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新宿四丁目「旭町」に残るドヤ街と私娼街の痕跡 (2)

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新宿区新宿四丁目。そこは東京を代表する副都心にありながらも長らく陽の光が当たらない都会の死角のような場所。

駅至近であるにも関わらず明治通りと甲州街道に挟まれた孤立地帯にあり、人通りもまばらな一本道の路地に今も多くの安宿とドヤ街の風情を残す、吹き溜まりのような場所だ。
甲州街道から「新宿4丁目ビジネス・旅館街」と記された看板が見えることで、ようやく外部からこの一帯の存在に気付く程度であろう。



裏寂れた人通りの少ない路地だけに、どこの馬の骨やらわからぬ輩に好き放題街を汚されている。タギングに次ぐタギング。行き場を失ったアウトローどもの意思が吹き溜まりのようにこの土地に集まる。

元ドヤ街の路地は本当に一本道で、脇道に逸れてどこかに抜ける事すらできない。マルイ近くの甲州街道に出るか、高島屋前の明治通りに出るかのどちらかである。この曲がり角がちょうど中間地点。


そこに入ると、古びたビジネスホテルがずらりと並んでいる。そのどれもが一泊5千円以下の安宿である。戦後すぐの頃まで「旭町」という地名で呼ばれた一帯はかつてのドヤ街で、労働者や浮浪者の溜まり場だったと言われている。

比較的まともな作りのコンクリート建築系のビジネスホテルは大方4000円から5000円といった価格帯だ。こうしたホテルには普通にビジネスマンの利用があるものだが、一方で山谷や寿町にあるような「ドヤ」そのもののクオリティを保つ宿の存在も残っている。

ピンク色の外壁に包まれた2階建て木造建築の、2階部分が上下に区切られている。まさしく昔ながらの「ドヤ」そのものの姿を留める素敵な安宿。

「旅館中田家」と看板が出るこの宿、入口にも料金が明示されていて、1泊1800円、個室2200円とあるのだ。この値段は山谷のドヤと変わらない。おそらく1800円の部屋は相部屋になるのだろう。いまだに新宿のど真ん中にこんな宿が残っているのだ。
ただこうした古いドヤや連れ込み宿といった風情の建物は年々廃業の一途を辿っており、容赦なく取り壊されているものも多い。このクラスの安宿で現役で営業を続けているのはこの中田家くらいのものか。

こちらも木造建築ではあるものの、改装したのか割とキレイ目な安宿がもう一軒。

甲州街道側に近い場所に来ると、新宿四丁目ドヤ街における組合の事務所らしき看板を掲げたところがある。当然この隣も安宿。

「東京都簡易宿泊業環境衛生同業組合」と「東京簡易旅館協同組合」、2つの看板を掲げた事務所の入口。バリバリのドヤ街ですよと言っているようなものである。

甲州街道に近い場所に「雷電稲荷神社」というイカツイ名前の小さな神社が建っている。近くにある天龍寺が建てた神仏習合の神社だそうだ。
天龍寺も内藤新宿があった頃の古い寺で、境内に置かれた「時の鐘」は内藤新宿で夜通し遊んでいた男衆を追い出す為早めの時間に鳴らされた事から追い出しの鐘とも呼ばれたと言われる。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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