【草加市】「新田ふれあいロード商店街」が全然ふれあっていない件

草加市

浅草・北千住から埼玉県東部の微妙な街とを繋ぐ「東武伊勢崎線」の草加市区間の中で最も北側にある駅「新田」で降りた我々取材班。当初は「新田横丁」という駅東口の場末飲み屋街を探索する目的で来たのだが、駅前からまっすぐ伸びるメインストリート的商店街も結構アレな感じだったので、ついでにうろついてみることにした。

その名も「新田ふれあいロード商店街」。新田駅東口から旧日光街道(県道49号線)金明町交差点までの約250メートル足らずの区間を結ぶローカル感漂う商店街である。しかし電柱広告が「アデ川質店」ばっかりですね…草加、足立、越谷に複数店舗を抱える質屋。こういう地域だからこそ流行る商売ですな…

商店街の入口に立つも、そこを歩く買い物客の姿は見当たらない。寂れてんな~という印象しかしないわけだが、同じ新田駅の西口には商店街らしきものもなく、駅前商店街らしい場所といったらここくらいしかない。

そんなしけた商店街に一軒だけキラキラ感漂う「東京宝石新田店」の建物があってここだけ雰囲気が浮いている。東京と名乗る割には越谷市を中心に5店舗展開という埼玉ローカル店ですが高円寺にあった店は別ですかね。カネがあったらジュエリー店で宝石を衝動買いしてカネに困ったら質屋に預けるのが財布に穴が空いた貧乏人の行動パターンですがこうした地域にジュエリー店がやけに多いのも世の中の経済論理の一つです。

最近草加市では「おくのほそ道の風景地」の指定を受けた市内の名所である「国指定名勝・草加松原」を大々的にPRして観光客誘致を目論んでいるらしく、こんな場末な商店街にも横断幕が貼られている。隣の松原団地駅も4月1日から「獨協大学前駅<草加松原>」となりましたので皆様も頭の片隅に入れておきましょう。

空きテナントと廃墟と「営業状況が不明な食い物屋」が目立っております

観光不毛の埼玉県にありながら健気に草加松原をPRする行政とは裏腹に「新田ふれあいロード商店街」は空きテナントや廃墟があちこちに見られて、どこがふれあいロードやねん的な寂寥感を漂わせている。

廃業ゲーセン「SHINDEN GAME」。一昔前の下町にならどこでもあった、こうした個人経営のゲームセンター。地元の不良の溜まり場として安定の地位にあった存在ではあるが、近年はこの業種も大型店舗の攻勢に呑み込まれこのような個人零細経営の小さなゲーセンは店仕舞いする他ない宿命に。

廃墟なのか現役なのか見た目で判別が難しい「立喰うどんそば おかわり」と屋号が記されたボロ汚い佇まいの食い物屋。店の表に黄色い「一番搾り」の提灯も掛かっているし、まだ潰れてないかも知れません。やきとりメインの居酒屋らしいですが…

さらに営業状況不明な佇まいのスナックやら何やらが点々と見られるわけだが、この新田駅東口一帯は土地区画整理事業の対象地になっているみたいで、近い将来まとめて取り壊される可能性もあるようだ。

先に触れた「新田横丁」からはみ出したかのように、この商店街にもスナックや居酒屋が多数営業しておるのですが、こんなクソ怪しい店構えで「スナック如何」と言われましても対処の仕様もございません。

商店街の終端部となる旧日光街道側にはやけに政党ポスターがベタベタ貼りまくられている「もつ焼 文」なる酒場が一軒。こういうポスターベタベタ系の店の主って「頼まれたら断れない」性格なんでしょうかねえ。しかも地元の呑んだくれ老人の需要があるのか昼間から店を開けている。

商店街を外れた脇の路地にも恐ろしいくらいに荒れ果てた酒場とアパートらしき建物の廃墟が残っている。このへんも区画整理で取り壊しということであれば近々見納めになるかも知れない。

区画整理に反対する、とある商店主の「主張」

そんな商店街の中のとっくに潰れた店舗の一つが香ばしい光景を見せている。ベニヤ板で店の開口部を塞いだところに地主の主張が書かれた木の板が打ち付けられているのだが…

区画整理事業の取消訴訟を行っている地主のようで、それに関して「審議会(選きよ←原文ママ)に出ます」「落選しました」に加えて「一部の差別、利益供与」などと物々しい文言まで。何らかの選挙に出たり色々と活動家ぶりをこじらせている模様。

しかしこのお店、元は何だったのか気になってよく見てみたら「焼肉 惣菜 キムチ 金」と書かれたボロボロに破けたテント屋根が…はいはい、後はお察しください。

オツな洋食屋がちらほらありましたよ

場末酒場や廃墟以外では、廃れてない飲食店も若干あって、大抵洋食屋かとんかつといった、さまぁ~ずの二人がロケ中にふらふらと入店しそうなドカチン寄りの食い物ばっかりなんですが、左手の「キッチンごちそうさま」がなんともそそられますねえ。

さらに「イタリアンスナック」という謎めいたカテゴリーの店「たむたむ」もまたそそられる食い物屋コレクションの一つに加えておきたい。イタリアンでスナックなのか?!なんだそれは。でも既に飯食った後なんで、素通りですみませんけども。

「金明堂薬局&不動産」という草加新田のブラックホール

もう一つ、草加新田の街並みをお伝えする上で欠かせないのがこちらのお店「金明堂薬局」。地元である草加市金明町から取った屋号だというのは分かるが、薬局と不動産屋を兼業している上に、草加市北部、越谷市南部では結構な数の管理物件を持つ地元の有力不動産屋らしい。

薬局もまた個人プレー全開の胡散臭げな店構えがウキウキさせられるんですが「男のタメのサプリ スーパーDX+オットコール内服液」推しなのがさすがドカチン男の街草加市らしいオチであります。

さらに金明堂のヤバさを容赦なく見せつけているのが店の真向かいにある専用駐車場のDIY過ぎる佇まい。仮設ハウスに足場を組み合わせて自作したかのような廃品回収業者のヤードかよと思わせるカオス感溢れる駐車場の佇まいはとても薬局と不動産屋だけの要素を感じさせない深淵を思わせる。

さらに「黒地に黄色の看板」も安定の電波感を放つキリスト看板的メソッドである。この不動産屋は地元民にどう思われているのだろうか、機会があれば是非伺ってみたいところである。


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