次は京成本線の線路沿い、鎌倉3丁目55にある「2号店」へ。これまで来た店舗とは違ってなんだか粗末な掘っ立て小屋のような建物で、入口に扉はついて居らず常に開放されている。
しかし中に入ると、やはり壁や天井が似顔絵だらけになっているのは変わらない。3号店や4号店と違い、まだまだ似顔絵が貼れるスペースが余っているので、今後「新作」が登場するとするならこの2号店が選ばれる可能性が高いのではないだろうか。
んで、ここにもブッシュとかフセインとかがいる訳ですが…結構この手の難しそうな時事ネタも好きなんですかね。
政治家コーナーも小泉純一郎や青島前都知事など、おおよそ10年以上前に活躍していたちょっと古い人物が多いのだが、やっぱり葛飾区が地盤の政治家と言えば平沢勝栄氏ですよねー。
そして何故か久本雅美率が高い2号店。そうかそうか！下町葛飾区だけにどこを見回しても公明党ポスターだらけだったしな、このへん…
あとこの2号店には似顔絵作者の菅野浩峰氏の活動履歴がずらずらと書かれた貼り紙もあるので、同氏の活躍ぶりを一通り理解する事もできよう。
菅野氏が似顔絵を始めたきっかけは、ご本人が60歳の時、1997年12月に新聞紙上で見た松井秀喜選手の似顔絵を見て、とっさに思いつきで自分も似顔絵を書いてみたところから始まったそうだ。全て独学で似顔絵の書き方を研究し続け書き上げた。
その2年後には東部読売（読売新聞系のタウン誌）に紹介され、地元ケーブルテレビにも紹介、その後は散歩の達人、朝日新聞東京版に掲載、アド街を始めテレビ番組にも多数出演する程まで有名になった。現在も地元を中心に個展を開催しており、似顔絵師として活躍を続けている。
今年2014年は面白人材の当たり年だったので、是非とも新作似顔絵コレクションに佐村河内守＆新垣隆コンビ、STAP細胞小保方晴子氏や号泣議員野々村竜太郎氏が加わるのを楽しみにしていたい。勝手な願いですみません…
そして最後に訪れた「1号店」は鎌倉1丁目6、都営鎌倉二丁目アパートの南側にあり、ここは菅野氏の自宅も兼ねている原点の店舗である。
4つある店舗の中で最も狭い1号店。四畳半くらいのスペースしかなく、ここにもやはり壁や天井一面に似顔絵がびっしり。
やはり柴又が地元という事もあってか車寅次郎演ずる渥美清の似顔絵がやたらと多い訳であるが、やはり原点の1号店だけあって登場人物がどこか古めかしい。まずい青汁を渋い顔で呑む事でも有名な悪役俳優の八名信夫だけ、やけにポスター色紙が黄ばんでいる。
またこの1号店、店舗だけではなく隣接するガレージにも額縁入りの似顔絵が多数掲示されているので忘れずに見ておこう。「似顔絵コインランドリー」4店舗全部回るとさすがに足が痛いですね…
そう言えば、柴又の帝釈天参道にある川魚料理の「川千家」の店先にも菅野氏が書いた似顔絵が掲示されているらしいんですが…
「柴又の顔」と言えばやっぱり車寅次郎、渥美清ですよね。似顔絵師として地元で活躍する菅野浩峰氏、定年後の趣味として一から始めたらしい似顔絵がここまで街に親しまれているとは素敵な事ではありませんか。これだけコインランドリーを見て回って一銭も使わず終わるのは申し訳ないんで、今度毛布の一枚でも洗いに行きますね。
