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超下町!港区白金 (4) 清正公前交差点バラック

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東京の街は下町と山の手で大きく区分されている節があるが、その両方が斑模様に混ざり合った奇妙な街が港区白金である。台地の上はシロガネーゼの住む高級住宅街、低地には古くから続く町工場とアパートだらけの下町、ある意味散歩するのに飽きない土地である事は確かだ。
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再び南北線・都営三田線の白金高輪駅で降りる。
駅前から北里通りに入ると交差点の南側にまるで軍艦のようなごつい外観の団地が台地の上にそびえているのが見える。それが気になって、近くまで見に行く事にした。


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しかし団地の入口は残念ながら閉鎖されてしまっていた。老朽化の為だろうか、そういう素人考えを巡らせてみたものの、建物自体はそれほどボロくはない。変だと思って見てみると、実は民間の分譲マンションなどではなく「東京都白金職員住宅」という公務員住宅だったのだ。
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団地の敷地内は封鎖されていて見る事ができないので、仕方なく桜田通りから見上げるだけに留めた。手すりは寂れているが、建物の作りは頑丈で、いささか取り壊すには早いようにも見える。
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さらに14階建ての高層団地が続く。これも全て東京都職員である住民が退去済みで、今となっては巨大な廃墟だ。
この職員住宅は1969年から72年までに掛けて4棟が建設されたが、改修にあたって建物を見た所、そのうち1棟(第三住宅)に「アスベストが使用されている」という理由で、住宅そのものの廃止が2006年に決定されてから、現在この状態に至っているとの事。
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しかしこれだけ巨大な団地を解体するにもかなり時間が掛かるだろう。数年掛けて更地にした後、民間活用して恐らくは新しく高級タワーマンションでも建つのだろうが、それにしても気の遠くなるような話だ。
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いわくつきのアスベスト団地を後にすると、その先には清正公前交差点。片側四車線の桜田通りが丘陵地帯を縫うように走る様子は独特の都市景観を作り出している。こういう風景も東京ならではのもの。
桜田通りを直進すると五反田方面、右折して目黒通りに入ると白金台・目黒方面に抜ける。
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交差点の名前の通り、この近くには「清正公様」の愛称で知られる覚林寺という寺があるのだが、それよりも気になったのがこの交差点の真ん前に並ぶオンボロ家屋群の存在だ。
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手前には洋服直し屋の小さなバラック建築、奥にはやたら年季の入った中華料理屋。物凄いコンビネーションだが、こう見えても住所は「港区白金台一丁目一番」なのだから面白い。
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洋服直しバラックの横っ面を手前に桜田通り側を見る。背後のタワーマンションとのコントラストが極端過ぎる。周囲は歩道となっていて、この建物だけ孤立しているのが分かる。
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洋服直しバラックの隣が中華料理「新勝楼」。
まさか高級住宅街であるはずの白金台でこんなベタな中華料理屋に出くわすとは思わなかったというような外観の店だが、深夜3時まで営業していると書かれているし、都心のロードサイド店舗として定評がありタクシー運転手に常連が多いらしく意外に繁盛しているようだ。
しかしシロガネーゼはまず近寄りそうにない。
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路上駐車が目立つ新勝楼の店舗前も、これまた古いオンボロ民家が2棟続いている。
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そのうち一軒は建物周囲に鉄パイプが組まれている。老朽化で建物がヤバイのか補強しているような感じだ。確かに見た目にも相当ガタが来ている。
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オンボロ木造建築の一階部分は「精密螺子」と書かれた町工場。やはり白金は町工場が多い。特に目立つのがこうした古いネジ工場だ。
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2軒の木造民家の真ん中には裏手の勝手口に繋がる通路がある。戦後からまるで変わっていないような佇まいと、床のコンクリートブロックに年季の重みを感じる。
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建物の隙間を見上げると凄まじくノスタルジック状態。しつこいが本当にここの住所は「白金台一丁目一番」である。かつての白金ではどこでも見られた風景かも知れないが…
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その奥は、猫の楽園だった。
ある意味こいつらもシロガネーゼに負けないセレブだと思う。


>白金のセレブタウンへ

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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