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花街の痕跡・四谷荒木町 (1) 杉大門通り

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花街の名残りを辛うじて留めている新宿十二社界隈、それに井の頭池近くの連れ込み旅館街、東京の各所に昔ながらの色街は地味に残り続けている。
四谷にも同じように三業地があり花街として栄えていたという荒木町に訪れる事にした。
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最寄りは地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅。駅を降りて地上へ上がると交差点北側の外苑東通り沿いには名物とも言えるスーパー新宿丸正のどでかい看板が雑居ビルに掛かっていて、そっち方面に歩いて行くと荒木町である。


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外苑東通りから東側に入ると古い石畳の路地が現れて、早くも風情がにじみ出ている。荒木町の花街は、すり鉢状に窪んだ谷地の底に溜まる「策(むち)の池」を中心に料亭や茶屋が並んでいた。
この界隈は昔の松平摂津守上屋敷跡で、ほぼそのまま荒木町の町域と重なっている。
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石畳の路地は奥に行くと数段の下り階段が控えている。ここから策の池にかけて窪地となっていて坂や階段だらけの街並みが続き、飲食店や料亭がひしめいている。
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策の池に向かう手前に杉大門通りという商店街が外苑東通りにほぼ並行している。商店街というよりは飲食店街だ。「大門」という言葉に遊郭のそれを連想しそうになるが、全勝寺の門前町に杉並木が連なっていた事に由来しているだけである。
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商店街入口に置かれた地図。いかにも大人の街といった雰囲気が全開である。花街だった荒木町の系譜を今に辿っているかのようだ。
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そんな場所柄だけに所謂「隠れ家的」な酒場が大勢を占めている。周囲はオフィス街でもあり丘の上には高級住宅街、谷底に下町臭い長屋が斑に広がっている場所で、至近の騒がしい新宿の歓楽街とは一線を画した街だ。
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相当年季の入ったボロ屋敷もあるが、なんとなく小奇麗なスナックが入居していたりとどこかしら上品さを匂わせる。
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こんな場所でも平日昼間は結構な数のサラリーマンが街へ繰り出すので、それなりに飲食店もランチサービスで客の囲い込みに熱が入っているようだ。
杉大門通り周辺はすり鉢状の窪地の外にあるため、総じて道が平坦である。
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杉大門通りからもう一本内側にも飲食店が連なる裏通りが隠れている。狭い路地裏だが、柳新道通りという名前がついている。さらにもう一本内側に入ると車力門通り。
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柳新道通りに出ると飲食店だけでなく思いの外ボロアパート系物件も多数残っている。通り一本隔てると街並みが全然違って見える不思議な一帯だ。
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新大久保あたりではうじゃうじゃ見かける韓国料理屋や中華料理屋も四谷荒木町では少数派である。
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策の池へ至る道は車で通れる一ヶ所を除いて全て階段から坂を下らなければならない。そのうちの一つの坂の入口にはビビンバ食べ放題500円ランチで堂々売り出し中の韓国料理屋の看板がある。
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結構な高低差のある階段を下りながら韓国料理屋を横目に谷底へ降りて行く。
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東京山の手には複雑に入り組んだ谷戸地形に沿って坂道や階段が多く存在する街だが、ことさら荒木町一帯は周囲四方を取り囲んだ窪地に広がる、かなり特異な街並みになっている。
谷底まで一気に降りた後は、荒木町のシンボル的存在である策の池に目指していく事にしよう。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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