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八丁堀・新富町 (4) 湊二丁目の地上げ廃墟地帯<後編>

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バブル期の地上げ屋の暗躍によって街を滅茶苦茶に破壊させられたリアル北斗の拳状態の廃墟ゾーン「中央区湊二丁目東地区」。しかしそこに残された住民の生活はまだ続いている。そして、土地を守る為の戦いも今なお…

URによる再開発計画に反対する地域住民が玄関先に抗議のポスターを貼っているのが見える。「URよ、街を壊すな!」とあるが、既に街が地上げ屋に壊され放題になっている件。



未だに下町の生活がそのまんま残る路地裏。すっかり空き地だらけで土地が開けてしまい、陽の光が容赦なく当たる。遠くに見える高層マンション群は隅田川の向かいの佃島に建つセレブタウン。

再開発計画では、この土地に39階建ての複合ビルを中心にマンション街が建設される計画が立っているそうで、現在は土地所有者との取引段階。(→詳細

長年、開発業者に翻弄されてきた湊二丁目東地区も、ゆくゆくは対岸の佃島のような街と同じようになる運命だ。

歯抜け状態になった地区内の住民は殆ど立ち退いてしまっているようだが、製本工場のリフトが置かれている所を見るとまだ一部では現役で工場が動いているようだ。

かつての湊河岸とも呼ばれていた隅田川沿いには、紙業倉庫が並んでいて平日に来るとリフト車が頻繁に街を走り回っている。この細い路地を行ったり来たりしているようだ。

3階建ての店舗兼住宅。錆びたトタン板と煙突。銀座徒歩圏に存在している風景とはおおよそ見当も付かない。まるで鄙びた漁村のひとコマをそのまま持ってきたかのようだ。

空き地だらけの土地は一部が芝生の公園となっている。近所にセレブ向けのタワーマンションが乱立しているせいか、変わった犬種のペットを連れた飼い主が散歩している姿が妙に多い。

隅田川寄りの民家は比較的地上げ屋の攻撃から耐えているので、割とまともな下町風景が残っている。昔からそのまま続いているような個人の漬物工場もあって、作業中の主人がせわしなく勝手口から出入りしている。

漬物屋の路地に入ると見る事ができる一軒の廃屋の玄関先。表札に書かれているのは昔の京橋区湊町二丁目という地名だ。日本橋区と合併して中央区となる昭和22(1947)年以前の住居表示だ。もしかすると戦前の東京市時代のものかも知れない。まさかこんなものにお目にかかれるとは。
だがあと数年もするとこの地区全体が味気ない高層マンション街と化してしまうのかと考えると虚しくもなる。東京の街の新陳代謝はすこぶる激しい。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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