超下町!港区白金 (3) 北里通り商店会

引き続き「港区白金」の下町っぷりを余す所なくお届けしようと思う。白金高輪駅から四の橋商店街や町工場の数々、それにコンクリートドブ川・古川を一巡してきた後、北里通りに出てきて西に進む。
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ひからびたような古い商店が並び歩道も車道も狭い北里通り。まるで地方の田舎町のような風景だが、ここも白金なのである。白金高輪駅と恵比寿駅の間を通り、さらに北里病院があるため、バスがひっきりなしに通るので「バス通り」とも呼ばれる。


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北里通りは一応商店街らしい体裁を持っているが、それほど店の数は多くない。「白金北里通り商店会」ののぼりが立っているのが見える。
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通りに沿って歩くと、北里通りのシンボル的存在である北里研究所病院の敷地が現れる。
もともとは福沢諭吉の土地だったが結核研究と治療所の設立を勧めるために細菌学の権威であった北里柴三郎博士に土地を提供したものが今でも続いているのだ。創立当初は結核療養所だったが現在では中規模の総合病院。
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北里通りの南北で概ね下町ゾーンとセレブゾーンが分かれるようなのだが、こんな場所にもびっくりするようなオンボロバラックがある。「両角ジャム製造所」の倉庫に使われている建物のようだ。80年間ジャムを作り続ける老舗というが、白金に来たのは終戦直後かららしい。
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通りを挟んだ斜向かいには両角ジャム製造所の工場がある。
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工場の脇から伸びる裏道に入ると昔からそのまま残っているかのような町工場とアパートが並ぶ光景が続く。
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狭い通り道の両側に町工場の敷地が現れる。殆どが工場と住居を兼ねていて概ね建物の造りが古い。
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袋小路になった路地の奥にもさらに町工場がもう一軒。
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その向こうにも2軒棟続きに古いアパートが残っていた。完全に工業地帯だが、それほど空気も雰囲気も悪くないのは白金という土地柄だからこそなのだろうか。
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袋小路の突き当たりからは北里研究所病院の立派な建物が見える。再び北里通りに引き返す事にする。
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白金が古い工場町だという事が一目で分かる「奥田電機」の工場兼住居。築年数不明。
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北里通りを外れ斜め左に逸れる道に入る。相変わらず下町全開である。
この道を突き当たると外苑西通りに出ることになるが、所謂「シロガネーゼ」が居るセレブゾーンはその先にある。
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そしてこの付近もバラック率がとても高い。てっきりセレブタウン扱いされて「白金」に住んでいるというだけで一目置かれてしまう程だが、こんな家にでも住めたら他人に自慢しまくるだろうな。いや、違う意味で。
この家屋は表玄関が北里通りに面していて、一様に店舗兼住宅として使われている。
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裏道にも町工場らしくドラム缶が詰まれた一角がある。隣はアパートか。
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ここまで来るとセレブゾーンとの丁度境目にあたるが、いよいよ開発の波が押し迫ってきているのが工事用のトラ柵が掛けられた一角がある。そのうちこのエリアも恵比寿駅周辺あたりのようにスイーツ化するかも知れない。
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しかし白金下町ゾーンではこんなベタな店構えの中華料理屋が現役で営業中。まだまだやれそうだ。
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ひっそり佇むだけの閑静な低層住宅地を潜り抜けると、白金のセレブストリート「外苑西通り」が見えてくる。
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そのまま外苑西通りを南に折れると、緩やかな上り坂とともに白金台へと至る。
目の前に見える空き地には崖に沿ったコンクリートの法面が見える。あれはさしずめ白金における「ベルリンの壁」の残骸だろうか。
きっとここが下町とセレブタウンの境目なんだろう(笑)

>セレブタウン白金台へ

東京都港区
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