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江戸川橋界隈 (2) 音羽御殿「鳩山会館」<前編>

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文京区音羽と言えば、音羽御殿と呼ばれる政治家鳩山一郎氏の邸宅であり、同時に鳩山家の華麗なる一族っぷりを庶民の我々でも見学出来る資料館「鳩山会館」が存在している事で知られる。

折りしも日本の政治情勢が、鳩山一郎氏の孫の鳩山由紀夫氏に総理大臣の座が回ってきたもののわずか8ヶ月で「国民が聞く耳を持たなくなった」と途中辞職しちゃうという、政権交代後もお粗末極まりない茶番劇が報じられる直前、せっかくだし噂の鳩山会館を見学しちゃおうと意気揚々に音羽の地を訪れていた。



玄関には鳩山邸であることを示す表札も掲げられている。2009年9月の鳩山由紀夫政権発足後は観光バスの訪問が爆発的に増加して、鳩山会館の来客数が従来の5倍になったなどと言われている。しかしそんな友愛政権も束の間に終わってしまった。

鳩山会館の玄関は音羽通りに面しているが、邸宅は延々と坂を登った上にある。訪問者は坂を徒歩で登らされる事になる訳だが、まず我が身を持って鳩山邸の豪華さを体感する事になる形だ。
それにしても玄関には鳩山邦夫氏の長男・太郎氏のポスターが貼られていた。世襲政治は続くよどこまでも。

いざ鳩山会館に入館する前に、その隣の民家がかなり異常な状態になっているのを見逃す訳にはいかない。何らかの原因で空き家になってしまったようだが、玄関口がえらいことになっている。

そこには大量のガラクタが山積みにされていて荒れ放題になっていたのだ。その奥には開いた傘で築かれたバリケード。人が住んでいる気配がする。華麗なる一族・鳩山会館の隣はホームレスの野宿場所になっているようなのだ。唖然。

廃屋の奥に目をやるとガラクタに混じって食器類が乱雑に置かれているのが見える。
音羽界隈と言えば高級住宅街が立ち並ぶといったイメージが先立つものだが、池袋方面から首都高高架下を中心に住み着くホームレスの数が殊の外多い。

鳩山会館玄関に隣接する壮絶な光景を排除もせずそのままにしているのは鳩山一家の友愛の精神の現れなのだろうか、それは定かではない。

気を取り直して音羽御殿への道を登りはじめる。徒歩で登る事になる坂は桜並木。春になるとさぞかし綺麗な事であろう。奥の駐車場には観光バスが何台か止まっていた。鳩山政権発足後は本当に観光客が殺到しているようだ。

坂を登り切ると現れる世間離れした洋館が「鳩山会館」。戦前の1924年(大正13年、関東大震災の翌年)に鳩山一郎氏の私邸として建造されたものがそのまま記念館に使われている。

邸宅玄関上の2階部分のバルコニー上部の壁を見ると中央に牡鹿、両側に二羽の白鳩が飾られているのが見える。鳩がシンボルマークとは、さすが鳩山御殿だけのことはある。

華麗なる一族、鳩山会館の邸宅玄関を入るとそこには大理石で作られ赤絨毯が敷かれた階段が現れる。この時点でもう完全に個人の邸宅の次元ではない。
階段を登った先に入場券を買い求める窓口があり、そこで貧富の差を問わず大人一名500円の入館料を支払い中へ入る。お金を支払う必要があるのは、ここが公的施設ではなくあくまで鳩山一族の私邸であるからだろうか。

館内に入ってまずは2階へ続く階段を登っていく事にする。赤絨毯が伸びる階段を踏みしめると、見えてくる踊り場に飾られたステンドグラスには京都を思わせる山と五重塔、空に浮かぶ雲と鳩が描かれている。大正末期に作られた建物とは思えない豪華さが随所で見られる。

2階の大広間はかつて鳩山一郎邸だった時に寝室3部屋の間仕切りを撤去して改装されたもの。床がツルツルになっているが、フローリングを傷つけない為に踵の細い履物での入室はダメと注意書きが掲示されているのだ。
カーテン越しに窓から見えるのは庭のバラ園。つくづく浮世離れした空間。
他にも2階には鳩山一郎氏、妻の薫氏、長男である威一郎氏(鳩山由紀夫、邦夫両氏の父)の3名の記念室があり、これらは撮影禁止。特に一郎氏の記念室には一郎氏本人の運転免許証や議員時代の給与明細、しかも本人のデスマスクまでが展示されている。

大広間の正面には鳩山一郎氏直筆の「和貴為」(和を以て貴しと為す)の書が飾られている。
ちなみにこの鳩山会館には「ゴスロリ服での入館禁止」というちょっと変わった規制が敷かれている。以前某ゴスロリファッション専門誌に「ゴスロリ服が映える撮影スポット」として鳩山会館が紹介された事があって、所謂ゴスロリの聖地のような状態になってしまったことがあるらしい。
ゴスロリ服集団が三脚を立てて館内を占拠、トイレを着替えの場所に使われたりして、一般客に迷惑を掛けまくる事から「ゴスロリ禁止」のお触れが出たらしい。笑える。
参考ページ
【社会】”迷惑なゴスロリ禁止!” 政界の名門”鳩山”御殿で、入館規制実施

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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