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大森・梅屋敷界隈 (2) 老舗甘味処「福田屋」

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梅屋敷駅から東通り商店街を経由して産業道路の弁天神社前交差点までやってきた。
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その先にも、商店街と言える程のものでもないが店が連なる風景が続いている。そして梅屋敷駅との間を頻繁に自転車で行き来する人々の姿もある。この向こうが所謂「大田区らしい下町風景」が見られる地域。細い路地に木造住宅や町工場が密集する。


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古びた酒屋、美容室、散髪屋などが住宅に混じって点在する路地、その奥は呑川緑地を挟んで大森の最奥部、森ヶ崎へと続いている。
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そんな下町の一角にひと際政党ポスターだらけのカオスな外塀と、その向こうに地元民の談笑する声が響く、ちょっと懐かしい空間が見える。
「福田屋」という老舗の甘味処だ。
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玄関口には大きな「氷」の暖簾がある。持ち帰り客用の窓口も隣接しているが、客の多くは店の中で食っているようだ。完全に昭和の置き土産的存在な店である。ひとまず長い道中で喉を潤したかったので、店に入ってみることにしよう。
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店内に入るとこれまたタイムスリップぶりが凄まじい。古びたテーブルや椅子、店内の様子はまさしく昭和30年代のそれ。創業80年以上という超老舗で、大森の地元民は親子三代に渡って馴染み客であることも何ら珍しくない。
開けっ放しの玄関口、店の中にはブンブンと威勢よく蠅が跳び回っているが、そんな細かい事は無問題。潔癖志向のスイーツ女子にはちと抵抗ありか。むしろ東南アジアの大衆食堂にでも来たような気分である。
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で、福田屋のメニュー表がこれ。ヤバイくらいに安い。一番高いクリームみつ豆、氷アズキ辺りでもたったの250円である。銭儲けなどこれっぽっちも考えていない良心的価格。
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安いからと気が大きくなって、つい大量にオーダーしてしまった。
左からクリームあんみつ、氷ミルク、ところ天。
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さらにお雑煮、そしてくず餅まで頼んでしまった。これだけ食っても千円で釣りが来る。どれも素朴で、超旨いという程のものでもないが、口に入れるとなぜか心が安らぐ。やっぱり日本人ですよね。
地元民も何か口寂しければ福田屋に寄り付いて、家族ないしカップルで甘味を食いにやってくる。全くもって普段遣いの店。ちなみに冬場にやってくると今川焼も扱っている。
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裏庭と池を眺めながら優雅に甘味を啜り鋭気を養った後、また散策を再開するとしよう。
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ここまでやってくると街の風景もどこかしら田舎臭くなってくる。区画整理されていないのでどこの道を歩いても東西南北がまっすぐではない。地図片手に歩かなければ結構大変な目に遭うので注意。
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そんな中で古い商店の建物が随所に残っている。「銅森」と屋号の残る商店、かつては金物屋か何かだったのだろうか。
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その先には住宅街にぽつんと空き地が出来てしまっている。ちょっと前までここに鉄工所があったはずだが(グーグルマップで確認)、取り壊されて無くなっている。
不況のしわ寄せは末端の零細工場にやってくる。リーマンショックの余波を受けて資金繰りが悪化してしまい最近になって廃業した町工場も多いようだ(→詳細
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古い民家も非常に多い訳だが、この界隈までやって来るといよいよ全面トタン葺きの素敵な家屋が珍しく無くなってくる。場末の下町にはトタン板が実によく似合う。
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さらに旧呑川緑地を渡ると大森の最奥部・森ヶ崎に至る道へと続く。その手前にも前の浦商店街という聞いた事もない地名の商店街が現れる。東京って実に広いですね。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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