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池袋サンシャインシティ 巣鴨プリズンの痕跡

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池袋のランドマーク的存在として知られる一方、池袋の街をターミナルとする埼玉県民の憩いの場でありデートスポットしても今なお人気の高い「サンシャインシティ」。
地上60階建ての超高層複合商業ビル「サンシャイン60」の中には都内で最も海抜の高い展望台もあり、さらにショッピングモール、水族館やナンジャタウンといったアミューズメント施設まで揃っている。
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昭和53(1978)年に開業した頃は東洋一の高さを誇る高層ビルであったが、30年以上経った今でもその存在感は大きい。
実はこのサンシャインシティの敷地が元「巣鴨プリズン」であったことを知る人間はほとんど居ないだろう。
巣鴨プリズン」とは現在は葛飾区小菅にある東京拘置所の前身であり、戦後GHQによる東京裁判で東条英機ら7名の戦犯を処刑したことで知られている、歴史教科書ではよく知られた名前の場所である。
巣鴨プリズンの名前だけは学校の授業で聞いた事はあっても、その場所が池袋サンシャインシティだったということは、この場所にやってくるまでは知らなかった。てっきり巣鴨にあるものと思っていたのに。


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池袋駅からサンシャインシティまではサンシャイン60通りを経て、人混みを掻き分けながら徒歩7、8分程度とかなり遠い場所にあるので、電車で来る場合は有楽町線の東池袋駅で降りる方が便利である。
雰囲気的には少し古臭さも漂うオフィスビル街というイメージの建物だが、そこを通り掛かる人の波は比較的若い。
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サンシャインシティの館内は所謂若者向けの雑貨が多く入居しているため活気に満ちているが、一歩外に出ると、このように人が誰も居ないスペースが存在しており、ほのかに場の薄暗さを感じさせる。
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サンシャイン60の北隣に「豊島区立東池袋中央公園」がある。平日はオフィスビルであるサンシャイン60で働くサラリーマンのお昼の憩いの場、土曜日曜となるとラブラブカップルとホームレスの憩いの場となっている。
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広いコンクリート敷きの広場があるため、常にスケートボードで遊んでいる若者がいる一方で自分らだけの世界に勝手に浸りこんでいるカップルもあちらこちらに座っている。
平和な日常が広がっているだけでそこに何か不穏な空気を感じる事はない。
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だがそれもあくまで公園の正面から見える部分だけの話だ。公園の正面にある噴水を取り囲むように一周している通路に入ると、鬱蒼とした森の中にホームレスさんの家が何軒が建っているのが確認できる。
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それらは、サンシャインシティを訪れる一般ピープルの動線から完全に外れた場所でひっそり澱のようにこびり付いている。
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サンシャインシティに隣接している首都高の高架下にある中央分離帯にもびっしりとダンボールハウスが建っているのが見えるだろう。とにかくこの界隈もホームレスの数が多い。
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そんな現実を隠すかのように公園の中央にある噴水は水の流れを絶えず作り出している。
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東池袋中央公園の一角に、この場所が巣鴨プリズンだったことを示す石碑が建っている。
表の面には「永久平和を願って」としか書かれておらず、これだけでは初めて来た人間にとってはこれが何の石碑なのかを知る事はできないだろう。
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だが肝心のことが石碑の裏に書かれている。
「第二次世界大戦後、東京市谷において極東国際軍事裁判所が課した刑及び他の連合国戦争犯罪法廷が課した一部の刑が、この地で執行された。
戦争による悲劇を再びくりかえさないため、この地を前述の遺跡とし、この碑を建立する。
昭和五十五年六月」

実はこの碑がある場所に、巣鴨プリズンの絞首台が設置されていたと言われている。ゆえに心霊スポットとしても知られている訳だが。
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巣鴨プリズンの地で刑場の露と消えた東条英機はこの近くの雑司ヶ谷霊園の一角に今も眠り続けている。60年の月日が経ち、確かに日本は平和に満ちているようだが、どこか違和感の漂う平和が続いている。
そういえばサンシャイン60のビル自体が、巨大な墓標に見えてこないこともない。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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