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世田谷・九品仏 (1) 電車がはみ出る九品仏駅

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今回はやたら鉄分豊富なネタである。東急九品仏駅に行ってきた。
自由ヶ丘と田園調布といった東急線きってのセレブタウンがずらりと並ぶ目黒区や世田谷区の高級住宅街の中でもいまいちパッとしない存在のサブ路線「大井町線」の駅である。

大井町駅から中延、旗の台、自由ヶ丘、等々力、二子玉川駅を経て田園都市線に並行して溝の口駅までを走る路線は通勤ラッシュのバイパス的存在として近年になって東急が整備に力を入れている。
大井町線の二子玉川から溝の口までの区間はつい最近できたばかりで、万年大混雑の地獄の田園都市線ラッシュを少しでも緩和させるべく東急が必死こいて設備投資を行って出来たもの。



大井町線が急行運転を始めたり新型車両を導入したりと近年パワーアップ傾向になっているが、その一方で目立つのが途中駅の整備の遅れ。
昔の大井町線では4両編成の電車がデフォルトだったが、輸送キャパシティを上げる為に5両編成に増えた電車がメインで走っている。将来的には6両編成に対応させるべく駅の改良工事を行っているが、各駅停車の駅はまだ整備が追いついていない。
その結果、九品仏駅と戸越公園駅ではホームの幅が5両編成以上の車両より短いため「ドアカット」という珍現象が起こる。後ろの1両か2両がはみ出して止まるのだ。当然、はみ出した部分のドアは開く事がない。

自由ヶ丘の隣なのにやたら田舎臭さを漂わせる大井町線九品仏駅の入口。何と駅舎自体が両側の線路に挟まれている。もし両側から同時に電車が来ると、駅から降りる事ができない。なんとも奇妙だ。
駅名の通り近所には「九品仏」こと浄真寺という有名な寺がある。ちなみに読み方は「くほんぶつ」。微妙に難読。

大井町線の5両編成の電車の1両がはみ出すという問題の踏切は駅舎反対側にある。大井町方面、溝の口方面のどちらの電車もはみ出す部分はこちら側の踏切だ。

九品仏駅は東急の前身となる鉄道会社の一つ「目黒蒲田電鉄」時代の昭和4(1929)年に開業した古い駅だ。まさか大井町線が通勤ラッシュを避けるバイパス路線になるとは当時の人間には想像できなかっただろう。駅のホームも4両分の長さしかない。

さらに踏切を跨いだ反対側にもホームのような構造物が置かれているが、これは車掌専用ホームで、もしこれがなければ車掌が一端電車から降りて安全確認が出来ないのだ。

そうこうしているうちに電車が近づいてきたではないか。緊張感が走る。興味深そうに踏切の前でそわそわしながら立っていると鉄道自殺志願者に間違えられる恐れがあるので注意である。
「一歩さがってまちましょう」

九品仏駅のホームに各駅停車溝の口行きが5両編成で滑り込んできた。白地に緑だから二子新地と高津に止まらない各駅停車だ。なぜ各駅停車が二種類あるのか意味不明。さらに通過駅のある各駅停車なんかますます意味不明。

とか言ってるうちに電車の前一両が大きくはみ出てしまった。これが大井町線名物ドアカット。九品仏駅では1両、戸越公園駅では2両が開かない。この二駅に用事がある場合は注意が必要である。

はみ出した一両目は何事もなかったかのようにドアを閉めたまま発車を待っている。

電車が止まっている間はもちろん踏切も塞がったまんま。素人目には何かアクシデントがあって電車が立ち往生しているのかと勘違いしそうになるが、これで正常運転です。

電車ははみ出しても人生まではみ出して鉄道自殺なんてするなよと言わんばかりに線路沿いに括られている新興宗教団体の機関誌がやけに気になる。

自由ヶ丘の華やかで甘ったるい街並みとは全く違っていて、九品仏駅前にはすこぶる地味な商店街が続いていた。住所は世田谷区奥沢、比較的お上品そうな世田谷区らしい住宅地となっている。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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