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西武新宿線野方駅前に残る戦後昭和の空間!「野方文化マーケット」とその周辺

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首都圏の大手私鉄路線で唯一他社線との連絡もなく、ひたすら地味な街ばかりが連なるマイナー路線「西武新宿線」の中でも、中野や高円寺に近いせいかやけに商店街が栄えている街、中野区の「野方」。

野方駅南口、野方本町通りとみつわ通りの間を結ぶパチンコ屋脇の路地に入ると、えらく年季の入った佇まいの「野方笑い地蔵尊」が鎮座している。なんでも戦後になって当地に移されたお地蔵様だそうだが、今回は野方の街に残る戦後・昭和の空間をレポートする。

野方の商店街の生き字引「笑い地蔵尊」

地元のおばあちゃんが一心不乱にこのお地蔵様に祈りを捧げていたのを目にして思わず立ち止まってしまった「笑い地蔵」、その名の通りにお地蔵様が微笑んでいるように見えるらしいのだが…あんまりよく見えませんね…

敗戦直後、街も人心も荒廃極まる時代、庶民の笑いと商店街の繁栄を願って昭和22(1947)年、商店街の有志一同の手で建立された笑い地蔵。野方がこれまで一度も戦災や火事などで焼けた経験がなかったことから「火伏せの仏様」とも呼ばれている、それはそれは霊験あらたかなお地蔵様なのである。

ちなみに野方駅前商店街のアーチ看板には「1928」の数字が誇らしく刻まれている。戦前の昭和3(1928)年からの歴史を誇る商店街であることをアピールしているのである。

野方本町通りに残る戦後のドサクサ「野方文化マーケット」

環七通り側から出入りする路線バスの停留所がある野方駅南口の一画から北西方向に伸びるもう一つの商店街「野方本町通り」もまた味わい深いので見ていきましょうね。駅に近い側はびっしりチェーン店で埋められてしまってますが…

しばらく本町通り沿いを歩くと右手側に恐ろしく年代物のマーケットが姿を現す。とはいえ、本町通りに沿った側はしっかり店舗が入居していて廃れた様子は見られない。

こちら「野方文化マーケット」という古風なお名前の市場でございまして、案の定終戦直後に作られたバラックに端を発する生鮮食品市場の成れの果てなんだそうです。野方界隈は戦災に遭わずに済んだ事もあって街の復興も早く、戦後の一時期は西武新宿線に乗って他の街からわざわざ買い物客が来ていた程の場所だったらしいが…

今となってはマーケットの中はもぬけの殻…見事なシャッター街となってしまっている。大抵こうしたくたびれた昭和のマーケットはドラマのロケ地に選ばれる事が多いですが、案の定野方文化マーケットもそうでした。TBSの日曜ドラマ「99.9 -刑事専門弁護士-」に使われていたそうで。

マーケット内でほぼ唯一目についたのはこちらの沖縄ショップくらいでしょうか。ここも代田橋の和泉明店街みたいに沖縄タウン化したりせんのだろうか。まあ、中野や高円寺あたりって沖縄系住民が元から多いんですけれども。

そんな野方文化マーケットで一際異彩を放っている雑然としすぎた佇まいの店舗、時計と雑貨の店だそうですが、見た目のバッタモン具合が半端なく戦後の闇市を現代に復活させたようなテンションとなっている。店名も「オンリーワン」だが本当にオンリーワンな店舗ですね。

野方にはアーケード商店街まである!その名も…

野方駅南口には都内の西武新宿線沿線で唯一と言っても良いアーケード商店街が存在している。その名も「ヤッホーROAD」…野方の地名を音読みすると「ヤホウ」になりますよね。そこから来ているのだそうです。安直過ぎるネーミングだ…

そんな「ヤッホーROAD」内はT字路になったアーケード商店街で、その規模は非常に小さい。入った途端に出口が見えてますよ?椎名町のすずらん通り並みに小さいアーケード街だ。昔ながらの個人商店ばかりが密集していて、かなり昭和そのまんまなテンションである。

総じて地元のご老人御用達の履物屋やら洋品店やら、整骨院や鍼灸院といった店が揃っているシルバー向け商店街である。当然このアーケード街の中だけ平均年齢がやけに高くなる。

時代の流れに取り残されたような履物屋「あづまや履物店」。店先に下駄とかフツーに置いてあるあたりが渋い。品揃えはスリッパとサンダルといった室内履きに絞られている。

このアーケード街のメインコンテンツになっているのは新宿の四谷三丁目に本店を置くスーパー丸正食品野方店である。四谷三丁目駅前の総本店ビルには「首都圏出店目標300店」と堂々と書かれた看板が掲げられているが実店舗数はその10分の1以下しかなく野方店はそのうちの貴重な一店舗である。

あとヤッホーROADの本町通り側の入口にあったこちらのパリー(巴里)洋品店、お安い子供服が大量にビニール袋に入れて吊るされてかなりのカオスっぷりで見た目が凄かったんですがいつの間にか廃業して建物ごと解体されちゃいましたね。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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