入ったあたりにも、昭和そのまんまな佇まいの青果店や食い物屋が残っている。その先は一軒家ばかりが連なる昔ながらの「新興住宅地」の体裁をしている。ここいらも団地造成とほぼ同時期に出来たのだろう。

新座市 新座

そんな一画に何やら時代遅れな佇まいの城郭風ハリボテが存在感際立つ「デリカごはん亭」なる食い物屋が一軒だけ開いている。どうやら店の名物が埼玉や多摩地域にはよくある肉汁うどんだったり、他にもごぼううどんだとか、新座の創作系ご当地B級グルメらしい「にんじんうどん」等もあるようですが…

新座市 新座

店舗の側壁に掛かっている看板に目をやると何故か「ごはん亭」だったはずのロゴが上書きされて「うどん亭」になっている件。気になってしょうがないのだが、不覚にも既に昼飯後で腹一杯だったので入店出来ず。どなたかチャレンジしてください。ちなみにカラオケもやってるみたいですよ。緩いな…

新座市 新座

団地に面した通り沿いの店舗群も、裏を見れば同じコンクリート建ての長屋になっている事が分かる。二階部分の外階段の手すりが崩落してしまった箇所などもあり、見た目にも危うい程に老朽化の激しさが分かる。

新座市 新座

地元の老人とガテン系が御用達となっているであろう「蘭食堂」も外観からして渋い。唐揚げ定食から洋食系まで色々あるようだ。隣の蕎麦屋は現役だろうか否か、判断がつきませんでした。

新座市 新座

そしてここにも殆ど廃業したシャッター通りとなっている箇所に、なぜかぽつんとリードで繋がれたどこかの飼い犬さんが佇んでいたのである。

新座市 新座

寂しそうにこちらを見つめる老いた柴犬…この商店街がかつて栄えていた時期には恐らくまだ生まれていなかったであろう。

新座市 新座

郊外のシャレオツで巨大なショッピングモールが栄える今の時代、最近じゃ近所に「ららぽーと富士見」まで出来てしまった訳で、ますます役目を失い寂れる一方の末期的風景が拝める新座市の西武商店街。その姿形が見られるのもいつまでの話だろうか。是枝監督の映画でも見て、来たくなったらすぐさま「花夢音!」という事で締めさせて頂きます。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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