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高円寺の下位互換的タウン・西武新宿線「野方」駅前の商店街を歩く

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中央線沿線のサブカル魔窟タウン「高円寺」を通る環七通りを北上すると約1.5キロ離れた所を走る西武新宿線の街「野方」。上京してくる学生やサブカルかぶれが何となく憧れだけで住みたい街の候補に入れてしまう高円寺だが、さすがに中央線沿線ともあって家賃相場が高く、かと言っても高円寺に大量に存在する貧乏人向け風呂なしトイレ共同のボロアパートに住む勇気もないので、高円寺から少し離れるが比較的家賃相場も落ち着いている野方でアパートを借りる、という選択肢に挙がることが多い街だ。

というわけで野方駅前へ。もっぱら地味な存在である西武新宿線沿線の駅だが、これまで見てきた街とは違って、各停電車しか停まらない割には駅前と商店街は通行人の姿も多く結構栄えている。西武新宿駅からの所要時間は約14分、高田馬場からだと10分で来られる。2010年に橋上化工事を終えて駅舎が見ての通り真新しく生まれ変わっている。

西武新宿線沿線には珍しく駅前商店街に活気がある街

野方駅前に降り立つと目の前の踏切を挟んで南北に伸びる二つの商店街。北側には「北原通り」、南側には「野方駅前商店街」(駅前通り)が開けている。たまたま訪れたのが休日だったせいか人通りがやけに多い。

野方より手前の西武新宿線沿線の駅前商店街の多くは栄えているのかいないのかよく分からないビミョーな佇まいの所が多かったが、野方の駅前に限っては結構あれこれと飲食店や各種店舗が充実しまくっていて、普段遣いする分にはわざわざ高円寺や他の街に出なくとも事足りてしまいそうだ。

あと、隣の沼袋の商店街のように唯一のメインストリートが一方通行道路を兼ねていてバスや車が頻繁に通るような面倒な仕様でないところも良い。

野方駅南口の商店街には駅前通り、本町通りの2つのメインストリートとそこから枝分かれする「ときわ通り」「みつわ通り」で構成されている。特に本町通りは「野方文化マーケット」という戦後の古い市場の建物が現存しておりレトロ度数も高い。詳しくは後ほど触れるとして…

野方と高円寺は非常に近い。親戚みたいなもん

本町通りから左手に枝分かれする「みつわ通り」まで来ると駅前の喧騒から外れ結構な場末感を放っている。ここから大和町を経由すれば高円寺の庚申通りまでは全然徒歩圏内である。高円寺の下位互換的タウンと当方が勝手に呼んでいる理由がこれである。どう見ても野方駅最寄りなのに大和町に住んで「高円寺に住んでます」と言っちゃってる人、結構多いですよね。

しかも野方の本町通りには高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」の系列店舗(素人の乱15号店・二木商店)まである。これはどう贔屓目に見ても野方が高円寺文化圏である事を示している。

野方の商店街の年末イベント「現金つかみ取り大会」

年末の時期に野方を訪れていたのだが、野方じゅうの商店街のあちこちで放送されていた「現金つかみ取り」イベントの様子が賑わしくて、しょっちゅう鐘の音とともに「500円つかみ取り当たりました~」などとオバチャンの音声が流れて気になってしょうがない。本町通りの「ふれあい広場」にイベント会場がありましたよ。

「野方ハッピー&スクラッチ 現ナマ大作戦!」と随分ゲンキンなネーミングのイベントが開催されていましたが、商店街のお店でもらえるスクラッチカードのハズレ券を3枚集めると現金つかみ取りチャンスが当たるガラポン抽選権が一回分得られるそうです。これは隣の高円寺の風呂なしアパートにお住まいの貧乏人も大注目のイベントである。

野方駅前一等地のキッツイ街並み、ときわ通り

野方駅西側の本町通りから駅前への抜け道になっている「ときわ通り」もかなり狭苦しい上に駅前一等地らしいドサクサぶりを見せている。パチンコ屋にインディーズ系(個人商店という意味です)100円ショップ、ぎょうざの満洲、焼鳥居酒屋という貧乏臭い店舗のオンパレードで、高円寺に似たやさぐれた雰囲気すら漂う。

西武線沿線には高確率で店舗があるお馴染みのさいたまクオリティ激安中華チェーン「ぎょうざの満洲」。目の前の野方駅から電車に乗って西武新宿線を下れば新所沢の本店に辿り着く。高円寺よりも確実に埼玉臭が混じっているのが野方という街だ。

野方駅北口には老舗の町工場もある「北原通り」

野方駅南口には複数の商店街が網の目のように広がっていた一方で、駅前の踏切を挟んだ北側は「北原通り」という一つの商店街に絞られている。駅前から丸山陸橋近くの新青梅街道までの約350メートルもの区間に連なる。

こちら側も南口ほどではないにせよ、適度に飲食店舗やスーパー、惣菜系多めの鶏肉屋など、お安そうな衣料品店やリサイクルショップなどが揃っていて単身者の生活には不便を感じる事もなさそう。高円寺の庚申通りに雰囲気が近いが、若干居酒屋とラーメン屋が多めな印象がある。

商店の立ち並ぶ北原通りに突如として古ぼけた佇まいの工場がポツーンと残っているのがやけに気になり思わず立ち止まった。野方電気工業という金属加工工場である。

昭和18(1943)年創業と歴史のある町工場で、かつては大手家電メーカーの下請けが中心だったが、現在は人工衛星や実験器具、義足といったレアな少量生産部品を受注が中心で、今の時代を生き残っている、「下町ロケット」的な知る人ぞ知る町工場らしい。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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