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東京都北区赤羽 (10) 奇跡の水の豆腐屋

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JR赤羽駅東口を降りて目の前の道路を直進するとLaLaガーデンという小奇麗なアーケード付き商店街が続いている。
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常にオヤジ臭い空気が充満する赤羽の街の中でも唯一目新しい感じの商店街が連なっているLaLaガーデン。しかしよく見ると店舗構成も道端を歩く人々も下町仕様な事には変わりはない。
駅に近い方面はチェーン店系が多く、大して見所もないのでさっさと先に進む。この先に「みやこ豆腐」という凄い豆腐屋があると聞いてやってきた訳だが、何のことはない。例の赤羽漫画を読んで是非行ってみようという事になった訳である。


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何度かLaLaガーデンを通ってみて、最初は何の変哲もない商店街だという印象を受けたが、よく見ると怪しげなフェチビデオ専門店が隠れていたりとなかなか癖のある商店街であることが徐々に分かってきた。
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LaLaガーデン内でメジャーな商業施設と言えばダイエーだったりする訳だが、負けてはいないのがディスカウントスーパー「激安本舗」。野菜をはじめ生鮮食料品全般が確かに馬鹿安であり貧民大歓喜。お客さんには出稼ぎ外国人もやたら多くて大喜び。赤羽にこういう店は無くてはならない。
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その一方で、商店街内に校門がある一風変わったロケーションの「岩淵中学校」の建物もあり。人口減によるものか、つい最近になって閉校。隣の赤羽中学校と合併して赤羽岩淵中学校になったらしい。
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LaLaガーデンを抜けるとその先にも商店街が続く。住所は厳密には赤羽ではなく志茂に変わる。商店街の名前も志茂スズラン通り。微妙に廃れ気味な感じがしなくもない。
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志茂スズラン通り商店街の途中にあるファミリーマートの手前で右の路地に入ると、その先に一軒の豆腐屋がある。これが「みやこ豆腐」である。70歳を過ぎた店主の磯崎さんが一人で頑張っている、街の小さな豆腐屋なのだが…
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店の看板には思いっきり「美味しんぼ」のイラストが書かれているのである。ここで著作権云々とほざくのは野暮ったい。実際に美味しんぼに掲載されたことのある店でいわば作者公認店舗(たぶん)。しかしそれが7巻(1986年)というから、もう20年以上も昔の話なのだ。
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しかもそれだけではない。
「美味しんぼは絶対うそはつきません」とまで書かれた熱の込もりよう。よほど美味しんぼに掲載されたのが嬉しかったのだろうか。さらに上の張り紙を見ると、店主の豆腐に対する情熱がそこはかとなく感じられる文章が、ドバドバドバーっと書かれていて圧倒されてしまう。
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このみやこ豆腐で売られている豆腐や豆乳には「奇跡の水」が使われているのが何よりのポイントである。その奇跡の水とは、この土地の地下からこんこんと湧いて出てくる地下水の事だ。
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先代の姑が寺の住職のお告げを聞いて井戸を掘ってみたらミネラル分豊富な地下水が湧いて出てきた。それ以来姑から今の代にバトンタッチし、50年余りこの土地で豆腐を作り続けているそうだ。
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豆腐と豆乳を頂こうと思った訳だが、赤羽漫画を見て来た事を伝えると大はしゃぎ。目の前の家庭菜園に案内されてプランター栽培のあじさい畑を紹介されるのだ。
「これ全部、奇跡の水で育ったあじさいです」
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おまけに奇跡の水で育ったクレソンまで…
「持って帰ってね」と唐突にクレソンの葉をむしり取ってビニール袋に詰め、無理矢理貰ってしまった。
磯崎さんの手や顔を見させて頂いた訳だが、さすがに奇跡の水効果なんだろうか、御年73歳というが非常に若々しい。論より証拠を見せつけられる。
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挙句の果てには奇跡の水で育った鯉まで見せてくれる始末。奥の作業部屋の水槽まで案内されるやいなや、そこには丸々と太った巨大な鯉がここぞとばかりに元気に泳ぎ回っている。
まるます家で鯉の刺身を食ってきたばかりなんですが、店主の磯崎さんの鯉に対する溺愛ぶりに居たたまれない気持ちになりそうです。ちなみに鯉は2匹いて、タロウくんとまるちゃんという名前が付けられている。
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家に帰った後、みやこ豆腐でゲットした豆乳とクレソンで、豆乳クリームパスタを作った。豆乳は思ったよりも薄味だが、漏れなく奇跡の水入りという有り難い豆乳なので、まあ大目に見よう。あと、話に夢中になりすぎて豆腐も買うのを忘れてしまっていた(一説によると豆腐を買うのに30分くらいかかるらしい)
豆乳を買う場合は持ち帰り用の瓶も一緒に買う羽目になるので気をつけよう。
なお、店主の磯崎さんは跡取りが居ない事もあって当代限りで店を閉めるという話を聞いている。早い目に本物の豆腐の味を確かめに行くべし。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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