都電荒川線に乗ろう! 三ノ輪橋電停編

東京DEEP案内管理人逢阪は下町が大好きである。
私自身が下町育ちというのもあるのだが、気取らず飾らずといった町並みを見ると安心するのはきっと生まれつきなのだろう。
広く大きな東京の中において、今でも路面電車が地道に走っている場所があるという事はある意味喜ばしい。
首都圏の都市で路面電車が残っている場所は意外に少なく、世田谷区を走る東急世田谷線と神奈川県湘南を走る江ノ島電鉄、それに今回レポートする都電荒川線の3つくらいしかない。(→日本の路面電車一覧
路線は東京都交通局が運営しており料金はどこまで乗っても一律160円。ちなみに都電一日乗車券(400円)を買えば乗り放題。都営まるごときっぷ(700円)も対応しているので是非使うべし。
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都電荒川線の東の始点である三ノ輪橋電停に向かうには、地下鉄日比谷線三ノ輪駅が最寄りになる。地下鉄に乗っていても都電荒川線への乗り換えのアナウンスが出ないので要注意だ。もしくは隣の南千住駅からも歩いて来れます。


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途中、常磐線の高架の下を潜る事になるが、この付近の風景は我が地元大阪の西成界隈にそっくりである。

国道4号沿いに建つ「梅沢写真会館」の特徴的でレトロな建物が駅への入り口である。

都電荒川線になる前は王子電気軌道と呼ばれていたのだが、梅沢写真会館の建物は「王電ビルヂング」と言われ、いまや消滅した鉄道会社が所有していた建物だ。昭和2年の建造である。
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この建物の下のトンネルをくぐった先に商店街と駅舎があるというロケーションは物凄く萌えてしまう。トンネルの中には古びた新聞屋と建物同様に老いたおばあちゃんがちょこんと座っているのを見ることができる。

トンネルの先に行くともうその時点で流れる時間の軸がズレているのがわかる。

若干寂れている感じは否めないがそこがまた哀愁あってよろしい。

のっけから演歌歌手のポスターがベッタリ貼り付けられている所なんか、凄く下町らしくてええやないか。
唄は朝倉由美子さんで「好きやねん」。
なんで関西弁やねん…と思ったら神戸の人だった。どうやらこの辺に住んでいるらしい。

その先に三ノ輪橋電停がある。さすがに下町探索系の東京案内本にはレギュラー出演しているだけあって、写真を撮りに来ている観光客っぽい人もちらほらいるし、よく見ると駅の周辺も綺麗に整備されていたりする。

駅前には草加煎餅を売る昔ながらの店もある。
まん丸の瓶にぎっしり詰められている煎餅。
それらがずらりと並べられているのを見ると、これが江戸の下町風情だなあとしみじみ感じるのである。こうした煎餅屋は浅草寺や柴又帝釈天や西新井大師などの門前町にも必ずと言って良いほど見かける。

都電乗り場の前に来てみると、随分レトロに「作り変えられて」いた。

オロナミンCやらボンカレーなどホーロー看板では有名どころのものをベタベタ張ってみたりしてレトロ感を演出している。

駅から外れるとそこは落ち着いた趣きの下町が続く。ここも住所は「荒川区南千住」になるのだ。山谷から三ノ輪、それに汐入団地といい、南千住と一言で言ってもかなりエリアが広い事がわかる。
せっかくなので下町パワー全開の商店街「ジョイフル三の輪」にも寄ってみよう。

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