記事を人に教える

世田谷区桜新町 (3) 駒沢給水所配水塔

記事を人に教える

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

東急田園都市線桜新町駅から東へ徒歩5分程度、世田谷区弦巻二丁目の一角に大正時代に建造された「双子の給水塔」が現在も残る場所がある。旧渋谷町へ多摩川からの水を供給するために作られたものだ。

桜新町駅前から続く道を歩いて東電世田谷前交差点を北に入る。角に古風なお茶屋や米屋があるのでそれを目印にすれば良い。



その給水塔がある場所が現在も東京都水道局の管理地になっていて普段は中に入る事が出来ない。ただ、年に一度の10月1日「都民の日」に地元団体である駒沢給水塔風景資産保存会主催の見学会が開催されていて、予約をすれば敷地内に入れるようだ。

双子の給水塔がそびえるのは「東京都水道局駒沢給水所」という施設。現在でも震災時など非常事態の時に水の供給が出来るように応急施設として置かれている。

敷地の入口からでも巨大な給水塔の建物を視認することが出来る。あくまで遠くから見るだけしか出来ない訳だが。

駒沢給水所の敷地に沿って歩くと、双子の給水塔についての設立経緯が記された碑文が置かれている。大正13(1924)年3月に作られたという塔は、建設中に関東大震災に遭ったものの殆ど被害が無く、当時の豊多摩郡渋谷町(今の渋谷区)に水を供給し続けられたそうだ。
給水塔自体は1999年に役目を終えて使われていないが、だからと言って廃墟という訳でもなくしっかり管理されている。

双子の給水塔をなるべくしっかり眺めようと住宅街に入って場所探しを行う事になる。給水所の敷地内に大輪の花を咲かせた栗が大量に植えられているせいか辺り一面が何とも言えない卑猥な香りに包まれていた。水道施設の塩素の臭いではない。加爾基精液栗ノ花。椎名林檎のサードアルバムである。

給水所の前の住宅街に阻まれて外部から双子の給水塔の全景を拝む事はほぼ不可能に近い。高さ30メートルというのでビル7~8階分に相当する。出来た当時にはかなりインパクトの強い建物であったことだろう。

2つの給水塔の間はトラス橋で結ばれている。さすがに80年以上の建物だけあって所々錆びていたりして老朽化が垣間見られる。

トラス橋の中央2ヶ所にも昇降出来るよう階段が設けられているが、やはり見た目にヤバい。
どうしても双子の給水塔の全貌を見たい気がするが、その為には近くのマンションの管理人に許可を取るくらいしか方法がない。もしくは10月1日の施設見学会に応募するかだ。

2つの円形給水塔に装飾電球が等間隔に12個配置されている。その姿を見て双子の王冠のようだと形容されることもある。6月1日からの一週間だけ、水道週間ということで特別に点灯される時期があり(日没から午後10時まで)その機会を見られるのは貴重である。

実はこの給水塔から桜新町駅方面に道路が伸びているのだ。駒沢給水所に続く水道管が地下に埋め込まれていて、多摩川河畔の砧浄水場で取水・浄水された水をポンプで送っている。
現在も東京都水道局による駐車を禁ずる看板が掲げられている。

水道局の看板も目新しいものもあればサビだらけでボロボロのものもあり。その歴史の重さを物語るかのようだ。

この道がちょうど駒沢給水所方面から桜新町駅への近道になっていて、結構人通りが激しい。水道道路の先には給水塔の王冠が遠くに眺められる。

The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

記事を人に教える

スポンサーリンク
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.