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南千住・小塚原刑場跡「首切り地蔵」

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大阪西成・釜ヶ崎に次ぐ、日本第二のドヤ街、東京山谷の入り口に位置する南千住駅。
東京メトロ日比谷線、JR常磐線、つくばエクスプレスが乗り入れる、この交通過密地帯のど真ん中にあるような駅の前は、信じられない程に寂れきっている。どちらかというと乗り換え駅としてよく使われるのは隣の北千住駅なので、わからなくもないが、とにかく雰囲気が凄い。

日比谷線の南千住駅を南口から降りる。薄暗いガード下の駅には人はまばらだ。



さすが、ドヤ街山谷の最寄駅だけあって、このようなビラがベタベタ貼られているのを目にする事が出来る。こういう部分は西成に共通している。
そんな南千住駅の改札を降りたまん前である。

のっけから廃墟の盛り場らしき建物を発見する。その名も「南千住コンパ」。この独特のフォントといい一体何年間放置されてきたのかというノリである。
南千住駅から山谷エリアに入るには、歩道橋を跨がなければいかず、たいそう不便な土地なのだが、その手前にあった物騒な看板が私の目に入った。

「首切り地蔵 延命寺 入口」と書かれている。首を切られるのに延命とはこれいかに?という疑問はさておき、なんだかただならない雰囲気を感じる。

歩道橋を上った先ではなく、すぐ横にお寺があった。

「首切り地蔵」の文言にも目を引くが、おまけに「史跡小塚原刑場跡」とまで書かれている。
け、刑場跡…
…これはもう入るしかない。
この地に根付いた因縁のものに導かれるように、延命寺の中に進む。

入ってすぐに、小塚原刑場跡についての歴史が書かれた看板を見る事ができる。この小塚原刑場とは、江戸の三大刑場と言われていた場所なんだそうだ。
まだまだ「磔の刑」「打ち首獄門」が当たり前だった時代の頃の話だ。結構えげつない事が書かれているが、それは現場に来てしっかり読んでみてくださいまし。

明治新政府が樹立し、ようやく近代国家としての人権感覚が取り入れられた頃にはこの刑場も廃止になったということだが、明治維新の立役者である、松下村塾を開いた、かの吉田松陰もこの地に葬り去られたと書かれている。

延命寺の奥にはびっしりと卒塔婆が並んだ墓地が見える。なぜかペット供養墓もある。ペット供養は最近どこでも流行りのものだが。

この延命寺、本当に駅のまん前である。東京メトロとJR常磐線の高架線に挟まれるような形で建っている。

東京メトロとJRの貨物線を挟んだ向こうが、都営南千住二丁目アパートと都営バス南千住営業所、バスターミナルになっている。なんともビミョーな住環境だ。霊感の強い人にはとてもおすすめできない。

おどろおどろしい名前の首切り地蔵だが顔は非常に穏やか。

横側から首切り地蔵を拝見すると石組みの継ぎ目がよく見える。27個の花崗岩を組んで作られているのだ。

史蹟の標と説明板。小塚原の首切地蔵の名が堂々と書かれていて実に潔い。日比谷線や常磐線の車窓からも丸見えである。

巨大な地蔵尊像は、この地の存在の重みをそのまま背負ったかのように、ひっそりと佇んでいる。

2010年11月、久しぶりに小塚原刑場跡を訪問すると随分様子が変わってしまっていた。どうやら延命寺の墓地の整備工事が始まったようで手前の「南千住コンパ」の廃屋もいつの間にか取り壊されている。

首切り地蔵の横にあった墓地がすっかり消えて無くなってしまった。なんとも豪快な変貌ぶり。やっぱり刑死者の骨とか出てきたんでしょうか。まあ元から墓場なので不思議もないのだが。

そんな中でも首切り地蔵の姿は健在だった。工事現場となっていて正面にプレハブ小屋を建てられたりと色々窮屈な思いをしている様子である。

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