四谷界隈探索 (1) 四ッ谷駅と四谷見附橋

新宿駅と東京駅を結ぶ、都心でも最もコアな路線である、山手線内側エリアの中央線・総武線。新宿駅から快速で4分程の場所に四ッ谷駅がある。
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四ッ谷駅は、JRの他にも東京メトロ丸ノ内線と南北線の駅もあり、乗降客の多い駅であるが、何よりも興味を引くのがこの四ッ谷駅そのものの構造だ。


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まず駅前に出るとやたら土地が大きく開けているが、これは江戸城外濠の真上に駅が作られているからだ。外濠の上に駅があり、そこから新宿通りの四谷見附橋に道が結ばれている。駅前なのに、そこだけぽっかりと大きな空き地が出来ているみたいで不自然に感じる。
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四ッ谷駅前に架かる「四谷見附橋」は都内最古の陸橋として知られている。近くには迎賓館や赤坂御用地などもあり日本国のコアなエリアでもあるため、親柱・欄干・橋灯などの橋のデザインも含め当時の最高技術を用いられて作られている。親柱には皇室の菊の紋章が彫られているのがわかる。
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「大正二年九月成」と書かれた四谷見附橋のプレート。もっとも現在の橋は新宿通りの拡幅工事に伴い架け替えられていて、初代の橋は八王子の多摩ニュータウン内の長池公園に移設されて「長池見附橋」という名前に変わり現在も使われている。
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四谷見附橋の上からはJR四ッ谷駅のホームが見下ろせる。
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この橋の上から外濠の畔に沿って走るJRの線路とかなりの高低差であることが分かる。
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さらに外濠を挟んだ東西で千代田区と新宿区に別れている。千代田区側に入ると外濠の土手に沿って外濠公園の遊歩道があり、そこから四ッ谷駅の構内も含めて新宿方面の摩天楼まで見渡せる所もある。東京にやってきて「都心に緑」を感じさせる外濠の存在。四ッ谷駅から御茶ノ水駅までの間まで続く中央線の車窓からもよく見える。
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面白いのは地下鉄丸ノ内線の駅がなぜかJR駅よりも高い地上に顔を出しているという現象だ。これはもちろん起伏の激しい東京の地形が関係している。
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地下深くを潜っているはずの地下鉄がいつのまにか一部分だけ地上駅になっている箇所は丸ノ内線だけでも四ッ谷駅の他に御茶ノ水駅、茗荷谷駅がある。
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四ッ谷駅の場合も、新宿方面を見るとこの通り。駅の手前でトンネルがある。
あまり観光ガイドには出てこないのが四谷界隈なのだが、四ッ谷駅の構造や外濠公園、四谷見附橋を見て回ると、表面的な観光では決して見えてこない東京の都市としての多面性の一端が見えるはず。ただのコンクリートジャングルばかりが東京の風景ではないのだ。

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