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零細町工場密集地帯・大森南「森ヶ崎」 (3) 羽田可動橋

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大森の果ての森ヶ崎という土地までやってくると、目の前には羽田空港島が迫っている。昔は森ヶ崎鉱泉があった保養地、さらに海水浴場まであったというような場所が、今では町工場と空港といった油と鉄の臭いに満ちた街のシンボルに変わってしまっている。
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で、森ヶ崎の最果てである呑川河口までやってきた。大森第一中学校の裏手に、海に出られる道がこっそり続いている。


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中学校の裏側に回ってみると舗装もされていない草ボーボーのなんだかお粗末な公園の入口がある。こんな場所まで好き好んでやってくるような奴もなかなかいないだろう。
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しかし「都立大森緑道公園」というれっきとした東京都の管理する公園となっている。公園の名前が書かれた柱の下半分が雑草に隠れてしまっていた。かなりのほったらかされっぷりである。
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都立大森緑道公園は東京都が制定した「武蔵野の路」ウォーキングコースの一つになっているらしくこんな案内看板が掲げられている。大森や羽田を武蔵野の路と言われても、今一つピンと来ない。確かに旧武蔵国だが、武蔵野と聞いたらどうしても東京の西側を思い浮かべてしまう。
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呑川は河口部分で海老取川と合流、すぐ対岸には羽田空港島が迫っている。空港会社のロゴが入った倉庫や建物が見えるので非常に分かりやすい。目の前の海では何人か釣り人がじっと暇そうに座っていた。
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そういえば、この付近で船上生活を送りながら犬数十頭を飼育していたという有名なホームレスが居た。空港島の一角に船の墓場をこしらえて、そこで犬を連れて生活していたというのだ(→詳細

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しかし現在は立ち退いてしまっていて形跡を伺う事も出来なかった。度々飼い犬が空港の滑走路に乱入したり、船の墓場を撤去するのに数千万円の費用を行政に負担させるなど、散々な迷惑行為の末、今ではその痕跡は見当たらない。
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それよりも現在この場所で異様な光景を見せているのが、無用の長物と化した高速道路の可動橋の存在。しかも橋自体が回転したまま道が繋がっていない。もし車が通りがかったら海に落ちてしまうが、当然のごとく通行止めになっている。
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この意味不明な橋を正しくは羽田可動橋という。首都高湾岸線開通前にメインルートだった羽田線の渋滞緩和のために作られた橋で、1990年4月に使用開始されたが、湾岸線開通で需要が減ってわずか8年後に使用停止となる。
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海老取川河口に架かる橋は10年以上全く使われていないにも関わらず取り壊しの予定はない。羽田空港拡張後の交通量増加に対応すべく、撤去せずに置きっ放しにしているらしい。
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橋の可動部分を見ると、可動橋の構造物が海面から突き出ている。回転式の可動橋はかなり珍しいという。海老取川の大型船の通行と、遅い大型車がトンネルの勾配を通行する事で起きる渋滞を考慮して、なるべく勾配の少ない形で高速道路を敷いた結果こうなったらしい。
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羽田可動橋の先には「小菅 浦安」の案内看板が見られる。ここが首都高の一部である事が理解できよう。
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可動橋の橋脚を見るとこれ見よがしに珍走団が記念カキコ。こんな場所柄、夜中にもなると格好のヤンキーの溜まり場になるのだろう。
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歩道の落書きの凄さを見てもヤンキーの多さがよく分かる。地元大田区だろうか、それとも川崎あたりのDQNか、もしかすると「怒羅権」の一味だったりするのか。東京23区で珍走団は既に化石だと思ったら案外そうでもないのだ。
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人通りもない不気味な緑道は、東京労災病院前に続くまでの600メートルの間全く逃げ場がない。変質者が来たら怖いな。自ずと早足になってしまった。
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場所柄、もっとホームレスの巣窟になってもおかしくないような気がしなくもないが、全然そういう人々が居ない所からしても、この辺はやっぱり危険地帯なのかと思ったりして。そして船上生活ホームレスと犬達はどこへ消えたのだろう。今となっては分からない。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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