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”池”もあれば”沼”もある!都会の田舎タウン・西武新宿線「沼袋」駅周辺を歩く

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連日続く西武新宿線沿線街ネタレポートですが今回は高田馬場から4駅目にある「沼袋」駅周辺の街並みをぶらぶら見て回る事にする。池袋の親戚みたいなところかと思っていましたが行ってみたら全然違いました。

目下のところ大手私鉄沿線最弱の座を不動の地位としている西武新宿線、長らく地面を這いつくばるように地上を走ってきたが最近になって一部区間で地下化工事が進められ、ここ沼袋駅と隣の新井薬師前駅が地下駅舎に変わってしまうというのだ。しかし現状では駅を降りるとこの通り古臭い駅舎がお出迎え。

池袋に沼袋…池沼、チショウ…というワードが頭の中を駆けずり回りそうな微妙な感じの駅前風景。池袋だってその地名の由来は袋状の湿地帯の窪みに池があったからという単純な理由らしいが、字面がクリソツな沼袋も似たようなもんだろう。

沼袋という地名からお察し下さい。妙正寺川氾濫危険ゾーン

その地名通りに駅前には妙正寺川が流れていて、池袋同様に昔は低湿地帯だったという事であったと想像できる。航空写真を見ると沼袋駅の辺りで川の形状が露骨に湾曲していて、中野区が公開している洪水ハザードマップを見ると見事に浸水想定区域が妙正寺川沿いに連なっている。

「妙正寺川 氾濫」などで検索すると沼袋やら鷺ノ宮など西武新宿線沿線の流域エリアが危険水域ギリギリになっているYoutube映像をいくつか拝む事ができる。家賃相場が安い理由はただ西武新宿線が不便だからというだけではないんですね。なるべくこの辺に住むならマンションの一階部分は避けておいた方が身のためです。

沼袋駅前の商店街をチェックしましょう

まず駅北口を出て東側に連なる「禅定院通り商栄会」という商店街なのか何なのか良く分からない通りに足を踏み入れる。ここも駅前徒歩ゼロ分の好立地なのに飲食店がちらほらある程度。さっぱり栄えている感じがしない。どうなっているのだ。

そのうち飲食店すら無くなり商店街としての体裁すら無くなってしまう訳ですが、隣の新井薬師前駅前もこんな感じでテンション低めとなっているし、西武新宿線沿線では別に珍しくもなんともない。

そんなビミョーな通りを抜けた真正面に禅定院という結構ご立派な寺院の山門が現れるのである。真言宗豊山派の寺院というので新井薬師梅照院と同じですね。山門の背後にあるのは樹齢600年超と言われるイチョウの大木という。ちなみに沼袋でもこの禅定院のあたりはちょっとした寺町にもなっている。

禅定院通りがあまりに何も無かったので面食らってもう一度駅前まで戻ってきた。なるほど、失礼しました。駅前のメインストリートはこっち側の商店街だった模様です。バス停まであるしね。

商店街は「沼袋商栄会」一本勝負。駅前はチェーン店ばっかり…

こちらは「沼袋親交会」という名称の、駅周辺で言うなら唯一といって良い商店街が沼袋駅前から北側の新青梅街道の沼袋交差点までの約500メートルの区間にダラダラと形成されている。しかし唯一の駅前を通る道路が南側一方通行の狭い道しかないという状況はいただけない。車で通行する場合は目的地に辿り着けず悲惨だし路線バスの運転手は発狂したりせんのか。

駅近くはそれなりに飲食店が豊富にあって、一人暮らしをするには困らないラインナップであるが、ドトールだの松屋だのオリジンだのチェーン店ばかりで食傷気味。ちなみに「とんかつ松のや」ってのは、ここも松屋フーズ系列店なんですよね。はぁ。

しかも沼袋のオリジンとやら、同じ系列のオリジン弁当とは些か趣きが異なっている。なんと通常のオリジン弁当に加えて定食物を扱うイートインスペースまで完備されている、単身世帯には有難そうな店構えとなっているのだ。元々は同じ系列の中華東秀だったようですが、最近衣替えしたらしい。

沼袋唯一のメインストリートはチェーン店に侵食され気味な感じであるが脇道に入ると途端に漂う場末&昭和感。とっくに絶滅危惧種なインディーズ系(個人経営のことです)ビデオレンタル店「ポップコーン」、店の看板だけ立派に残っているがどう見ても廃業して一般家屋にリフォームしたとしか思えない外観だ。

沼袋ご自慢の銭湯「一の湯」とその周辺が素敵

そんな沼袋駅前の商店街からも見える立派な銭湯の煙突。「沼袋のランドマーク」扱いされている「一の湯」という土着銭湯だが立地の良さもあってか日も暮れぬうちから随分と客の姿で賑わっている。銭湯の入口には「一の湯商店街」なる表記も。

東京都における銭湯の規定価格460円でサウナや露天風呂(男湯のみ)も入り放題、タオル貸し出し無料、ボディソープ類も完備という至れり尽くせりぶりで銭湯ユーザーの評価がおしなべて高い「一の湯」。昭和25(1950)年創業ながら、2010年に全面リニューアルしており、やたらと綺麗である。一の湯のお陰で風呂なし貧乏アパート生活も沼袋では苦にならん事だろう。

一の湯の正面玄関で突き当たりになる左右に広がる路地がこれまた雰囲気の良さげな呑んだくれストリートとなっている。完全に銭湯を中心とした商店構成である。都区内西側でこちらの知る所ではせいぜい高円寺の小杉湯前かここ沼袋でしかお目に出来ない濃密な「銭湯前飲食街」の光景。銭湯の目の前にある渋い佇まいのもつ焼酒場、店の屋号がド直球に「ホルモン」だもの。やられました。

路地の片側は冒頭に触れた禅定院通りという淋しげな細道に繋がっている。この並びにある「奥様公認の店 大衆酒場萬両」の佇まいも究極の場末空間といった感じでたまりません。なんだよ、「ふらりと駅で降りて、銭湯に入って、一杯やる」オッサンの動線が完璧過ぎる街ではないか。沼袋、なんで今まで来なかったんだ。

居酒屋やもつ焼が敷居高すぎて無理な御方は三色旗丸出しなお好み焼き屋もあるので如何でしょうか。そうかそうか。

あと少し駅から歩いた所にある焼き鳥酒場「鳥はし」も店構えが物凄く渋めなので、この辺でハシゴ酒される方は候補の一つに挙げてみても良いのではないだろうか。如何せん来た時間が早すぎていずれの気になる酒場も営業中の店の外観が見られなかったのがアレなのだが…

それにしても、この「鳥はし」があるボロい建物、上層階がいかにも貧乏臭いアパートとなっているのがますます気になる所である。部屋中焼き鳥臭に包まれそう。

とかいなか ぬまぶくろ

そんなオヤジ臭も漂う沼袋の街の商店街「沼袋親交会」の幟には「とかいなか ぬまぶくろ」の表記が。どこぞの世田谷や目黒あたりの小洒落た街みたいにふんぞり返る事もなく、中野区の下町にあって都会の田舎だと胸を張って自称している街である。うん、この街なら悪くはなさそうだ。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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