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人形と玩具問屋の街 浅草橋から蔵前まで

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浅草橋と言えば総武線の高架下建築が凄いという所ばかり注目していた訳だが、もとは人形問屋と玩具問屋の街なのである。さらに南側には馬喰横山の衣料問屋街。全国的にも流通経路の「中抜き」やデフレ志向で問屋街は衰退傾向にあるものの、街は雰囲気を留めている。

浅草橋駅東口を降りた真ん前にはずらりと並ぶご立派な人形問屋のビル。人形の秀月とか久月とかはよく知られた存在だ。



早速信号を渡って人形の秀月ビルの前に行こうとするが、そこで少々違和感を感じる光景に出くわした。店の一階が人形屋ではないのである。
よく考えると、お雛様や端午の節句といった日本独特の習慣は無くなりつつあるし、折しもの少子化である。日本人形の店がそれだけでは商売出来ないという時代なのである。
で、人形の秀月ビルは一階を他の業者に間借りさせて、なんだかよくわからないアウトレットショップになっているというわけ。実は人形の秀月は2004年の時点で民事再生法の適用を受けて倒産しており、現在は経営再建中である。

駅から国道6号江戸通り沿いに北上すると柳橋二丁目交差点の角からレトロバラックな店舗が現れる。

問屋街に混じって古い商店が残っている浅草橋エリア。ある意味で垢抜けないのは街の新陳代謝を拒んでいるからか。街のそこかしこに昭和を引きずっている。

だが、江戸通りを蔵前方面に歩くと次々とド派手な装飾品で溢れ返ったクリスマス用品店がずらりと姿を現し、視覚的に面白い。日本人形業界は危機にあるものの、それに反して玩具問屋は健在。端午の節句やお雛様よりもクリスマスの完全勝利である。

堂々とクリスマス用品と看板を掲げる店も多いが、元は造花問屋だった店も多いらしい。
スイーツな昨今の世間は2ヶ月前からクリスマスソングがスパム状態で掛かっているが、浅草橋から蔵前に掛けても同様。ちなみに夏場は花火用品店に鞍替えする店も多いそうだ。

そうこうしているうちに蔵前一丁目交差点まで辿り着いた。ここからもう少し行けば地下鉄蔵前駅である。徳川幕府の米蔵があったことが地名の由来であると書かれた案内板が掲げられている。

蔵前一丁目交差点の脇に「蛇善」と大書きされた看板が掛かっているのが見える。東京でもたった三軒しか残っていない「蛇料理」を出す店の一つだ。
ちなみに残る2ヶ所の「救命堂」と「文久堂」はそれぞれ上野と御徒町にあるが、全部台東区内というのがまた偶然にしては出来過ぎている…

もちろん蛇だけではなく猿の頭から山椒魚やら胃袋が凄い事になりそうなゲテモノが勢揃いとばかりに記された看板が怪しく誘いかける「蛇善」。創業明治17年とこちらも老舗過ぎる。
しかし残念ながら店はお休みだったせいで中の様子を伺う事ができなかった。

蛇善からさらに先に進んだ春日通り、三筋二丁目交差点の角には「川柳発祥の地」の石碑が建っている。やけに目新しい石碑だと思ったら2007年に新しく作られたばかりだそうだ。

石碑によると江戸時代に居た柄井川柳という人物が川柳のルーツだそうである。
川柳と言えば警察とかお役所が大好きな防犯標語だったり、陰気臭いサラリーマン川柳が話題になったりするものだが、どうやらここが発祥の地らしい。


交差点の近くにある喫茶店「こおひいしょっぷ らい」も外観からして実に味わい深いレトロさである。早朝から昼過ぎまでしかやっていないので地元民以外は狙って来ないと入店が難しい。また次の機会に。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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