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23区の最果て・練馬区大泉学園町 (4) 新座市栄四丁目

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練馬区の最果て「大泉学園町」は戦前にニュータウンとして開発された碁盤目状の街路がそのまま残り、今でも「風致地区」と呼ばれる優良住宅地になっているが、そこから少しずれると突然住所が埼玉県新座市に変わる。街は練馬区側と新座市側に跨っているのだ。

次は新座市側の栄四丁目、栄五丁目あたりを歩き回る事にする。都県境を越えてすぐの大泉学園通り西側に「四条名店街(栄四丁目商店会)」があるのだ。そこは高級感もへったくれもない場末的な下町の風情が全開だ。



別にどうって事のない下町的な空間でしかない訳だが、野暮なチェーン店の進出も皆無で昔ながらの街並みを残している。まあ一言で言えば寂れてるなという印象しかない。新座市ではこの碁盤目状街路を北側から栄一条通り、栄二条通りと付けており、この商店街が通っているのが「栄四条通り」という事になる。

昭和の古臭さ全開の薬局、名前も昭和薬局ですね。そのまんまである。相当くたびれている商店街ではあるが必要最小限の店はここを含め徒歩圏内に揃っていて生活上の不便は感じる事もないだろう。

商店街沿いにあるボロアパートの表札。確かに住所は「埼玉県新座市栄四丁目」である。新座市片山三丁目に囲まれた練馬区西大泉町の飛び地を思い出したが、やはりこの辺でも住所が東京か埼玉かというだけで土地の値段が大きく変わったりするものだろうか。
この四条名店街の最寄りのバス停が「天沼マーケット」なのだが、これは商店街の昔の名称が残っているのか、天沼荘というアパートの名に名残りが見られる。

特にインパクトのある店があるという事もないが「肉のあがた」の焼豚がギャル曽根に宣伝されたとテレビ的には有名らしい。この肉屋の前だけは客がやけに多い。

妙にレトロ風味な栄四丁目周辺の商工案内図がそそられる。コクドの前身である箱根土地会社がこの辺りの農地をまるごと開発して碁盤目状道路を綺麗に敷いたというのに都県境だけはどうにも出来なかった。それだけ地主の力が強かったのだろう。

すっかり商売やめましたと言わんばかりの韓国料理店らしき飲食店の跡。物置場みたいな使われ方をしている。

大泉学園通りから200メートル程は商店街らしい風情のある街並みが見られる。練馬区の端の端でこんな商店街があるだなんて気付くはずもない。っていうか練馬区じゃないしここ。「肉のあがた」から先は買い物客の姿もなく寂しい限り。

寂れた商店街のコミュニティスペース的な店舗「栄すこやか広場」の店先には鉄腕アトムがいる。新座市には手塚プロダクションの制作スタジオが所在しているので、わざわざ鉄腕アトムが新座市民として住民登録されている。隣の志木市はアザラシの住民票を発行しているし、この辺の自治体は平和過ぎて暇そうだ。

ここでは「アトム通貨」が使えるらしいですよ、よかったですね奥さん。新座だけじゃなくてアトム生誕の地・高田馬場とか全国あちこちで使える地域通貨らしく、手塚プロダクションが大々的に手がけている。

昔は栄えていたであろうアーケード屋根のついた小さな市場の跡。殆どの店が商売を辞めてしまったようだが、片側の数軒だけは未だに現役。

その中を見るともっぱら土着的な生鮮食品店が細々と商売を続けているだけで、年老いた常連客がちらほら店の人と会話しているのが見られた。もはやちょっとした限界集落的なノリにも思える。

栄という地名とは裏腹に寂れ方の凄まじさが皮肉なものだが、子供が集まるはずのおもちゃ屋もすっかり廃墟化しているのを見るのは心苦しいもんですな。

潰れたままのおもちゃ屋と果物屋に挟まれてアパートの階段が隠れていた。なかなか凄い構造の建物だ。それにしても玄関口狭すぎませんか?デブが壁に挟まって圧死しそうなくらい狭いです。

この店舗兼住宅の建物もかなり年季が入っている。横っ面を見るとやはり2階部分がアパートになっているらしく、ここにも細々とした階段が取り付いている。そして特徴的なM字の屋根。

市場の裏手もかなりやつれた家並みが密集して限界集落らしい姿を晒していた。郊外だからどうしてもロードサイド沿いが栄えてばかりで、こういう場所は取り残されてしまう。

そして寂れてジジババしか居ないような商店街にはお決まりのナンタラ商法的な怪しげな出張店舗もございますですよ。決まって店の中が見えないように必死でビラや衝立てで隠していたりするがこの店も例に漏れず。

栄四条通りを西側に歩いてきて商店街が終わりかけてきた辺りで右手にキリスト教会が現れる。この教会の名前も大泉ペテル教会だし、この辺にあるマンション等の名前も「大泉」や「大泉学園」が使われている事が多い。やはり気持ちだけでも都民でありたいのか知らんが。

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