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大作先生が生まれた街!京急「大森海岸」駅前・不入斗村と大井花街の名残り

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JR大森駅東口から京急大森海岸駅まで続く道を歩いて行くと、おおよそ片道10分程度の道のりだ。JR蒲田から京急蒲田と同じくらいの感覚だろうか。

で、さすが大田区だけに公明党ポスターだらけの街の風景が拝める訳だが、今で言う大田区大森北の界隈はその昔「不入斗(いりやまず)」という地名だった。

戦前の東京府荏原郡入新井町大字不入斗の海苔屋に生まれたのが公明党・創価学会の池田大作名誉会長というのはよく知られた話だ。不入斗とはまさにこの辺の土地を言うのだ。

そんな不入斗の界隈は今ではごくごく普通の住宅地兼オフィス街のようになっていて、かつて海苔屋ばかりが並んでいたという街の風情はどこにも残っていない。

学会のボス生誕の地はこの周辺であると思われるが、こうした昔ながらの土地は殆ど残っておらず、でかいマンションかショッピングモール、もしくはコインパーキングに姿を変えてしまっている。

いささか殺風景で広々としたコインパーキングの正面にぽつんと一軒だけ人が集まるレトロな中華料理屋「満福」があった。やけに混んでいるのは某お笑いコンビの出演するテレビ番組で紹介され話題になったからのようだ。

マンションの1階部分に工業系オフィスが並んでいるあたりがさすが大森らしいといった所だが、ここで不入斗の地名を初めて目にした。

現在使われている大森北の地名の前身である「入新井」はよく見かけるのだが、それ以前の「不入斗」は公的な地図にも殆ど残っておらず、奇妙な字面も相まってミステリアスな香りがする。ちなみに横須賀や市原市にも不入斗の地名はあるが、関連性は不明。

大森海岸駅に近いこの周辺も大型マンションが次々建ち並び始めているわけだが、イトーヨーカドーに隣接するマンション「大森プロストシティレジデンス」があまりに巨大過ぎて眺めているだけで貧血を起こしそうだ。25階建てだが建物自体が横に長いので、まるで壁のようだ。

そんな巨大マンションとイトーヨーカドー大森店、住所は大森北2丁目13番地にあるわけだが、ヨーカ堂が出来る前がアサヒビールの工場で、それ以前が入新井町不入斗百七十七番地、在日朝鮮人が暮らすバラック村だったと言われている。プレジデント大作はこの土地で生まれたとか何とか。

しかしこんなに綺麗にされたらツッコミどころがどこにもなくてつまらん。

ヨーカ堂北側の幅広道路を渡ると品川区に変わる。大森海岸駅西側のこの一帯は明治時代から三業地が置かれ「大井花街」と呼ばれていた花街である。風情はさっぱり失われているが、現在も碁盤目状の区画が見られる。

大森海岸の駅の名前にもあるように、戦前までは遠浅の海岸が眼前に迫っていて、遠く房総まで見渡せる海では海苔や貝がしこたま採れたという。

大森海岸に限らず品川宿から羽田穴守まで幅広く花街が出来るような土地柄だった訳だが、今では完全に住宅地とオフィスビルだらけになってしまっている。

しかしそんな大森海岸駅前にただ一軒だけ何やら怪しげな店が残っている。その名も「大森海岸」。そのまんまやんけ!

花街、遊郭、その成れの果てとも言える一軒の店は、見捨てられたように昭和のまま時が止まったかのような外観。そういえばもう一軒「歌麿」という老舗店があって、ここのオーナーはこのような特殊なお風呂屋さんで使う「椅子」を開発したと言われる人物だったそうだが、とっくに潰れてしまい姿を消している。

「大森海岸」は堂々の総額表示。手描きのハートに矢が刺さった看板のチープさも見逃せない。

そこに書かれたフレーズ「貴方にキュン!」に爆笑してしまったが、君に胸キュンはYMOである。いずれにしても時代錯誤甚だしくって素敵。キュン。

向かいの雑居ビルも元は怪しい店でも入っていたのかも知れないが独特の雰囲気である。大森海岸とか言いながら海岸がさっぱり見えなくなってしまったように、殆ど花街の姿も消えかかろうとしている。

最寄りの京急大森海岸駅のホームを見ると殆どパチンコ屋の広告ばかりで笑ってしまった。これが大田区クオリティ。ギャンブルの楽園・平和島も近い。


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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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