【小菅監獄】東京拘置所の周りをお散歩してきたよ(1)

東京拘置所。それは日本最大の刑事被告人収容施設。
1971年に豊島区巣鴨から葛飾区小菅に移転され、広大な敷地におよそ3000人の収容者が生活している。
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東武伊勢崎線の小菅駅で降りると、高架ホームの東側から、異様に威圧感を放つ巨大な建造物がある。


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2006年に完成したばかりの新舎房は地上12階、地下2階建て。建物自体がまるで要塞のような姿をしている。空から建物を見ると一辺が短い「アスタリスク(*)」の形である。
手前にあるのは拘置所で働く職員の官舎で、まさしく「監獄の隣」で家族ぐるみで生活している。
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そんな監獄の町「小菅」の駅ホームからは荒川土手と、その向こうにある北千住の街並みが見える。東側の重苦しい拘置所の建物とは一転、開放的な空間だ。
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小菅駅は東武伊勢崎線、北千住駅のすぐ隣に位置する。各駅停車しか止まらず、駅ごとの浅草~東武動物公園間における一日の利用者数も「堀切駅」に次いで少ない(5,455人、2007年度)。最弱駅二番手にノミネートしています(笑)
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各駅停車以外の列車は全て外側の線路を通過していくだけ。カーブの途中に駅ホームがあるせいか、走り抜けていく姿がなんだか颯爽としています。
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小菅駅の改札は一つしかなく、そこを降りると、やはりコンビニ一軒すらないという寂しい駅前であることがわかる。
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高架駅のため改札口はしっかりとした作りになってはいるものの、利用者が少ないためかエスカレーターは設置されていない。
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改札の目の前に申し訳程度に八百屋さんが店を開いている。改札からお客が降りる度にこの八百屋の前でチラホラと品定めをしている姿が見られた。駅周辺にアパートやマンションはあまり見かけず、恐らく昔からこの場所で生活している住民が多いといった印象だ。
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駅に張ってある東京拘置所への案内図通り、真上に首都高中央環状線が走る「平和橋通り」に出ると、これまた申し訳程度に酒屋やほか弁の店がある程度だ。
その道をしばらく進むと「東京拘置所前」と書かれた交差点に辿り着く。
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交差点には「日本保釈支援協会」と書かれた団体の看板が掛かっている。さすが拘置所のある町は違う。地獄の沙汰も金次第であり保釈金があるとないとで監獄から出てこられなかったりするなど人生はつらいよ(by車寅次郎)
そういえばこの場所だけなぜか葛飾区になっている。
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東京拘置所の正門からは入場できず、一般人は300メートル程先にある面会入り口から入る事になる。道沿いには古い煉瓦塀が並び歴史の重みをそのまま示している。
東京拘置所に一般人が入れる機会があるのは、拘置所の中に親類や知人が収監されている時くらいかも知れないが、なかなかアウトローな人生を送らないとそういう事態になる事もないだろう。ちなみに3名程度なら友人を連れて同時に面会ができるとのこと。
しかし実際に面会に訪れるのはスーツをバッチリ決め込んだ被告人の弁護士ばかりである。

道すがら何十年も放置されたままの廃屋があった。崩壊しかかっているのか建物の横から鉄の枠組みを設営して補強している。こういう街なので、あまりよそ者は住みたがらないだろう。
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東京拘置所面会入り口の手前にある小さな公園には、中高生がタバコを吸いながらたむろをして近隣住民に迷惑を掛けている旨の立て看板が掛かっている。さぞかし監獄の町には不良少年も多いようで。
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公園の脇から巨大な要塞が見える。
あの向こうでは娑婆の人間には誰も知る事のない日常が繰り広げられている。

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