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江戸川橋界隈 (1) 文京区なのに江戸川橋

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地下鉄有楽町線に乗って、江戸川橋という駅で降りた。文京区にあるのになぜか「江戸川橋」と名前が付いた駅は、現在の東京東部に流れる江戸川とは関係がなく、かつて神田川中流域が江戸川と呼ばれていた事に由来している。
地味で存在感がなさそうな街なので今まで何事もなくことごとく見過ごしてきた訳だが、なんの気なしにふらふらと歩き回る事にした。

江戸川橋駅の南東側が地蔵通り商店街というちょっと下町風味な商店街になっている。商店街を挟んで新宿区と文京区の境目が広がっているが、商店街の大部分は文京区側に入っている。
神田川の南側にあって、山の手なのか下町なのかよく分からないポジションである。



平日などにこの商店街にやってくると、頻繁に商店街のど真ん中を行き交うフォークリフトの姿が見られる。
小石川もそうだが、ここ関口界隈も含めて文京区の下町ゾーンは印刷業の中小零細工場が密集しまくっている。東大や早稲田といった教育機関に近く、教科書をはじめ出版物を印刷する工場が昔から多い。印刷工場のフォークリフトはある意味隠れた文京区名物の一つ。

忙しなくフォークリフトが走り回る地蔵通り商店街。普段は地元民の買い物場所となっているだけで至って閑静でこれといった特徴もない。スーパーが新宿丸正なのは、新宿区寄りな土地柄だからか。

殆どが個人商店ばかりでしかも庶民向けの店が多い事から、商店街の客層は周辺の印刷工場で働く労働者やサラリーマンがメインであるように思われる。かたや神田川の北側に控える小日向台や関口台などは高級住宅街で、街並みは斑模様。

そんな街だけあって、山の手にありがちなオシャレなカフェが立ち並ぶ風景というのは程遠い。地味に韓国料理店まで並んでいる。

地下鉄の駅を降りた真ん前がここ江戸川橋交差点になる。ここから新目白通り、神田川を挟んだ北側に入ると、護国寺に至る音羽通りの両側に台地が迫る独特の街並みに変わる。

音羽通り東側に入る。路地裏からは背後に迫る小日向台の崖線が続いているが、その路地への入口にはどこかで見た事のあるようなビデオ制作会社のオフィスが見られる。それはエロビデメーカーの桃太郎映像出版である。
出版業の多い土地柄だがエロビデ屋も何気に潜んでいるのが江戸川橋クオリティ。

そんな桃太郎映像出版さん、テレホンオペレーターを急募とのことです。電話での商品案内、女性も多くアットホームな職場です。男どもに夢を売る素敵な仕事ですね。わかります。

そんなエロビデメーカーのオフィスを横目に音羽谷の路地裏を散策する。戦前から残っているような住宅街がそのまんまの姿を留める場所もちらほら隠れている。

音羽谷の底に沈むように存在している「今宮神社」。生類憐れみの令で有名な徳川綱吉の母(桂昌院)の発願で、護国寺建立に併せて京都の今宮神社より分霊を迎え鎮座。明治初期の神仏分離で現在地に移転。この神社の周りを小日向台の住宅地が取り囲んでいる。

今宮神社の下から小日向台方面に登る八幡坂。鳩山会館北側の鼠坂も相当なものだが、ここも容赦なく高低差がきつい。軽く登山道状態と化している。

坂道はさらに左に折れて先へ続く。高級住宅街と低地を分断する、まさに自然の要塞とも言える姿を留めている。

上まで登り切ると、音羽谷の上と下ではおよそ20メートル程の高低差があると思われる。宅急便のお兄さんがゼエゼエ息切れを起こしながら荷物を抱えて坂の上に運びあげている最中だった。車も入れない場所で、宅配業者泣かせだ。

その向こうは小日向台町の住宅地。ちょうど鳩山会館の裏手に続く細道が伸びている。さっきの宅配業者と息を切らしながらすれ違った。仕事とは言えご苦労なことである。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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