記事を人に教える

高級料亭とTBSとコリアタウンの「赤坂」 (7)

記事を人に教える

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

赤坂の商店街をくまなく歩いてきたが、次は一ツ木通り西側に広がる高級住宅街を巡ってみよう。目指すはプロレスラー力道山の建てた高級マンションだ。

一ツ木通りから西側に入ると途端に住宅街に変わる。この辺なら高級マンションでなくとも地価が高くてまともなサラリーマンでも住めないエリアだ。地名に坂が入っているように非常に坂道や階段が多い。



住宅街の間を縫う路地は車が通るのも難儀する程細い。街のどこを見ても微妙に傾斜が付いていて風景が独特である。
62-160.jpg
路地を抜けた先に古い八百屋が一軒。店の名前すらない、古い八百屋だ。こんな物件が平然と残っている赤坂の街は実に表情が豊かだ。

角の八百屋を入った路地裏には古い一軒家やオンボロアパートが密集していて面食らう。

起伏のある地形が街に淀みをもたらすのか知らないが、赤坂の住宅街には意外に下町臭い風景が隠れている事が多い。

その突き当たりを右に折れた所にもかなり年代物のアパートが隠れている。赤坂だからと言っても高級な物件ばかりというわけでもないのだ。
62-157.jpg
オンボロアパートを回り込むように抜けると小さなお稲荷さんが顔を覗かせる。鈴降稲荷神社。江戸時代から続く街の小さな守り神。
62-158.jpg
稲荷神社の反対側を振り返ると、先程のボロアパートの背後にはTBS再開発計画で建設された巨大オフィスビル「赤坂Bizタワー」がそびえる。凄まじい新旧の対比だ。
62-156.jpg
稲荷神社の前から再び八百屋の前の道に戻る事ができる。もう一軒、使われていない古い民家がある。

目の前にはTBS放送センターの建物、それにTBS敷地の再開発地区が広がっている。
なぜか国有地の看板が掛かっているが、TBSのある土地はもともと二・二六事件で有名な旧陸軍・近衛第三連隊の跡地だった名残りで、放送事業のために国有地を払い下げられたものである。
戦前は陸軍の街だった赤坂を戦火が襲い街の殆どが跡形もなく消えた。瓦礫と化した赤坂の街に戦後になって栄えたのは、大規模なコリアタウンと反日放送局だと叩かれまくるTBS。何の因縁だろうか。
62-159.jpg
ちなみに赤坂サカス側に回ると鈴降稲荷神社前のボロアパートを反対側から見る事ができる。洗濯物を干していたりすることもなく既に生活の臭いがしない。老朽化が激しそうだし近々取り壊されてもおかしくないだろう。
62-161.jpg
先程の八百屋の前の道をさらに進むと、円通寺坂が現れる。坂だらけの赤坂とは言うがこの坂もなかなかの急勾配を見せている。
62-162.jpg
坂を登り切ると、坂の名前の通りに円通寺という寺の横手に出る。振り返ると巨大なプルデンシャルタワーが青空の中心を独り占めしている光景が見られる。
この先は庶民面のまったくしない高級マンション街だ。
62-163.jpg
勝どきや豊洲のような新興高級マンション街とは違い、赤坂には古いマンションが非常に目立つが、中古価格でも庶民の手にはなかなか出しづらい相場となっている。買い物も不便そうだし、どこへ行くにも丘を下る必要がある。ガチなセレブしか住んでいないだろうな。
62-164.jpg
そんな住宅街の一角に3階建てのやはり古びたマンションがある。これが有名な力道山の建てた「リキマンション」の別館。
62-165.jpg
リキマンションの看板も建っているので間違いない。表の道路に面する3階建ての別館と、奥まった所に隣接して建つ7階建ての本館が2つ存在し、築50年近いにも関わらず高級感が抜けない。
在日朝鮮人である出自を隠して、希望をなくした戦後の日本人にブラウン管を通じてカラテチョップで熱狂を与えた国民的英雄は、この赤坂の地に住み、赤坂を自ら手がける力道山王国とするべく実業家として名を挙げる。
赤坂にマンションを建てた他、渋谷に総合スポーツレジャービル「リキ・スポーツパレス」を建設するに至るが、ナイトクラブで行きずりのヤクザに刺されて命を落としたのだ。
62-166.jpg
リキマンションを過ぎると再び急な下り坂となる。稲荷坂である。坂の上からは今度は六本木ヒルズや東京ミッドタウンの超高層ビルが現れる。まさしく東京に名だたるセレブタウンの中心にいるかのようだ。
62-167.jpg
稲荷坂の下まで降りてきた。やはりこちらの坂もなかなかキツイ。
ここまで来ると地下鉄の駅は乃木坂と赤坂の間になる。結構な距離を歩いてきたようだがアップダウンが激しいだけで、それほど広範囲に歩きまわっている訳ではない事に気づいた。


>乃木坂編へ

The following two tabs change content below.
東京DEEP案内の管理人です。2008年の開設以来、首都圏一都三県の街歩き情報を淡々と記録し続けております。いわゆる日陰者的物件、観光地にもならない場所、ちょっとアレな地域を見物・考察する事を趣味としております。2017年6月15日、単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を発売。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

記事を人に教える

スポンサーリンク
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.