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王子・飛鳥山 (1) 洋紙発祥の地

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上野から京浜東北線に乗って埼玉方面に向かうと、赤羽のひとつ手前で「王子」の駅がある。
地下鉄南北線と都電荒川線も接続する駅ではあるがいまいち存在感のない駅だったのでいつも素通りしていたわけだが、ある日ひょんなきっかけで立ち寄る事になった。
上野・日暮里・田端など山手線東側エリアから続く崖線に沿って北進するJRの線路は王子駅前にも続いている。その東西で、やはり街は「山の手」と「下町」の両方に跨っているのだ。
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王子駅前といえばこれといって派手な繁華街もなく、目立っているのはかなり昭和の臭いが漂う複合商業ビル「サンスクエア」。ボウリング場やゲームセンター、ゴルフの打ちっぱなしやテニスコートなどのスポーツレジャー施設があるだけかと思いきや、東武ストアやらドトールコーヒーもあり、マクドナルドが表でテラス席まで置いていたりして何でもありの空間を生み出している。


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そんなサンスクエアの脇に「洋紙発祥の地」の立派な石碑が建っている。この場所において「日本資本主義の父」と呼ばれた明治時代の実業家・渋沢栄一の手により作られた日本最初の製紙工場があったことを示している。王子の地名を冠する「王子製紙」はじめ日本の製紙業の元祖がこの場所にあったわけだ。
という理由なのか知らんが、すぐ東側には国立印刷局王子工場もある。大阪の造幣局のようにお札は作っていないが、郵便切手やら印紙、パスポートといった公的証券類を製造している。
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意外な場所に「紙」の街があったものだが、王子駅周辺の見所はこれだけではない。東京ならではの地形の特徴が駅の周りに凝縮されている。
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JR王子駅の北口に出るといきなり目の前に深い谷が切り開かれている。両側はチケットショップや韓国アカスリや漫画喫茶など猥雑な雑居ビルに囲まれているが、その中央はかつて「音無渓谷」と呼ばれていた、現在の旧石神井川(音無川)が「音無親水公園」として市民に開放されているのだ。
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音無親水公園の中へ下りると、そこはもう別世界のような佇まいだ。旧石神井川流域に作られた人工の川だが、人工であることを感じさせないほど良く出来た作りだ。
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親水公園の下から見ると相当高い場所に架かっている、レトロなアーチ橋は「音無橋」。橋と人工渓谷のコントラストが見事だ。
こんな風景で都内だぜ?しかも駅前徒歩一分!
しかしなぜ川なのに「音無」なのか、その名前の由来が気になる所だが…
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音無橋の下にも広がる人工渓谷。
夏場にはさぞかし水遊びに興じる子供や大人やDQNが現れそうな所だが…
旧石神井川は上流の石神井方面から、ここ王子駅前あたりの崖線を長年かけて侵食し、渓谷を作り出した。
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だが大雨や台風になると川が増水し、王子駅周辺で洪水が発生してどえらい事になるため、水害対策として石神井川の流路を現在のトンネルを抜けるルートに変えて、旧流路であるこの場所を親水公園に変えたそうだ。
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現在の石神井川は王子駅のホームの真下を流れるトンネルを伝って下流に流れている。ここから見たら何も見えませんが、人々の知らないうちに治水対策が色々と行われている訳ですね。

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確かにここから駅東側に出ると萎えてしまいそうなドブ川が見えるが、あれが今の石神井川のようだ。
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ところがこの石神井川の下流がどうにもドブ臭いと思っていたのには訳があった。臭いの発生源はJR王子駅南口にあるトイレの存在。
なんと40年間に渡ってトイレの配管ミスで汚水を川にそのまま垂れ流していたのだ(笑)これは洒落にならない。ドブじゃなくてションベンとクソの臭いだったのか。
川底にはドブに混ざってきっとウンコも堆積してますね。
王子駅トイレの汚水垂れ流し 石神井川に40年間 – MSN産経ニュース
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そんな王子駅を境目に南北を崖線が伝っている。その向こうは桜とアジサイの名所である「飛鳥山公園」だ。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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