スイーツタウン「自由が丘」 (1) 女神まつり

常々東京DEEP案内ではスイーツ(笑)タウンや高級住宅街はスルーの対象であり場合によっては嘲笑の的にもなっていたりして扱いが酷いと我ながら思う訳だが、そんな街だからこそ観察できる風景というのもあるだろうと、読者の方から忠告されたりもする。
それに一般的に「住みたい街」の上位に出てくるような街って実際に住みよいのか、という疑問も湧いてくる中で、いつまでも「自由が丘」の存在を無視する訳にもいかぬと、柄にも合わず渋谷から東急東横線に乗ってこの街を訪れたのだ。

人でごった返す東急自由が丘駅前。たまたま訪れた日が「自由が丘女神まつり」の日だったのである。ただでさえスイーツ臭の激しい駅前が殊の外濃密に甘い。のっけからリア充カップルか犬連れか子供連れか有閑マダムしかいない。
いわゆる「住みたい街」ランキングで吉祥寺と肩を並べる自由が丘の実態やいかに?!



スイーツタウン「自由が丘」は東急の駅ホームからして既に甘い。本来なら駅そば屋でも入っていそうなスペースには「スープストックトーキョー」。スイーツ御用達ショップの一つであるが、店舗があちこちに出来過ぎて食傷気味。

それよりもさらにスイーツ(笑)御用達でメディアの権化かお前はと言いたくなるようないわゆるアンテナショップ的店舗の一つがこちら「ランキンランキン」。主に都内西側の駅構内に店を構え、今流行りのトレンド商品であるとされる雑貨やドリンク類など様々なジャンルの品物を全てランキングした上で販売している。

自由が丘駅構内にはこのランキンランキンの店舗が2つも用意されていて、客の9割が女性、残る1割も彼女に連れられてしぶしぶ買い物に付き合っている彼氏だったりするという、ある意味キワモノな店だ。雰囲気からして男1人ではよう入れんぞ。

店の入口には「3分間で世の中が分かる!」などと書かれていて爆笑。いや、それが世の中の全てだったらDEEP案内はとてもこの国で呼吸ができません。
このように東急沿線では駅の構内まで露骨に男性差別が展開されていたのであった。ただでさえ女性専用車両がどうたら、男の肩身が狭くなっている昨今だが…

…というわけで駅を降りるとリア充だらけで街中お祭り状態の自由が丘。「女神まつり」というのは年に一回催される、自由が丘最大の祭なのだが、その名の由来が自由の女神から来ているのか、それとも自由が丘はオンナの街だからという意味なのか、どちらとも解釈できる。

祭の日は原宿竹下通り並みに人がごったがえす自由が丘の街。両側の店もブランドショップもしくはオシャレなカフェ(笑)或いは洋菓子屋しかない。

女神まつりのイベントとしてワゴンセールのブースがずらりと並んでいるが、当然女神まつりだからこういう時にもオンナが主役なのだ。ワゴンの中にはカワイイ雑貨やアウトレット衣料などが売られているようだ。スイーツ女子の買い物欲を満たすためにしぶしぶ付き合う彼氏が所在無げにうろついている姿も見られる。

さらには「占いストリート」まで登場。普段は熊野神社の前を入った道に占いの店があるが、この日ばかりは通りを挙げてオール占いの館状態。自分探し系スイーツ女子の溜まり場と化している。

迷えるスイーツに道しるべを示す占いの館「エンジェルガーデン」の店舗が占いストリートの中程にある。

店の前に各占い師が紹介されている掲示板があるのを見ると、占い師の数がかなり多いのが分かる。18人もいるのか。我々東京DEEP案内が以前忍び込んだ西荻窪の「アタ~ル」(閉店)でも7~8人くらいしか居なかったが…
スイーツ(笑)は往々にしてスピリチュアルなものが好きだったりするのできっと需要が多いのだろう。

占いストリートの裏手には意外に味わい深い路地裏が隠れていたりする。しかしそこにある店は赤提灯でも風俗店でもなくイタメシ屋だ。

しかしよく見れば老舗の飲食店だったりすることが多いので、まだまだスイーツタウンも捨てたものではないと考えさせられる。

駅の近くの広場ではステージイベントが開催中。なんかよくわからんキャラが舞台に立って愛想を振りまいている。

コイツは自由が丘のマスコットキャラクター「ホイップるん」だ。
さすがスイーツタウン自由が丘ということで、キャラクターまでスイーツそのものという開き直りっぷりが素敵。自由が丘各所にあるスイーツ専門店ではホイップるんをモチーフにしたお菓子が販売されているそうだが、これが某ドラクエのスライムにクリソツ。しかし客層がかぶらないためかツッコまれることがないらしい。
まだまだ甘ったるい自由が丘の街を散策していこう。

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