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渋谷・東急百貨店東横店屋上

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今年2012年で開設4年目を迎える東京DEEP案内であるが、初心に返ってメジャーな街を振り返ってみようという事で見慣れたはずの渋谷の街をだらだら観察していた。むしろ見慣れているからこそ見落としてしまう街の側面に気づく事があるかも知れない。

世界的にも有名な日本の交差点として不動の地位を譲らない渋谷のスクランブル交差点、外人から見れば「なんでそんな人だらけなのにぶつからずに歩けるんだよ」と不思議がられる場所らしい。その真ん前に建つ老舗デパート、東急百貨店東横店が今回の目的地である。



渋谷駅を降りる人々は皆一様に目の前のスクランブル交差点を渡りその向こうに広がる渋谷センター街へと繰り出す。とりわけ土日の夜などに来ると夜遅くまで人混みが途切れる事もない、これだけ人口密度が多い繁華街は日本中探してもここしかなかろう。

しかしそんなスクランブル交差点の真ん前に建つ東急百貨店東横店の中はというと、意外と見過ごされている感がある。東急東横線が開業した後の昭和9(1934)年に渋谷川の暗渠の上に建てられた現在の東館にて創業し、以来80年近くの歴史がある。

戦後の昭和29(1954)年に西館が、さらに昭和45(1970)年に南館が増築されて現在に至るのだが、そのうちの東館と西館は屋上が繋がっていて、意外にもベタなデパ屋遊園地が現存している。年季の入った百貨店の階段を屋上まで登っていくとその先に「チビッコプレイランド」が広がってるよ。

小人のおじさんの案内に従って屋上の一角へ行くとそこには遊園地があった。絶滅危惧種のカテゴリーあるデパ屋遊園地だがどっこい渋谷のど真ん中には残っているのだ。

とは言ってもやってきたのが夜だったのでちびっ子どころか人っ子一人いませんでした。確かに子供向けの乗り物が多数置かれた、いかにも昭和の時代を引きずるかのような空間が目の前に広がっていた。

中央に設けられた広場はゴーカートコーナーになっている。きかんしゃトーマスやらアンパンマンの格好をした車がお子様連れを待っているのだ。

しかもしっかりドラえもんやポケモンも居るオールスター勢揃いっぷり。ガキンチョ大歓喜。渋谷は道玄坂円山町のイメージで大人とマセガキの遊園地とばかり思っていたのによもやこの展開は想像して居なかったですよ。

そしてデパ屋にはお約束の屋上お稲荷さんまでちゃんと鎮座している。その名も「東横稲荷神社」。お稲荷様が遊園地の隅でひっそり土地の安泰を支えている。

現在はJRの線路を跨ぐ東館と西館との間に連絡通路が設けられているのだが、東館と西館の前身だった「玉電ビル」との間を結ぶ「空中電車ひばり号」なるお子様用ロープウェイが戦後の一時期この場所に架かっていたという(→詳細)。
デパ屋とは先祖の時代からずっと子供に夢を与え続ける存在だったのだ。ネズミーランドが出来る前から。

連絡通路を渡って西館に来ると、その屋上はイマドキの渋谷らしくフットサルコートになっていて、なんとも健全な光景が広がっておりましたとさ。宮下公園がナイキ化したように東急百貨店の屋上もアディダス化してしまったらしい。
ちなみに以前西館には落語や演劇などが行われていた大劇場「東横ホール」があったが、これも時代の流れに逆らえず消えてしまったようだ。

そんな「アディダスフットボールパーク渋谷」の敷地を抜けて屋上の空間から外を眺めると、金網越しにお馴染みのスクランブル交差点が眼下に眺められるのであった。

結構背伸びしないと下の雑踏には視線が届かないのだが、確かにスクランブル交差点やらその先の渋谷センター街の入口あたりが見られる。

ネオンサインに彩られる谷底に開けた渋谷の繁華街を一望出来る東急百貨店の屋上、一度は訪れる価値があろう。
東急百貨店東横店は老朽化した東館を2013年3月末にて営業終了させる事を発表している。恐らくデパ屋遊園地もその時までの寿命であろう。風景が見納めになる前に、早めの訪問をお勧めしたい。

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東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
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