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サラリーマンとホームレスの楽園・新宿中央公園 (1)

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大都会東京の顔ともなった西新宿副都心。天下の東京都庁を眼前に控える土地に、新宿中央公園という身近なビジネスマンのオアシスがある。
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新宿中央公園の前の広い車道は、毎年春先に行われる石原マラソンもとい「東京マラソン」のスタート地点でもある。まさに東京都の表の顔と言えるべき摩天楼がそびえる副都心の眼前に広がる公園が、東京有数のホームレスの聖地という裏の顔を持つ事は、新宿に勤めるサラリーマンにはよく知られた事だ。


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現に東京都庁西側や新宿中央公園を中心とした道路脇の人通りの少ない場所には至る所にホームレスの掛けた小屋や彼らの荷物が剥き出しのまま置かれた場所をそこかしこに見かける。
新宿全体を見ても戦後からホームレスだらけの街だが、新宿中央公園界隈のホームレス村は西新宿副都心の開発に伴ってひと目のつきやすい都庁への連絡地下道などから追われて都庁の西側一帯に移動してきたものだ。
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巨大な都庁の建物を眼前にする新宿中央公園入口の広場。平日昼間は場所柄もあって近所の超高層オフィスから流れてくる大量のオフィスワーカーの休憩場所となる。
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正面には新宿中央公園でお馴染みの光景でもある人工滝「新宿ナイアガラの滝」が公園という空間に人工的ではあるが自然の安らぎと演出している。
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しかしその様子を見てみると、スーツ姿のサラリーマンに混じって、どう見てもオフィスワーカーには見えない地味な服を着て寝っ転がる浅黒い肌をしたオッサンがちらほら。新宿中央公園はサラリーマンとホームレスが共存した世にも珍しい都市公園だ。
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広場の隅はベンチが置かれてはいるが、その多くがホームレスの荷物によって遮られている。勿論公園内の注意書きには公園施設の占拠をやめるようにと張り紙もあるが、ホームレスは我が物顔だし、毎日休憩に訪れるサラリーマンもそんな彼らに哀れみのようなものを持っているのか、誰も文句を付ける事はしない。
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とりたててやるべき事もない暇なホームレスさん達、昼間から仲間で集まって猫も連れて思い思いの休日を過ごしている。彼らの生業は空き缶やダンボール、古雑誌などの回収である。新宿という大都会が彼らの生を辛うじて繋ぎ止めている。だが仲間に見せる彼らの楽観的な笑顔に悲壮感は感じられない。
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彼らはホームレス生活の中で彼らなりに楽な過ごし方を考えているようだ。ダンボールを重ねてベッド代わりにして、巨大な雨傘は昼間の強い日差しを避ける日除けに使い、荷物を収納するカートは枕代わり。
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あまつさえ公園の中で自炊までやっているようで、ざるに乗ったレタスが唐突に天日に干されている。夕飯のおかずにでもなるのだろうか。なかなかワイルドである。
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彼らはちゃんと自炊の為の食器や調味料、水なども確保している。天下の東京都庁の足元で日々繰り広げられているホームレスの日常。
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時折新宿中央公園の広場はホームレス支援団体によるバザーや炊き出しといったイベントが開催される。東京では上野公園、山谷、隅田川、代々木公園などとともにホームレスの聖地として知られる場所だ。常識の世界に生きるサラリーマンの日常とは隔絶された、もう一つの東京の姿がそこにはある。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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