隣のピンクタウン「西川口」同様、ここ蕨駅前もエスニックコミュニティが盛んな街として知られている。テレビ東京が放送する、首都圏のどこでも行ってしまう地域密着系エンターテイメント番組「アド街ック天国」にも蕨が紹介され、18位の項目に「外国人に優しい街」と称して、蕨市の人口7万人のうちの2700人が外国人であることを紹介している。
人口占有率はおよそ4.5%、埼玉県内では最も外国人密度が高い自治体になっている。
蕨駅西口一帯にある微妙な雰囲気の繁華街を見れば、あちらこちらにフィリピンパブや韓国パブが点在しているのが見える。
蕨でフィリピンと言えば、一連の「カルデロン一家」の顛末を思い起こす。
フィリピン人の両親ともども偽造パスポートで日本にやってきて、不法滞在していた中で生まれた子供をダシに左のプロ市民が法を情で捻じ曲げる理屈でギャーギャー騒ぎ(これをいわゆるカルデ論という)自称国粋主義者の右のプロ市民も外国人犯罪者は出て行けと家族への誹謗を込めた過激なデモでギャーギャー騒ぎ(これをいわゆる街宣右翼という)、左右入り乱れて、小さな蕨の街が大きなお祭り騒ぎになった、あの件だ。
しかし生まれた子供には何の罪もない訳で、まだ小さな彼女を不憫に思うわけである。
蕨西口に行くと特徴的な建物が二つ並んでいる。「ワラビストアービル」を囲んだ雑居ビルの谷間が独特な空間を生み出していて、思わず立ち寄りたくなってしまう。
三方を古びたコンクリート建築に囲まれた一角。東京の都心ならとっくに取り壊されて建て替えられていたであろう建物だが、蕨の駅前にはこうした古い雑居ビルがちらほら残っているのだ。
雑居ビルの壁には無秩序に政党ポスターやいろんな業者のポスターがベタベタ貼られている。
雑居ビルの谷間からワラビストアービルの下を通り抜けて反対側に出てくると、そのビルが居酒屋やスナックばかり入っている事に気が付く。
その隣には「蕨名店街ビル」という、どう見ても二世代くらい時間の流れが止まってしまったかのような雑居ビルが大きな口を開けて建っているのだ。
2階ぶんの吹き抜けが建物の中央を通り、その両側に、やはりスナックやバーが立ち並ぶ。見た目は相当奇妙な形状をしたビルである。
スナック・パブ以外の店も漢方薬専門薬局、マッサージ店など、明らかに水商売の客向けな店舗構成。どこの駅前でも見かけるはずの生鮮食品スーパーといったものをこの界隈ではあまり見かけない。つまり自炊派が少ないということか。
一軒だけ「せまいの」という名前のスナックがあるが蕨が狭いのか店が狭いのかどっちの自虐ネタなんだろう。
蕨名店街ビルが変なのは、建物の横っ面にある急で狭い階段がクロス状に並んでいるさま。上の階はどうやら住居になってるみたいだが、これ、どうやって荷物を搬入するのだろうか。
蕨市役所は蕨駅西口から1キロほど西へ歩いた、中山道蕨宿に近い住宅街の一角に、ぽつーんと建っている。さすが全国最小面積の市役所だけあって、庁舎もすげーコンパクトなのだが、市役所の場所自体もかなりわかりづらい。
市制施行50周年と、意外に長い市制の蕨市の市長は、2007年より共産党市長となっている。(→詳細)共産党員が市長の自治体は全国でも数えるくらいしかない。
市の顔である市役所の向かいが木造アパートというのも蕨クオリティ。飾らない気取らない。貧民も金持ちも同じ貴重な一票なら、得てして貧民街は共産党か公明党が強くなると決まっている。たまたま蕨は共産党が強かっただけ、ということか。
そして街には至る所に共産党ポスターが貼られている。現在共産党市政である事、それ以前に左翼政党の勢力が強いという土地柄があるのかも知れない。
さらには市役所の裏手の駐車場にまで共産党の街宣車(といっても普通の乗用車だが)がずらりと並べられている。
蕨駅西口から続く商店街にも護憲団体による「爆笑憲法コント」イベント開催の通知。護憲と言えば共産党。
本当は蕨市も、平成の大合併の時期に川口市や鳩ヶ谷市と合併して「武南市」になろうとしていたそうだが市名の対立を巡って合併交渉が物別れに終わったそうな。
おお、こんな所に「カルデロン」が!と思ったら「リカバロン」でした orz
それは「パワーヘルス」とよく似た電磁治療器。「微妙に寂れた商店街」に現れるところまで似ている。