全然お洒落じゃない裏・青山通り散策 (2) 地上げ問題

表参道駅を降りて青山通り沿いに外苑方面に歩いて行くと、古い公団住宅に混じって不自然な空き地が広がっているのが見える。
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厳密には空き地ではなく両側をコインパーキングに占められた路地が続いているという場所である。港区南青山3丁目10番。がらんどうの土地の向こうには六本木ヒルズの摩天楼が広々と見渡せる、ちょっとした都会のエアポケット的な場所だ。


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実はこの一帯はUR都市機構が建設用地である旨の看板を掲げている事からして、再開発用地であることは容易に窺えるのであるが、南青山という一等地のど真ん中という特殊事情が絡んで、地上げ問題で暴力団が絡んでどうしようもない泥沼状態に陥っているというのだ(→詳細
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丘の向こうの六本木ヒルズよろしく、この土地も大規模に再開発されてお洒落な複合ビルに生まれ変わる予定だったらしいが、バブル期から長らく地上げ屋や暴力団の介入のごたごたで地権者が複雑に絡み合い再開発計画は頓挫、挙句の果てにこんな痛々しい風景が残っている。
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問題の土地を分断するように続く路地は生活道路に使われているせいか通行人の数は非常に多い。コインパーキングになっている敷地の鉄柵にはUR都市機構事業用地と明示された看板が掛かっていた。
URもこの土地の問題にお手上げで、虫食い状態のまま土地を手放す事となったと報じられているが、買い手が付かないせいか未だにそのままである。
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そんな曰く付きの土地のど真ん中に立ち尽くす蔦まみれの一軒家。どう見ても人が住んでいる様子のない廃屋だが、この土地の因縁深さを物語るかのように存在している。
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この家も何年放置され続けてきたのか分からないくらいにほったらかされているのだ。渋谷という土地柄だろうか、蔦の葉が生えていない窓ガラスの隙間には容赦なくタギングの洗礼を受けている。
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現在この土地にはUR都市機構が所有する虫食い土地の他に、外資系ファンド「サーベラス」傘下の不動産会社を始め様々な業者が土地売買に絡んでいるそうだが、とにかく話がややこしすぎるので関心のある方は各自調べて頂きたい。
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廃屋の前にはなぜかパソコンやプリンターなどの周辺機器が一緒に捨てられていた。
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周囲はオフィスビルも数多く立ち並ぶような場所だけにこの土地が動けば数百億もの金が動くとか。ヤクザな方々に目を付けられない訳がないと言われてきたような土地なのだ。
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見た目にもヤバイし経緯について調べるとかなりヤバイ、東京を代表する地上げ問題に揺れる南青山3丁目界隈。こんな場所でも市民生活は隣り合っている訳ですが…
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それにしても、UR都市機構の再開発に絡んだ地上げ問題はここだけでなく、中央区湊二丁目にも存在している。一体どういう事なのだろうか。
参考ページ
複雑な権利関係、脅迫事件などいわく付きの東京 青山一等地 URまとめ切れず虫食いのまま売却へ
南青山3丁目は無法地帯?関係者名公開中・・・・
隣地は倍でも買え、という言葉 – ネットゲリラ

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